Webikeも後援する「日本郵便 Honda Dream TP」全日本ロードレースレポートをお届けします!
目次
2023MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦SUPERBIKE RACE in MOTEGI
日程:2023年4月1日(土)公式予選 天候:晴れ コース:ドライ / 2日(日)決勝 天候:曇り コース:ドライ
会場:栃木県・モビリティリゾートもてぎ(1周=4.801379km)
観客動員数:8600人(2日間合計)
ST600
#2 小山知良 予選:6番手(1'52"976) 決勝:4位
ST1000
#3 高橋裕紀 予選:3番手(1'49"369) 決勝:4位
ST1000
#36 高橋 巧 予選:2番手(1'49"208) 決勝:5位
J-GP3
#14 岡崎静夏 予選:18番手(2'03"514) 決勝:15位
J-GP3
#7 若松 怜 予選:3番手(2'00"335) 決勝:5位
3クラス5台体制がスタート!各クラスとも表彰台にあと一歩及ばず
日本郵便HondaDreamTPとして5年目のシーズンが始まった。手島雄介監督が代表を務めるT.PROは、ちょうど10年を迎える。この節目の年に3クラス5名という布陣を敷くことになった。ST600クラスの小山知良は変わらないが、ST1000クラスには高橋裕紀に加え、ブリティッシュスーパーバイク帰りの高橋巧が、J-GP3クラスには、岡崎静夏に加え17歳の若松怜というライダーラインナップだ。
3月に入ってから開幕戦の舞台となる栃木県・モビリティリゾートもてぎでテスト走行を繰り返し、前週の事前公開テストを経て、レースウイークを迎えていた。
ST1000クラスの高橋巧は、開幕前から注目を集めており、初テストで転倒があったものの、速さを見せていた。実際、レースウイークに入っても初日からトップタイムをマーク。2日目もさらにタイムを1分49秒447まで縮め連日のトップにつけていた。
一方、ST1000初代チャンピオンであり、高橋巧のことは幼少のころから知っている高橋裕紀も負けていられない。2日目までセッティングに苦しんでいたが、公式予選で施したセットが決まり一気にタイムアップ。1分49秒369をマーク。高橋巧も、これを上回る1分49秒208を記録。その後、2人とも転倒があったが、ケガはなく高橋巧が2番手、高橋裕紀が3番手とフロントロウからスタートすることになった。
J-GP3クラスの若松も3番手タイムを出しフロントロウにつけたが、岡崎は前週の事前公開テストの最後に転倒した影響で痛みを我慢しながらの走りになり、予選は18番手となっていた。
ST600クラスもハイレベルな予選となり、小山は自己ベストを更新する走りを見せたが6番手。2列目から優勝を狙っていた。
日曜日は曇り空となり、前日より気温は下がったものの、時折陽が差すときもあったが、午後になると雨雲が近づき雨粒が流れてきたが、ドライコンディションで各クラスのレースが行われた。
この日、最初のレースとなったJ-GP3クラスは、若松が健闘。5台による2位争いを繰り広げ、一時は集団を引っ張る走りを見せていた。このバトルは最後は4台に絞られたが、僅差の5位と表彰台を逃す結果となった。岡崎はレース終盤は痛みをこらえながらペースを上げることができなかったが、何とか15位でゴールしポイントを獲得した。
15周で争われたST600クラス。小山は序盤からトップグループにつけていたが、7周目のV字コーナーで目の前のライダーが転倒。間一髪で避けたものの、前と差を詰めるためにペースを上げる。トップグループに追い付いたものの、このときにタイヤを使ってしまい苦しい展開に。最終ラップは3番手につけていたが、1台にかわされてしまい悔しい4位となっている。
そして、この日、最後に行われたST1000クラス。高橋裕紀が好スタートを切り2番手につけ、高橋巧も4番手でオープニングラップを終えると、2人ともトップグループにつけて周回を重ねていく。ST1000初レースの高橋巧は決勝のコンディションの違いから、思うようにペースを上げられずポジションを落としてしまう。高橋裕紀はレース終盤に渡辺一馬選手と何度もポジションを入れかえる3位争いを繰り広げる。小山と同じく最終ラップは3番手を走っていたが、S字コーナー進入でかわされ4位でチェッカーフラッグを受けた。高橋巧は、その直後に5位でゴールしている。
各選手の声
小山知良 選手
「今回の結果は完全に我々の準備不足です。他のライバルチームが死に物狂いでいいエンジンを作ろうとこのオフシーズン中に取り組んでいたところ我々はその部分が足りなかったまでです。レースでは芳賀涼大選手が目の前で転倒し、ギリギリで避けることでき本当によかったと思います。
転倒の影響でロスタイムができ厳しいレースとはなりましたが、チャンピオンシップを考えると最低限の仕事はできたと思います。今回の悔しさをバネにチーム力をここで一度リセットしもっと上を目指して頑張ります。次戦リベンジできたらと思います。応援ありがとうございました」
高橋裕紀 選手
「スタートがうまく決まり2番手につけることができ、その後もトップグループ内でバトルを展開できていたのですが、中盤から後半に自分の走りを活かすことができませんでした。
最後はトップと自分たちのいる3位争いに分かれた中で最低でも表彰台を獲得したかったのですが、目の前で逃してしまいました。本当に悔しいです。次戦は最後までしっかりと戦い優勝を目指します。引き続き応援をよろしくお願いいたします」
高橋巧 選手
「厳しい結果となりました。できることは全てやった中で結果に繋げられなかったのは努力不足です。ウイークの入りからある程度プラン通り進められていたのですが、よくなかったのが転倒だと思います。レースウイークで2回も転倒をしたことで、どこかリズムが崩れたことが結果を残せなかった原因の一つだと思います。次戦のSUGOは JSBのコースレコードを持っているのでSTでもその速さを発揮し、次こそは3年分の成長をお見せしたいです。ぜひ応援よろしくお願いいたします!」
岡崎静夏 選手
「マシンは仕上がっていたので決勝ではもっと上位を目指せる自信がありました。結果は15位とポイントを獲得することはできましたが、狙っていたポジションではありません。自分がうまく走り切ることができなかったのが原因です。
後半で失速してしまったのは、事前テストで転倒した際の怪我をかばって走った影響が出てしまいペースを保ちきれませんでした。次戦までにまずは怪我を治してトップ争いを展開できるように準備をします。応援ありがとうございました」
若松怜 選手
「自分の力不足で2位争いを展開していたのにも関わらず、最後の最後で前に出ることが出来ず5位で終わってしまいました。今はとても悔しいです。ですがレースでの手応えとしては去年を超えられたので、そこはよかったと思います。終わってしまった事なので、次戦に向けて気持ちを切り替えます。SUGOは得意としているサーキットの1つで去年は表彰台を獲得しているのでトップを目指して頑張ります。ありがとうございました」
チーム運営:株式会社ティー・プロ・イノベーション代表取締役 手島雄介
「まず日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、多くのスポンサー様に2023年の開幕戦を無事に迎えられたことを感謝申し上げます。
初戦となったもてぎ大会では各クラスで表彰台を狙えるポテンシャルとクオリティを持ち合わせていた中で、全クラス表彰台に登れなかったことは心の底から悔しい気持ちと同時に応援を頂いている皆様に対して申し訳ない気持ちが入り乱れ複雑な心境です。
今年の我々のテーマは『攻』です。これには『常に新しい事へ挑戦をする』という意味があり、まず一つ目の “攻” には5台のマシンで挑むチームを編成しました。参戦台数が増え活動内容が薄まる危惧はありましたが、プロフェッショナルな選手とスタッフでトップ争いを全クラスにおいて展開してくれたことで改めて『チャレンジしてよかったな』と思える開幕戦になりました。
またこの数年間は、お客様がサーキットにお越しいただいても制限があり、ライダーと触れ合う時間が持てなかった中、ようやくサイン会が開催できPIT WALKでは長蛇の列の光景を目にできたことは嬉しい気持ちでいっぱいです。我々はモータースポーツを通じて皆様に喜び・楽しみ・幸せを感じていただきたい思いで活動しています。ですが今大会に関しては皆様から我々に喜びを与えていただいたなと心の底から感じさせていただきました。『レース結果が後押しになるプロジェクト』をモットーに活動している我々ですが、その結果を最高のポジションで終えることの力の大きさを再認識しました。
次戦のSUGO大会に向けて今回の課題をクリアできるように精進したいと思います。引き続きOne Teamへのご参加宜しくお願い致します。
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