■大会名
ルマン24時間耐久レース

■開催地
フランス・ルマン

■開催期間
4月13日(木)~16日(日)

■ライダー
エルワン・ニゴン
出口修
ジュリアン・ミレット

■監督
鶴田竜二

■結果
予選 13位
決勝 12位

伝統のルマン「24時間耐久」レースレポート

4月15日から16日、フランスのブガッティサーキットで世界耐久選手権第2戦「ルマン24時間耐久」のスタートが切られた。
「エヴァRT Webike TRICKSTAR」はギリギリまでマシンの調整を行いグリッドに着く。

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24時間のスタートライダーはエルワン・ニゴン、序盤でポジションアップし次のライダー、出口にマシンを渡す。

出口からジュリアンへと順調に周回を重ね、エルワンにライダー交代。エルワンは無理のないペースで5番手までポジションアップしチェッカーを目指す。

ボルドール24時間耐久で3位となり表彰台を獲得した原動力となったエルワン、今では欠かせないライダーとしてチームを支える存在となっており、2015年にはスズキエンデュランスチームから参戦しルマン24時間の覇者となっている耐久レースの経験も豊富なライダーだ。

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そのエルワンの前にラインを不自然に変更するライダーが出現、エルワンは避けきれずに転倒、グラベルに投げ出された。ルマン24時間耐久はライダーにとって夢の舞台、ここを走りたいと願うライダーたちがひしめく世界で初参戦ライダーも多く、その全てのライダーが安心してバトルができる相手とは限らない。

そのことはエルワンも十二分に知っていたが、それでもライダーを避けることは、あのエルワンでもできなかった。モニターで転倒を確認したピットでは、すぐに修復の準備を整え、エルワンは懸命にピットまで戻った。

スタッフは迅速にマシンを修復、カウルを変更し、傷ついたパーツを付け替える作業を7分で終了、出口がコースへと飛び出した。その時のポジションは47番手。

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エルワンは転倒時に肋骨を打ち、折れてしまったことを自覚していたが、走り続ける意志は変わらず、最後まで走る決意を見せる。
その後、強くテーピングした身体でマシンにまたがり、トップ争いするライダーたちと変わらぬタイムで周回する。

出口も、ジュリアンも同じようにペースを上げて走行を続け、驚異的な追い上げで10位まで挽回、その勢いは止まらないように見えた。残り2時間で、どこまで追い上げることができるのか注目を集めていた矢先、今度は出口の転倒がモニターに映し出され、ピットは騒然。

しかし出口は、すぐに起き上がり、ピットに戻りマシン修復を終えると代わってジュリアンがコースへと飛び出し、出口、エルワン、ジュリアンとチェッカーを目指し走行を続ける。

出口の転倒は他車にぶつけられたもので鶴田監督は審議を申請。その目的は罰することではなく、よりクリーンで安全なレースをしてもらうためだ。

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その願いは、相手にも伝わり、誠意ある謝罪があった。転倒してしまった事実を消すことはできないが、出口は気持ちを切り替え走行を続けた。エルワンは痛みをこらえながら、自分の与えられた時間を走りきった。

そのタイムは怪我をする以前と変わらないもので、ライバルたちは、エルワンが痛手を負ったことを気がついてはいないはず。スタッフたちはそんなエルワンの頑張りに支えられ、最後の戦いまで気力を尽くした。ジュリアンも、ミスなく安定した走りで、エルワン、出口を助ける走りを披露。

チーム一丸で最後まで諦めない走りを貫き、最終順位は12位。願っていた結果ではなかったが、59台が出走し37台が完走という過酷なサバイバルレースを戦いきることができた。

【エルワン・ニゴン コメント】

「バトルの最中に周回遅れが、急に進路を変えてきて避けることができませんでした。転倒した時に肋骨が折れていることに気がつきましたがテーピングをして、痛み止めを飲み走りました。ですが、痛み止めが効いているのは4ラップ目くらいまででした。それでも、自分の転倒で、チームメイトやスタッフに迷惑をかけてしまったので、自分が挽回しなけばと思い走り続けました。

耐久にとってチェッカーは特別なものです。走りきらなければならないと思っていました。今回のレースのようにシリーズチャンピオンも諦めずに戦いたいと思います」

【ジュリアン・ミレット コメント】

「10年前にエルワンとルマン24時間耐久に参戦して、また、素晴らしいチームで走るチャンスをもらえたことをとても感謝しています。結果は望んでいたものではないし、とても残念だけど、常に上のポジションを狙って、その強い気持ちをキープすることができました。

もっと走りこむ時間があったら、いいパフォーマンスを見せることができたと思います。ぜひ、鈴鹿8時間耐久に参戦するのが夢なのでチャレンジしたいと思っています」

【出口修 コメント】

「ライダーの負担を少なくするために導入してくれた新システムがあり、その良さを引き出すためにトライ&エラーした結果、スタッフはずっと作業をし続けていました。直前でボルドール仕様に戻して、そこからは、いい状況が作れたと思うのですが、2度の転倒があり、残念な結果になりました。

ですが、収穫もたくさんあったレースでした。2年前にルマンに来た時は、チャレンジャーでしたが、ボルドール24時間耐久で3位になることができて、周りの注目も感じましたし、それに恥じない走りをしたいという気持ちにもなれました。シーズンは、まだ終わっていないので、挽回していきます」

【鶴田竜二監督 コメント】

「序盤に転倒があり、そこから追い上げ、トップ10まで追い上げることができたのに、再び転倒があり緊張感を保つのが難しい中で、みんなが最後まで諦めなずに戦いきってくれたことを嬉しく思います。新しく加わってくれたジュリアンはミスのない安定した走りをしてくれました。エルワンは怪我があり、無理をさせたくない思いもあり、休むように勧めても、走るという強い意志は変わりませんでした。

出口は変わらぬ走りでチームを支えてくれました。アクシデントがなければ、3人のパフォーマンスで、上位に食い込むことができたことは明らかな事実なので、次の大会につなげたいと思います。ご心配、ご声援をありがとうございました」

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