2023年6月2〜4日、スーパーバイク世界選手権(SBK)スーパースポーツ600がイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催された。阿部真生騎は、今年の初めにテスト走行を経験しており、これまでの2戦に比べればコースを知っていることがメリットだった。

文:佐藤洋美/写真:VFT Racing Webike Yamaha

【WSSP第5戦】レース1は後方から追突されリタイヤ

フリープラクティス1回目、トップタイムはドゥカティを駆るMONTELLAで、1分38秒229を記録。トップ3はドゥカティで僅差で続き、7番手までが38秒台、39秒台は10台と上位陣は接近している。真生騎は、1’42,903 で最下位の32番手と苦戦する。

フリープラクティス2回目は.ドゥカティのBULEGAが1分37秒267とタイムアップしてトップとなり、2番手はヤマハのCORSIで二人が37秒台。3番手から13番手までが38秒台で続いた。真生騎は1‘42,290で32番手と僅かにタイムアップしているが、順位は変わらなかった。

スーパーポールは、BULEGAが唯一の36秒台にタイムアップし1分36秒495を記録してポールポジションを獲得。2番手から12番手までが37秒台。真生騎は、1’41,164で最後尾の 31番手で11列目からのスタートとなった。

フリープラクティス2回目を走行する真生騎。

阿部光雄氏は「自己ベストを1秒以上更新して順位は1個上がったもののトップとは4秒以上の差でした。特にこのサーキットの超高速コーナーが攻略できず、チームメイトのニコラス(1’38,177 13位)とここのコーナーだけで1,5秒の差がある。ニコラスより速いところもあるのですが、ほかの3箇所を入れて約3秒の差をつけられた」と言う。

レース1決勝、真生騎はスタートダッシュを見せるも1周目の10コーナーで突っ込みすぎたライダーが真生騎の後輪にヒット、接触転倒リタイアとなってしまう。優勝はBULEGA、2位はヤマハのMANZI、3位はドゥカティのCARICASULOとなる。

レース1を走行する真生騎。この後追突されてリタイヤした。

レース2決勝の朝に行われたウォームアップに真生騎は転倒後のマシンを修復して走行。マシンの確認を含めた走行で1’41,224と記録、31番手となり、決勝への不安を払拭する。決勝ではスタートを決め、1‘40秒台へとタイムアップして集団について行くが、少しずつ離されてしまい、最終的には転倒者が多く出たこともあり、24位でチェッカーを受けた。優勝はMANZI、2位にBULEGA、3位SCHROETTER(MV Agusta)が入り表彰台に登った。

レース2を走行する真生騎。自身2回目の決勝完走を果たした。

阿部真生騎コメント

VFT Racing Webike YAMAHA
予選:31位
決勝レース1:リタイア
決勝レース2:24位

「ミサノはハイスピードコーナーがあり難しいコースという印象でした。一度練習で走ったことがあったのでレースウィークもうまく行くという期待があったけど、走り出したら全然タイムが出ない。練習で走った時と路面も気温も変化していることもあると思うけど、練習で走った時のタイムからも1秒落ちくらいで…。コースは覚えているけど、走り方を忘れているという感じで、フリー走行で少しずつ思い出していけた。

予選では、走り始めから1秒くらいタイムアップが出来た。レース1は、すぐに追突されて1周することも出来ずに終わってしまった。ピットウォークの時にライダーが謝りに来た。レーシングアクシデントだから仕方ないけど、走り切りたかったという思いが残った。

チームがマシンを直してくれて、レース2ではベストタイムも出て、アベレージも維持できていたんだけど、終盤に来てタイムが落ちてしまった。チーム監督は、心拍数が上がった状態でのトレーニングをするようにとアドバイスしてくれた。課題を与えられたので、それに取り組んで行きたいと思う」

「ビザがまだ取れないので、帰国してトレーニングに励みます」と語る真生騎。

阿部光雄コメント

「初のWorldSSPオランダは予選落ち、真生騎にとっての2戦目カタルニアはレース1転倒、レース2完走。3戦目となる今回のミザノで2レース目の完走でした。コーナーによってはいい所もあり、徐々に良くなってきてはいるのですが、全体的にはまだまだ他との差があります。

ライディングの改善ももちろんですが、フィジカル的、メンタル的に弱いところがあり、チームからは10kmのランニングとダッシュで心拍数を上げ、心身ともに鍛えるように強い要望がありました。バイクでのトレーニング+フィジカルトレーニングで早く『追いつき追い越せ』を実現させたいと思います」

次のレースは6月30日~7月2日の英国ドニントンパークだ。

【画像ギャラリー】ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェ 2023年6月2〜4日

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コメント一覧
  1. ロッシのニックネームはロッシフミ より:

    偉大なオヤジの背中はまだ遠いのかもしれないが、今できること全てで頑張ってください応援します!

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