3月8日、Webikeチームノリックヤマハが2023年の参戦体制を発表した。2010年の野佐根航汰選手の全日本選手権フル参戦からグランプリ最高峰で勝てるライダーを育てることを目標にしてきており、今年は阿部真生騎選手が世界選手権SSP600に参戦し目標に一歩前進。国内では新たに加入した久川鉄平選手がJP250に参戦する。

真生騎選手はVR46マスターキャンプがきっかけでSSP600へ

Webikeチームノリックヤマハの久川鉄平選手は、ヤマハのライダー育成プログラム「bLU cRU(ブルークルー)」活動の一環として、ランキング最上位ライダーが欧州へ派遣されるJP250のプログラムに参加。YZF-R3勢のトップを目指す。

「YZF-R3を使ったヤマハカップから世界の頂点を目指します。今年のbLU cRU R3カップのトップを決め、来年欧州のR3ヤマハカップへの出場権獲得を目指します」(阿部光雄監督)

そして、阿部真生騎選手はWebike VFT Racingチームから、スーパーバイク世界選手権SSP600クラスにヤマハYZF-R6で参戦。ルーキーチャレンジ枠となることから2戦のオーバーシー(欧州以外)レースには出場権がなく、4月23日のオランダがデビュー戦だ。

真生騎選手は、昨年末からスペインでモト2やモト3ライダーらと一緒にKSBトレーニングアカデミーにて週4日はダートやモトクロス、YZF-R3といったバイクによる練習走行、週2日はフィジカルトレーニングというスケジュールでシーズンオフを過ごしてきた。

「真生騎は昨年のVR46マスターキャンプのトレーニングをきっかけに、ダートの速さを見込まれ、とんとん拍子にSSP600への道が開けました。すでに12月からスペインはバレンシアでトレーニングに入り、SSP600マシンでのチームテストもスペインのカルタヘナサーキットで3日間、ヘレスで3日間、手応えを感じながら無事終えています。

1年目は非常に厳しいレースとなることが予想されますが、恐れずチャレンジ精神を大いに発揮して飛躍の年にしてほしいと願っています」(阿部光雄監督)

阿部光雄監督は、1967年からオートレーサーとして活躍した元プロライダーでノリックこと阿部典史をグランプリライダーに育てた父でもある。現在は孫の真生騎選手ら若手ライダーの育成に努めている。

右から村野雅也メカ、阿部光雄監督、阿部真生騎選手、久川鉄平選手、リバークレイン信濃孝喜社長。2023年は全日本選手権を離れる方向転換になるが、当初の目標は変わらない。

久川 鉄平(クガワ テッペイ) JP250 MFJカップ選手権

2013年にサーキット秋ヶ瀬駐車場にて74Daijiroに初乗車。同年にレースデビュー。2019年よりNSF100にステップアップ。関東ロードミニバイク選手権に参戦し数多くの実績を得る。2022年にロードレースに挑戦。ホンダCBR250Rにて筑波ロードレース選手権、もてぎロードレース選手権に参戦。2007年12月31日生まれの15歳。

2014年
・DaijiroCUP フレッシュマンクラス シリーズチャンピオン
・TakumaGP フレッシュマンクラス シリーズチャンピオン
2019年
・関東ロードミニバイク選手権 HRC TROFY Jr.クラス シリーズランキング4位
2021年
・関東ロードミニバイク選手権インポートミニEXPクラス シリーズランキング4位
2022年
・筑波ロードレース選手権 CBR DreamCUP エキスパートクラス シリーズチャンピオン獲得
・もてぎロードレース選手権 ST250S クラス シリーズチャンピオン獲得
・全日本ロードレース選手権併催JP250 MFJカップ シリーズランキング国内5位
・YAMAHA R3 bLU cRU SuperFinale 参戦

「Webikeチームノリックヤマハのライダーとして走れることを光栄に思います。昨年からロードレースを始め、まだまだ経験不足ですが、全力を尽くして楽しんでもらえるレースをしたいです」(久川鉄平選手)

阿部 真生騎(アベ マイキ) スーパーバイク世界選手権SSP600

2017年11月22日に初めてバイクに乗り、楽しさを知る。2018年に二度の骨折を経験するが、多数のレースに参戦。2020年はST600クラスへステップアップし2021年は全日本ロードレース選手権にも挑戦。昨年はST600/JSB1000や鈴鹿8耐にも参戦し、いよいよ舞台を世界へと移す。2004年1月17日生まれの19歳。

2018年
・筑波ロードレース選手権 J-GP3クラス参戦
・東日本スーパーモト選手権 S2クラス参戦
2019年
・筑波ロードレース選手権 J-GP3クラス参戦
・東日本スーパーモト選手権 S2クラス優勝
2020年
・筑波ロードレース選手権 ST600(Nat) 優勝
・もてぎロードレース選手権 ST600優勝
・SUGOロードレースシリーズ ST600クラス1位
2021年
・全日本ロードレース選手権 ST600年間ランキング 26位
・筑波ロードレース選手権 ST600(INT)年間順位:2位(R3/R4優勝)
・もてぎロードレース選手権 ST600(INT)R1/R3優勝
・SUGOロードレースシリーズ ST600(INT)R4優勝
・鈴鹿サンデーロードレースシリーズ ST600(INT)R3優勝
2022年
・鈴鹿8時間耐久ロードレース 参戦
・アジアロードレース選手権 SS600クラス6位
・全⽇本ロードレース選⼿権 JSB1000およびST600 参戦

「スペインでのトレーニングにはモト2、モト3ライダーもいたのですが、熱量がすごくアグレッシブでとても刺激を受けました。今シーズンは結果を残したいです」(阿部真生騎選手)

真生騎と言う名前は父・ノリックが「マイケル・ジョーダンとかマイケル・ドゥーハンとか、世界のアスリートに近い名前がいい」と命名したもの。真生騎がMIKEYになる2023年だ。

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