
■大会名
世界耐久選手権第5戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース
■開催地
鈴鹿サーキット / 日本
■開催期間
2017年7月30日
■ライダー
エルワン・ニゴン
井筒 仁康
グレゴリー・ルブラン
■監督
鶴田竜二
■結果
予選 21位
決勝 14位
EWC ランキング 10位
目次
FIM 世界耐久ロードレース選手権第5戦 結果報告 予選
世界選手権(EWC)第5戦(最終戦)鈴鹿8時間耐久レースが三重県鈴鹿サーキットで行われました。
鈴鹿8耐は40回目の記念の大会でもあり、EVA RT Webike TRICKSTARにとっては、母国のレースであり、EWC最終戦という特別のレースになります。
今季最高の結果を残すためにエルワン・ニゴン/グレゴリー・ルブラン/井筒仁康のラインナップで挑みます。
フリープラクティスを終え、ブルー、イエロー、レッドライダーがそれぞれの20分2回の公式予選が行われました。
ブルーライダー / ニゴンのベストライムが、2分10秒572、イエローライダー / ルブランが2分10秒882、レッドライダーの井筒が2分12秒518となり、3人のライダーの平均タイムが2分11秒324で、予選21番手となりました。
ナイトプラクティスでは井筒が転倒してしまい、ケガはありませんでしたが、マシンが大破し、メカニックたちはマシン修復に追われることになりました。
想像以上に厳しい戦いとなりましたが、EWCを戦い抜いた力を武器に、EVA RT Webike TRICKSTARは上位進出を狙います。
【エルワン・ニゴン コメント】
予選は、はっきり言ってとても難しいものでした。予選のコンディションでのグリップのなさも驚くほど大変で、正直もっと上を目指したかったのですが、残念ながらそれは成功しませんでした。
レースの目標は、10位以上で帰ってくることです。実際このパッケージでの現実的な目標はそのあたりだと感じます。私達ライダーはメンタル的にはとても良いと思うし、自信をもって挑みたいです。
グレゴリーとは、2015年に1度同じチームで走ったことがありますが、実質一緒にチームを組んで走るのは初めてのようなものですが上手くいっています。井筒選手もいつも通りとても優しくて、彼の前では正直でいられます。
【グレゴリー・ルブラン コメント】
鈴鹿8時間耐久はとても有名なレースで、毎年参戦を楽しみにしています。今年はトリックスターで走れることになって嬉しく思っています。
チームのことは理解しているし、とてもいいチームです。もう決勝レースですが少しでも良くなるようにチームが解決してくれると思っています。
エルワンとは15年前から知っていて、2015年には一緒に世界GPも走っていました。お互いを知り尽くしているので、チームメイトとしては問題ありません。
井筒さんは、肩を痛めていて、本来の走りが出来ていませんが、素晴らしいキャリアがあり、きっとチームを助けてくれると信じています。今は全力を出して決勝に挑むだけです。
【井筒 仁康 コメント】
鈴鹿8耐は特別なレースで、日本のチームは全日本を戦い、テストを重ねてマシンを鈴鹿8耐にピンポイントで仕上げて8耐を戦いますが、トリックスターはEWCを戦ってきたために、その準備はできていない。マシンのべースが違う。僕たちはEWCのチームとしての参戦です。
マシンに合わせてのライディングが求められます。現状でベストを尽くすだけです。
【鶴田 竜二 監督 コメント】
鈴鹿8耐は EWCとはまた違った独特の緊張感があります。昨年からタイヤ本数制限があり、どこでそのタイヤを使うかも重要なのですが、今年から17インチに変わったことで、タイヤのデータがなく、昨年のタイムも超えることが出来ないという苦しい展開になっています。
それでも、EWCを戦ったことでの手応えは感じています。決勝でその力を出したいと思います。悔いのない戦いを誓います。
FIM 世界耐久ロードレース選手権第5戦 結果報告 決勝
EVA RT Webike TRICKSTARは21番グリッドからスタートしました。鶴田監督は、エルワン・ニゴンとグレゴリー・ルブランの2人体制で挑むことを選択します。
どんよりとしら黒い雲が立ち込める空模様の中、11時30分に、ルマン式スタートが切られ、ニゴンがスタートライダーを務め、21番グリッドからスタートを切ります。
世界を戦ってきたニゴンは抜群のスタートを決め1周目を14位と大きくジャンプアップして戻ってきました。
しかし序盤には西コースで雨が落ち、転倒車が出るなど、波乱の展開となります。
雨は上がりますが、転倒車が出たことなどで、2度のセーフティカーが入る波乱のレースとなりました。
ニゴンは、慎重に周回を重ね、確実にポジションを上げ、18番手でルブランへライダー交代。
ルブランも上位に出るタイミングを計り、17番手と順位を上げます。
ふたりは周回遅れをかわしながら順調に走行をこなし、最終的には14位まで浮上してチェッカーを受けました。
鈴鹿8耐は EWC 最終戦のため、決勝の翌日月曜日に時間をかけて車検が行われ、最終ランキングが決定しました。
EVA RT Webike TRICKSTAR はランキングを10位まで挽回してシーズンを終えました。
【エルワン・ニゴン コメント】
鈴鹿サーキットは私にとって大好きで得意なコースです。EWC最終戦として私のモチベーションはフルMAXでした。
しかしコンディションとチームのパッケージが上手くマッチせずラップタイムが上げられず14位と言う結果になってしまいました。悔しい結果だがベストは尽くした結果なので仕方がありません。
日本のチームで世界耐久選手権シリーズフル参戦をして素晴らしい経験が出来ました。またこのチームでチャレンジする事を望んでいます。多くのサポーターの皆さん、どうもありがとうございました。
【グレゴリー・ルブラン コメント】
急遽出口選手の代役で参戦することとなった。
2014年以来3年ぶりにこのチームで鈴鹿サーキットを走る事が出来とても嬉しかったです。前回よりもまた更に多くのサポーターに応援してもらいとても心強く嬉しいかったです。
レースの結果はベストをエルワンと共に尽くしたが今ひとつだった。しかしこのチームのポテンシャルはこんなものではないと思っています。
次回チャンスがあればまたチャレンジしたいです。
【井筒 仁康 コメント】
予選までマシンを仕上げながら、決勝レースでは有利に戦えるよう努めましたが、昨年の肩の怪我の影響で今ひとつ調子が出せず、決勝はエルワン選手とグレゴリー選手2人で走ってもらいました。
天候の変化やライダーにアクシデントあればいつでも走れるように準備をしながらサポートに徹しました。レースの結果は14位と厳しい結果ですが、世界耐久選手権シリーズを最終戦を無事に完走出来た事は価値があると思います。
最後にチーム、スポンサー様、関係者様、ファンの皆様に感謝しております。
【鶴田 竜二 監督 コメント】
ラインナップはチームメカニックとも相談をしてふたり体制としました。井筒選手のオフシーズンで負った肩のケガの回復具合などを考慮しました。
ですが、路面がウェットの場合は、井筒の速さは他を圧倒するものなので、その場合は走ってもらうと言う事で、ライダーたちに納得してもらいました。
ニゴンとルブランは24時間耐久を何度も走り、その中で連続走行を難なくこなすタフなふたりなので、ふたり体制となったとしても戦闘力は変わらないと判断しました。アベレージにしても同じようなペースで走ることが出来ます。EWCを戦って来た力を示したい、成長した姿を見せたいと挑みました。
スポンサーやファンの方が、鈴鹿サーキットまで足を運んで声援を届けてくれました。その応援に応えたいとスタッフ一丸となって鈴鹿8耐を戦いました。
その結果としての14位は、悔しいですし、納得できるものではありませんが、それでも大きなトラブルもなく、ミスもなく走り切ることが出来ました。
いいところをお見せできませんでしたが、また、新たなチャンレンジのために準備して行きます。
EWCフル参戦の挑戦を応援して頂けたことに深く感謝しています。ありがとうございました。
photo by Ishizaki Nobuki
◆TRICK STAR「イカヅチ作戦」
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