■大会名
スズキ・アジアン・チャレンジ 第5戦

■開催日
12月3日(土):レース1
12月4日(日):レース2

■開催場所
タイ/チャン・インターナショナル・サーキット

■マシン
SUZUKI SATRIA F150

スズキ・アジアン・チャレンジ 第5戦 レポート

加賀山就臣がプロデュース・監修するスズキのライダー育成プログラムであるスズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)は、2016シーズン最終戦となる第5戦をタイにあるチャン・インターナショナル・サーキットで迎えた。

2015年に発足したSACは、アジア各国から選抜されたライダーが、同じスズキのSATRIA(サトリア)F150でともに戦いながらライダーの素質を磨いていくというプログラム。
初年度のライダーの中からは、パティス・チョープラテットが、FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)のスーパースポーツ600クラスに参戦するTeam KAGAYAMA SUZUKI Asiaに合流。ステップアップを果たしている。

レースは、1イベントで2回の決勝レースが開催される。今回も3日(土)にレース1、そして4日(日)にレース2が開催となった。それに先立ち2日(金)は練習走行日として2回の走行セッション、そして3日(土)に予選が行なわれた。昨年、そして今年の第2戦も同じこのチャン・インターナショナル・サーキットでレースは開催されているが、それらのタイムを予選から大幅に上回る選手が続出し、その成長ぶりが見られた。

そして迎えたレース1は、その予選までの最速アタックとは打って変わって、誰も前に出ない、少々ペースが遅めの終始混戦のレースとなった。

目まぐるしくトップが入れ替わる展開だったが、#20 Jefri Tosema(ジェフリ・トセマ/インドネシア)が最終ラップ最終コーナーで前に出て、チェッカーを受けた。ジェフリにとってはSACでの3度目の優勝となりポイントランキングでもトップに立った。2位には#5 Jagan Kumar(ジャガン・クマール/インド)、3位に#30 Rizal Feriyadi(リザル・フェリヤディ/インドネシア)が入っている。

4日(日)は午前中にウォームアップセッションが用意され、そして午後12時10分に決勝レース2がスタートした。このレース2もペースは比較的遅めで集団での激しいバトルが展開された。レース1と異なるのは、転倒が続出したこと。実に8台もの転倒車両が出たが、それでも14台の大集団でのトップ争いはサバイバルレースとなっていった。

最後まで残ったトップ争いの5台の中から飛び出したのは、#29 Mario Borbon Jr.(マリオ・ボルボンJr./フィリピン)、2位には#30 Rizal Feriyadi(リザル・フェリヤディ/インドネシア)、3位に#27 佐藤進之介(さとうしんのすけ/日本)が入った。

2016シーズンのポイントランキング争いでは、ランキングトップの#20 Jefri Tosema(ジェフリ・トセマ)は転倒があったため追い上げたが9位。#87 Muhammad Sapril(ムハマド・サプリル)は4位。#12 Rozaliman Zakaria Muhamad(ロザリマン・ザカリア)は、転倒によりブレーキレバーを折ってしまったもののファステストラップをただき出して追い上げ5位となって、ジェフリがタイトルを獲得した。

日本勢では、#27 佐藤進之介(さとうしんのすけ)が、鈴鹿のレース2に続く今シーズン2度目の3位表彰台を獲得した。レース序盤に転倒した#11 服部真騎士(はっとりまきし)は8位に入ったが、#41 芳賀瑛大(はがあきと)は転倒してリタイアとなってしまった。

これでSACの2016シーズンは終了した。今シーズンは負傷したライダーに代わって参加する選手もあり、20名の若者がアジア各国の選手と交流し、国際派ライダーとしてその技術とマナーをお互いに研鑽し合い、ひと回りもふた回りも成長している。

20161206-2016sac-kagayama

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#20 ジェフリ・トセマ | 2016 SAC Champion

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SACのチャンピオンにしてくれて、神様ありがとう。そしてスズキ、SACスタッフ、SACのライダーのみんな、友達、家族にも感謝したいです。

今シーズンは、開幕戦のレース2で、ピットサインミスがあって、トップを走っていたのに最終ラップでピットインしてしまったり、いくつか残念なこともありましたが、ジョホールや鈴鹿、セントゥールといった自分の好きなコースでもレースをできて、いい一年となりました。ありがとうございました。

#29 マリオ・ボルボンJr. | Race 1 Winner

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最終戦でしたので、コンディションを整え、神への祈りも欠かさずに、この週末を迎えました。
ずっとトップ集団にいましたが、最終ラップの最終コーナーで2台が転倒し、その際に自分のラインが開いていました。それで、そのラインを全力で走り切りました。根拠は無いですが、今週は勝てるのではないかと思っていました。

SACのライダーの中では最年長ですが、ネバー・ギブアップの精神で頑張れば結果はついてくると思います。

加賀山就臣 | ゼネラルマネージャー

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今日は今シーズンの最後のレースということもあって、選手みんなが勝負に行ったレースだったと思います。そのせいもあって、転倒車も多いレースとなってしまいました。一つでも前に出たいという気持ちの現れたレースでした。

今シーズンを振り返ってみると、途中で新型のスズキの150㏄ロードモデルのSATRIA F150に入れ替えましたが、各ライダーが3~4秒タイムアップしてくれて、新型の素晴らしさを証明してくれました。今シーズンは去年よりもレベルの高いバトルをしてくれ、その成長を見て取れました。

ライダー、スタッフ、そしてスポンサー、関係者の皆様には感謝しています。ありがとうございました。

八代俊二 | ライダーコーチ

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今日のレースも非常にエキサイティングで、今年一番熱いレースだったと思います。出走16台中、8台(これにプラスしてチェッカー後に1台転倒している)も転倒したことからもわかる通り、アグレッシブな戦いでした。しかし、これだけ転倒があったにもかかわらず、ケガ人が出なかったことは非常に良かったです。それも各選手がクリーンなレースを展開してくれたおかげで、スズキのイメージアップにもつながっていると思います。

今シーズンは、昨年のSACに比べて相対的にレベルが上がっており、タイトルはジェフリが獲りましたが、今日のトップ集団争いを見てもわかる通り、ほかのライダーも皆勝てるポテンシャルがある。
ライダーコーチとしては、発展途上にいるライダーを少しでも引き上げるという役を担っているのですが、皆が勝てるポテンシャルを持っているというところでは、成果が出たのではないかと思っています。

今年のメンバーが、SACから巣立ち、活躍できる場を広げていってほしいと思います。

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