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世界耐久選手権 参戦報告
2017年シーズンは2016年9月のボルドール24時間ロードレースを皮切りにスタートしました。
世界耐久ロードレース選手権へのフル参戦を決定し、幸先よく初戦で3位表彰台を獲得する事が出来ました。
しかし、その後は不運な転倒や、新型マシンのトラブル等で思う様に結果を残せませんでした。
第3戦に至っては初のDNFと苦汁の選択を余儀なくされました。
第4戦では2スティント目早々に(約1時間経過)、出口選手が転倒し右肩を脱臼してしまうと言うアクシデントでマシンは大破してしまいレッカーでPITに戻ってきました。しかし、前回リタイヤと悔しい想いをしたスタッフは絶対に完走するんだと言う気持ちでマシンを修復していきます。
奇跡的にエンジン・フレームへのダメージは少なく、マシンは50分程でコースに復帰する事が出来ました。
残り6時間ほどを、エルワン選手とミレット選手の渾身の走りにPITクルーも応え、20位まで順位を挽回。結果が全てのレースですが、チーム一丸となり表彰台に匹敵する内容のレースだったと思います。
紆余曲折、様々な経験を積み、成長してきたチームで最終戦のホームグラウンド鈴鹿では最高の結果を目指したかったのですが、出口選手の怪我による欠場にライダー変更を余技なくされました。
代理には2014年にTRICK STARから8耐に参戦し素晴らしい走りを披露したグレゴリー・ルブラン(通称グレッグ)選手が選ばれました。「エルワン、井筒、グレッグ」この3人のポテンシャルがフルに発揮されれば結果はしっかり付いてくると信じていました。しかし、鈴鹿でも不運に見舞われてしまいます。
金曜日のナイトプラクティスで井筒選手が転倒、フレームが折れると言う激しい転倒にマシンは何とか修復しましたが、井筒選手のダメージ等を考慮し、決勝はエルワン選手とグレッグ選手の2人で走ると言う決断がされました。
しかし、この鈴鹿でも結果は平凡なものになってしまいました。
今シーズン最後までスポンサー様、応援して下さったサポーターの皆様にいい結果報告が出来ず心苦しい限りですが、チームとしてはとても大きく成長したシーズンだったと実感しています。
こうしてシーズン戦い抜けたのも日頃よりご支援を承っている皆様の御陰です。チーム一同感謝しております。ありがとうございました。
FIM 世界耐久ロードレースチャンピオンシップ
チーム名:エヴァ RT 初号機 Webike TRICK STAR
車両:Kawasaki ZX-10RR
クラス/No.:EWC / #10
レース結果
■Rd.1 ボルドール24時間 フランス
予選:7位 決勝:3位
ライダー:出口修、井筒仁康、エルワン・ニゴン
■Rd.2 ルマン24時間 フランス
予選:13位 決勝:12位
ライダー:出口修 エルワン・ニゴン ジュリアン・ミレット
■Rd.3 オーシャスレーベン8時間 ドイツ
予選:13位 決勝:DNF
ライダー:出口修 エルワン・ニゴン ジュリアン・ミレット
■Rd.4 スロバキアリンク8時間耐久 スロバキア
予選:8位 決勝:20位
ライダー:出口修 エルワン・ニゴン ジュリアン・ミレット
■Rd.5 鈴鹿8時間 日本
予選:21位 決勝:14位
ライダー:エルワン・ニゴン ジュリアン・ミレット 井筒仁康 グレゴリー・ルブラン
■年間ランキング 10位
アジア選手権 参戦報告
今シーズンのアジア選手権も山本剛大選手起用しチャンピオンを獲得する為に、HONDAのNEWマシンCBR250RRで参戦を決定。
アジアでのブランド展開を考えTRICK STARブランドのマフラー「IKAZUCHI」をチーム名に入れ、アジアのスポンサー名をプラスし「Supra Studio HONDA IKAZUCHI Racing」 での参戦になりました。
HONDAのNEWマシンCBR250RRと山本のライディングの相性は良く、シーズン前のテストでは敵がいないのではと思われました。
しかし開幕を迎えると、デビューイヤーにチャンピオンを獲得したいインドネシアHONDAがワークス体制で参戦しました。
それでも第1戦、第2戦とワークスチームに引けを取らず1勝を含む3度の表彰台を獲得。
続く鈴鹿ラウンドは山本選手のホームグラウンドで勝利は確実と思われましたが、インドネシアHONDAのワークスマシンに乗るゲイリー選手との一騎打ちに0.06秒差で敗れ、かなり悔しい思いをしました。
2レース目はその悔しさを必ず勝利に繋げてくれると思っていたのですが、4台による熾烈なトップ争いの結果最終Lapのシケインでトップ2台が接触、1台が転倒し、それを避けきれず山本選手が巻き込まれてしまいました。
しかし再スタートを切り5位でチェッカーを受ける事が出来ました。2レース目もレース展開が悔やまれる結果となりました。
今シーズンのAP250クラスのレベルアップ、激戦の様子が伺い知れるレースにチーム一同気が引き締まる思いでした。
この時点でランキングTOPのゲイリー選手とのポイント差は少し開いてしまいましたが、残り2戦の結果次第ではまだチャンピオンの可能性は残されていました。
残り2戦の可能性を信じマシンもアップデータを重ねていきます。しかしアジアでテストを重ねるワークスチームとの差はシーズンを重ねる毎に開いてきていると感じました。
スタッフの努力に報いる様に山本選手は必死に応えてくれます。しかし努力とは裏腹に第4戦ではエンジンブローでのリタイヤをすることに。
最終戦では予選で追突されまさかの21位と低迷。更にフリー走行ではエンジントラブルにより200km近いスピードからの転倒でマシンは大破。山本選手に大した怪我はありませんでしたが、決勝はスペアマシンでレースに挑み完璧では無いマシンで最後まで諦めずに攻め抜き14位で完走。
シーズン後半は全てが噛み合わず悔しい思いをし、改めてレースの厳しさを知るシーズンになりました。
来シーズンはこの悔しさとしっかり向かい合い、更にチャレンジしていきたいと思います。
今シーズンの結果は、ランキング5位となりました。
アジアロードレース選手権 AP250 クラス
チーム名:Supra Studio HONDA IKAZUCHI Racing
車両:HONDA CBR250RR
クラス/No.:AP250 / # 1
ライダー:山本剛大
AP250 レース結果
■Rd.1 マレーシア ジョホールサーキット
予選:2位
Race1:2位
Race2:3位
■Rd.2 タイランド チャン国際サーキット
予選:1位
Race1:4位
Race2:1位
■Rd.3 日本 鈴鹿サーキット
予選:2位
Race1:2位
Race2:5位
■Rd.4 インドネシア セントゥールサーキット
予選:7位
Race1:DNF
Race2:8位
■Rd.5 インド マドラスモータートラック
予選:9位
Race1:9位
Race2:3位
■Rd.6 タイランド チャン国際サーキット
予選:21位
Race1:-
Race2:14位
■年間ランキング:5位
最後に
今シーズンを振り返ると、とても満足のいく結果ではありませんでした。
しかし、皆様のご声援に支えられ世界耐久シリーズをフルに戦い抜く事ができました。
厳しいシーズンでありましたが世界ランキング10位と言う結果を得る事も出来ました。
勿論この結果に満足してはいません。
既に世界耐久シリーズは新しいシーズンを迎えていますが、我々は今シーズン以上の準備が整い、しっかりチャンピオン見据えたレースをシーズン通して発揮出来る時、新たな気持ちで世界に挑みたいと思います。
2018年はスポットでの参戦を考えています。
引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。1年間本当にありがとうございました。
株式会社モトハウス
TRICK STAR Racing 代表
鶴田 竜二
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