今週末に差し迫った真夏の祭典「鈴鹿8耐」! 今年は一体、どんなドラマが待っているのか、今から楽しみという方も多いのではないだろうか。そこでレースの楽しみ方や見どころが分からない人のために、今年の注目ポイントをウェビックきっての8耐好き社員・ホリウチが独断と偏見を交えて解説!予想が当たるかどうかはさておき、子供のころから8耐を見てきただけあって、その視点はなかなかのものです。ぜひ、彼の持論を温かい目で見てやってください!

過去30年分の優勝チームを暗記するマニア・ホリウチが解説!

こんにちは! 新卒2年目のウェビックスタッフ・ホリウチです。自分は、社内でも自他共に認めるモータースポーツ観戦好き。なかでも鈴鹿8耐は自分で言うのもなんですが、超がつくほどのマニアだと自覚しています。

というのも、両親の影響で0歳の頃から鈴鹿サーキットに連れてこられ、8耐は2009年、小学6年生から絶えず現地観戦。中学3年のときは、部活でどうしても外せない試合と8耐が被った際も、試合を地元大阪で終えてから「最後の2時間だけでも」と観戦に向かうほど執着ぶりを発揮しました。いま、26歳になりますが、鈴鹿8耐の現地観戦は今年で14年目を迎えます(連続観戦記録は現在も継続中!)。そして、足で稼いだ知識は血となり肉になったかは分かりませんが、過去30年の優勝チームやライダーは暗記するまでに至っています。

これほど8耐を見ているファンもそう多くはないでしょう!バイク好きが集まるウェビックの中でも、8耐に特化していいなら、自分の右に出るものはいない!そう自負しております(笑)。

というわけで、今回、熱狂的8耐ファンである私がレース展開や注目チーム、そして見どころを解説(あくまでも個人的見解です・・・)させていただきます。

2023の注目チームと考え方

8耐参戦チームにはそれぞれの目標があります。それを整理して見ることでチームの戦略や判断の背景を知ることに繋がると思います。

そして、注目チームは大きく分けると3つにタイプがカテゴリー分けできます。8耐を初めて観戦する方は、まずはここから押さえておきましょう!

①8耐スペシャルワークスチーム

→メーカーの威信を賭け、優勝を目指す最強チーム群

#33 Team HRC

ワークスチームとはメーカーが直接チームを運営してレースに参戦する形態を指しますが、「鈴鹿8耐で勝つ」ことを至上命題に掲げて参戦するのですから気合が違います。さらに、この一戦のためにチームが組織されるのですから、下で紹介されるEWCのトップチームよりも8耐に賭ける熱量は上でしょう。

しかし・・・。2019年はホンダ、ヤマハ、カワサキと3メーカーが揃っていましたが、2019年をもってヤマハワークスが、2022年をもってカワサキワークスが参戦を休止(泣)。現在、8耐スペシャルのワークスはホンダのみという状況です。

②EWCトップチーム

→EWC年間タイトル獲得を最大の目標に掲げているチーム群

#1 F.C.C. TSR Honda France
#7 YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC
#11 Team Kawasaki Webike Trickstar
#12 Yoshimura SERT Motul
#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
など

メーカーから直接支援を受ける準ワークスチームと呼べる体制でいずれも強力です(BMWはワークス体制)。耐久レースを知り尽くしたスペシャリストとして、十分優勝争いに絡んでくるポテンシャルがあると思います。

ただ、彼らの最終的な目標はあくまでEWC年間タイトル。8耐のみ参加のチームと比較すると無理をする走りは出来ないという点は覚えておきたいですね。

③国内全日本有力チーム

→優勝・表彰台の獲得を目指しているチーム群

#9 TTSRacing MurayamaUnso HondaDream
#17 Astemo Honda Dream SI Racing
#40 Team ATJ
#71 Honda Dream RT SAKURAI Honda
#73 SDG Honda Racing
#76 AutoRace Ube Racing Team
#95 S-PULSE DREAM RACING-ITEC
#104 TOHO Racing
など

国内で戦うライダーを中心に組織されるので、地の利がはたらきます。

メーカーからの手厚い援助を受けるチームやファクトリー製パーツを組み込む車両もあるなど準ワークスと呼べるチームも含まれています。鈴鹿サーキットの走り込みの量も多く、チームによっては充分優勝争いに絡んでくることが予想されます。

今年の注目ポイントは?

Team HRC・高橋巧選手

 

・高橋巧選手が宇川徹氏の最多5勝記録に並べるか

・タイムスケジュールの変化の影響は?

宇川徹氏は32歳で「8耐で5勝」という偉業を達成しています。そして、33歳の高橋巧選手はこの最多5勝記録に並べるのか期待が高まります。

また今年はタイムスケジュールが大きく変更されているのも特徴でしょう。長らく土曜午前に開催されていた鈴鹿4耐の併催が終了したことで、TOP10トライアル以外の予選セッションが土曜の午前にも開催されます。よりセットアップが煮詰まった土曜にも計測が可能なので大きなタイムアップがあるか注目です。

ただし、土曜の走行時間が増えるということは、転倒によるマシン損傷のリスクも増えますね。決勝前日にマシンが大きく損壊しないよう注意も必要になってくると思います。つまり、レースは決勝だけでなく前日も要チェックなのです。

ホンダ優勢の見方が強いが、伏兵も健在!

Team HRC

 

多くの方が予想している通り、私もホンダと予想します。唯一強力なワークスチームを展開するのはホンダ。

ノートラブルであればイチバン速さを持っているHRCが2連覇を達成するというシナリオが真っ先に浮かびます。

しかし、8耐の歴史を紐解けば、いくら圧倒的な力を持っていても、予想外のトラブルに見舞われて涙を見る・・・こんな展開だって星の数ほどありました。

ただ、仮にチームHRCがトラブルに見舞われても、その後ろにいるのはアステモやSDGホンダ(ハルクプロ)といったホンダ勢のような気がします。

「ホンダだけなの?」という声も聞こえてきそうなので、優勝争いに絡む注目チームとしてヤマハ・YARTとヨシムラSERTを挙げたいですね。
(ちなみに自分の愛車はヤマハのYZF-R1。ヤマハには頑張ってもらいたいんですよ!)

#7 YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC

 

YARTは昨年、3人のライダーが予選で2分5秒台のタイムをマークするなど国内ワークス勢に引けを取らない驚くべき速さを持っているチームです。ただ彼らのイチバンの目標は、EWCの年間タイトル。速さを存分に見せつけ優勝を狙うのか、それとも無理をせず着実にポイントを獲得するのか、ここは非常に興味があるところ。

#12 Yoshimura SERT Motul

 

ヨシムラは過去2戦で苦戦を強いられ、現在トップから52ポイント差のランキング4位に付けています。逆転でEWCタイトルを獲得するには、少しでも鈴鹿で点差を詰めて最終戦を迎えたいのでは?そう考えると、ヨシムラは今回、手堅い走りではなく逆転を見据えた勝負に打って出る可能性もあります。

この2チームがホンダ勢に切り込めば、今年のレース展開は混戦必至! 14年間見てきたキャリアをもってしても、まったく予想がつきません!(汗)

ジンクスを見てもホンダが有利か?

どんなに速くても、耐久レースという長丁場では何が起きるか分かりません。やはり、運というかジンクス的な要素も多少はあるのかもしれません。自分が調べて気になったのは以下2点ですね。ここからも、ホンダが優勢な気がしてきます。

・ホンダが連覇していないのは第2回大会、第12回大会、第31回大会の3回だけ

ホンダはこれまで43大会中28回の勝利を収めているので、もちろん連覇も多いです。他メーカーから優勝を奪還した過去9回の大会(昨年を除く)でその勝利を連覇に繋げていないのは3回のみ。
これは、もともとホンダ車での参戦チームが多く、その中でも指折りの有力チームが上位を固めているから。前回もホンダが優勝したことを考えると、連覇する可能性は高いのではないでしょうか。

・高橋巧選手は過去13回の出場でいずれも無転倒。表彰台獲得率は69%

高橋巧選手は速さと安定感を高レベルで実現し続けています。表彰台獲得については、以下をご覧ください。無転倒もすごいのですが、この成績は圧巻の一言ですね。

高橋巧選手の鈴鹿8耐表彰台獲得履歴
2008年(3位)、2009年(3位)、2010年(優勝)、2011年(3位)、2013年(優勝)、2014年(優勝)、2018年(2位)、2019年(3位)、2022年(優勝)の9回

S字&逆バンクを見れば、調子が分かる

私は、S字近辺のテント設営OK地点にテントを構え、そこを拠点に観戦するのが通例。S字以外だとヘアピン、シケイン、1コーナーなどで観戦します。

 

さて、事前情報をもとに現在の状況をお伝えしてきましたが、レースは生き物。状況は刻一刻と変化していきますので、現場での情報収集はさらに重要です。そこで、現地観戦をどうしているか、私なりのポイントをご紹介します。

自分が最も好きなというか、重要視している場所がS字と逆バンクです。

ここは、2コーナーの立ち上がりからNIPPOコーナー(旧ダンロップコーナー)までがラップタイムに与える影響も大きく、鈴鹿攻略の最大の鍵と言われるほど重要なセクションなのです。このセクションはごまかしが効きません。ライダーの腕やセットアップの進捗度が分かりやすいのもココでしょう。(偉そうなことを言ってすいません・・・)

また、東コース全体を見渡せる上、モニターもあるのでレースの全体像も掴みやすいですね。時間が許すようであれば金曜、土曜にこのセクションを走行するマシンを眺め、自分なりの順位予想を立ててみても面白いでしょう。

Webikeの順位予想企画もオススメです!

 

手前味噌で恐縮ですが、ウェビックでは8耐の順位予想企画も開催中!ウェビックでお買い物に使えるウェビックポイント20万円相当を山分けする企画もあるので、こちらも要チェックです。せっかくなので、皆さんもぜひご活用ください!

お題は以下です。

①鈴鹿8耐の推しチームを決めよう!
②トップ10トライアル「1位」のチームを当てよう!
③決勝レース「優勝」のチームを当てよう
④決勝レースの上位3メーカーを当てよう!

せっかくなので、私の予想もお知らせしましょう(情報は2023/07/31現在)。あくまでも私個人の予想ですので、外れても責任は持てません(笑)。

①鈴鹿8耐の推しチームを決めよう!

ホリウチ
Team Kawasaki Webike Trickstarです!

元々、渡辺一樹選手はチームグリーン時代から好きなライダーでしたので年初の発表は驚きでした。

ランディ選手は8耐優勝こそないものの、ヨシムラ、TSR、ハルクプロなど日本のトップチームでの参戦経験もあり頼れる存在です。グレゴリー選手も2014年に耐久スペシャリストとしてトリックスターに招聘されてから注目しているライダー。経験豊富なこの3人がどんな結果を残せるか楽しみです!

②トップ10トライアル「1位」のチームを当てよう!

ホリウチ
Team HRC with Japan Postでしょう!

昨年はトップ10トライアルがなくなってしまいました。今年は無事開催され、長島選手の4秒台ラップが見れたらなと思ってます!

③決勝レース「優勝」のチームを当てよう

ホリウチ
期待を込めてSDG Honda Racing

あえて手堅いHRCを避けてみました!もし当たれば沢山ポイントを取れますからね。純粋にマシンとライダーのポテンシャルは2番手グループにいることは間違いありません。マシンのカラーリングも好きですし、昨年は他車の接触に巻き込まれた雪辱を晴らしてくれれば!と思います。

④決勝レースの上位3メーカーを当てよう!

ホリウチ
HONDA-HONDA-YAMAHAと予想します

速さではHRC、次点にアステモ、SDGホンダ、ヤマハYART、ヨシムラSERTが近いところにいるはず。ホンダがワンツーを決め、ヤマハYARTが悲願の8耐初表彰台を決めるというシナリオを頭に浮かべて出しました。

終わりに

今年は自身にとって14回目の8耐になります。コロナにより2年間の延期や行動制限の中で開催された昨年を乗り越え、やっと本来の楽しみ方ができそうなレースウイークを目前に控えて興奮しています。

世界トップクラスのライダーの惚れ惚れするようなライディング、皆さんも鈴鹿で観戦しませんか?

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