
■大会名:MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦 スーパーバイクレース in SUGO
■開催日:2021年5月22日(土)・23日(日)
■開催場所:宮城県 スポーツランドSUGO
■ライダー/レース結果
・ST600クラス #8 阿部恵斗
予選:4位
決勝:25位
・ST600クラス #98 阿部真生騎
予選:26位
決勝:18位
レースレポート
文:佐藤洋美
Webike チームノリックヤマハは、全日本ロードレース選手権開幕戦の結果を受け、阿部真生騎の全日本フル参戦が決まり、全日本ロードレース選手権第3戦は、阿部恵斗、阿部真生騎の2台体制でST600に参戦します。
ST600は2戦目の戦いとなります。事前テストがあり、そこでの走行を終え、レースウィークを迎えました。金曜日からスポーツ走行が行われ、午前中の走行が雨の中で行われましたが、午後は濃霧のため走行がキャンセルされます。この日、ウエット路面でのトップタイムは阿部恵斗となります。真生騎は、コースイン直後で転倒してしまい計測ならずで、最下位となりますが、身体のダメージはなく、翌日の走行に備えます。トップと最下位を獲得したWebike チームノリックヤマハに注目が集まる結果となりました。
予選日も不安定な天候となり、雨が降ったり止んだりと予選開始まで、タイヤ選択を含め、セットアップの微調整を考えながらの走行を待ちました。タイムスケジュールが変更されながらも、かろうじて、ドライの走行となり、恵斗は4番手タイムを記録します。真生騎は26番手となりました。恵斗は雨でも晴れでも、力を示せる走行結果を残し、決勝への期待が高まることになりました。真生騎も、周回を重ねる毎に、SUGOのコースに慣れ、決勝でのジャンプアップを期待させました。
決勝グリッドには30台が並び、ドライコンデションでスタートが切られ、恵斗は好スタートを切りますが、オープニングラップの最終シケイン立ち上がりで転倒を回避しようとしたところに、真後ろにいたライダーに追突され、2台が転倒してしまいます。恵斗はハンドルの損傷のため、ピットイン、応急処置をしてコース復帰しますが、最後尾であり、ピットインの時間ロスのため、上位進出は絶望的な中でも、最後まで諦めることなく周回を重ね、トップ集団と変わらぬ好タイムを連発して走り続け25位でチェッカーを受けました。
真生騎はオープニングラップを21番手でクリア、2ラップ目には20番手へとポジションアップ、バトルを繰り広げながら、上位を目指し、最終的には18位でチェッカーを受けました。
全日本ロードレース第4戦は茨木県筑波サーキットで6月19日~20日の日程で開催予定。Webike チームノリックヤマハが参戦するST600は2レース開催されます。
阿部恵斗
予選:26位 決勝:25位 Best Time:1'31.828
阿部恵斗コメント
今回は事前テストから調子が良くて、自分のペースを作ることが出来ていました。ドライでも、ウェットでも調子が良かったので、どちらのコンデションになったとしても自信を持って挑もうとしていました。
決勝ではトップ争いが出来ると思っていたんですが、決勝1周目のシケイン立ち上がりでフロントが切れ込んでしまい立て直そうとした瞬間に後ろから追突され転倒してしまいました。
マシンを起こしてコース復帰しましたが、ハンドルが狭く変形していたので、ピットインして、応急処置をしてもらいコースに戻り、そこから、追い上げました。タイム的には1分31秒台を出すことが出来ました。
チャンスを生かすことが出来ずに申し訳ない気持ちと悔しい気持ちがあります。次戦の筑波サーキットはパッシングポイントが少ないサーキットなので、序盤から前に出て勝てるレースが出来るようにしたいです。
阿部真生騎
予選:22位 決勝:18位 Best Time:1'33.445
阿部真生騎コメント
全日本にフル参戦させてもらえることになり感謝しています。たくさんレースが出来ることを望んでいたので、この機会を生かせるようにしたいと思っています。
なのに、スポーツ走行では新品タイヤで出て行き、タイヤの皮むきをしようとしていたんですが、それがうまくいかずに転倒してしまい、大事な走行の機会をなくしてしまいました。予選では、もっとタイムアップしてたかったんですが、あまりグリッドは良くなくて、追い上げるしかないレースになりました。
15位以上を目標としてグリッドに着きました。決勝では、集中して前に出て行くことだけを考えました。最初から最後まで精一杯に走りましたが、反省としては、何度もミスをしてしまったこと。良い点は、セットを詰めることが出来、順位を上げることが出来ました。予選順位から挽回出来たことは悪くないと思います。
SUGOの3コーナーをうまく回ることが出来なくて苦戦していたんですが、そこを処理するコツを掴むことが出来ました。体力的には余裕があり、まだ、まだ、周回を重ねることが出来ると思えました。もっと走りたかったです。筑波サーキットは地方選でも走っているので、SUGO戦よりいい結果を残せるようにします。
阿部光雄監督コメント
恵斗のアクシデントは仕方がありませんが、ピットイン後のコース復帰で追い上げている最中に31秒台で走っていたので、タイムだけで考えると2位を狙えていたはずです。そこに行けるようなバイクの仕上がりになっていたということでもあり、本人の力も、トップを狙えるに充分なものがあるだけに、本当に残念です。
Honda勢の勢いがあり、そこへ対抗できるようにヤマハのスタッフもやる気になってくれています。
真生騎は、予選結果が悪すぎて、それが響きました。タイム的にも、もう1秒上げてほしかったですし、あげられる力は、もう備わっているはず。トレーニング中のライディングを見ても、全日本のトップを走るライダーたちと遜色ない走りが出来ているので、その力を示すことが出来るようにと思います。
ですが、まだ、バイクに乗り始めて3年半という短さを思うと全日本フル参戦という挑戦をしていることだけでも、たいへんなことだとは思います。ですが、このチャンスを生かしてほしいと願っています。生かせるようにチームとしてバックアップして、今回のフル参戦がいい判断だったと思ってもらえるようにしたいと考えています。
次戦の筑波は、2レースの戦いとなり、ハードな戦いとなると思いますが、チーム一丸となってライダーをサポートして行きます。
photo by Ishizaki Nobuki
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