
文:佐藤 寿宏
いよいよ目前に2023年の鈴鹿8耐が迫ってきた。今年もトライアウトなどを勝ち抜き参戦権を得た50チームによって8時間の熱き戦いが繰り広げられる。
2023FIM世界耐久選手権 第3戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会 PREVIEW
大本命のTeam HRCにYART YAMAHAが真っ向勝負!?

大本命の#33 Team HRC with 日本郵便。昨年は予選で2分04秒台をマーク。今年は2分03秒台が記録されるか!?

ケガからの回復が心配された長島哲太(右)だが、公式テストではトップタイムをマーク。高橋巧(中)は優勝すれば最多勝記録(5勝)に並ぶ。スーパーバイク世界選手権で活躍中のチャビ・ビエルゲ(左)は鈴鹿8耐初参戦となる。
本命は何と言っても唯一のワークス参戦となる#33 Team HRCだろう。昨年も圧倒的な速さを見せて優勝しており、今年は、その速さに、さらに磨きをかけている。しかし、その道のりは順風満帆ではなかった。昨年の優勝の立役者でもあった長島哲太が4月にテスト中に転倒し左足首を負傷。全治6カ月と診断され、とても鈴鹿8耐には間に合わない状況となっていた。Hondaは6月末に高橋巧、イケル・レクオーナ、チャビ・ビエルゲというラインナップを発表し、長島の回復具合を見て判断することになっていた。7月5、6日に行われた鈴鹿8耐テストで長島は、2分06秒077のトップタイムをマーク。ロングランも行い、その最中に記録したものだった。まだケガから回復している過程にあると言えるが、それでも群を抜いている速さだった。そんな長島を使わない手はない。Hondaは、7月25日に長島の起用を発表。レクオーナは、鈴鹿8耐と同日に行われるMotoGPイギリスGPにアレックス・リンスの代役として参戦することも併せて明らかにされていた。同時にチーム名も「Team HRC with 日本郵便」となり、日本郵便を新たなパートナーとして迎えている。高橋巧は昨年4勝目を飾っており、今年勝つことができれば最多記録を持つ宇川徹と並ぶことになる。その可能性はかなり高いと言えるが、長島のさらなる回復、そして鈴鹿8耐初参戦となるチャビがどう戦うかがカギを握ることになりそうだ。
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