急きょ実現したJiRとT.Pro.InnovationがジョイントによりMotoGP世界選手権シリーズへの参戦が実現。日本グランプリから始まるオーバーシーズ3連戦にNTS NH6に小山知良というT.Pro.Innovationパッケージで臨んでいる。
シリーズ第16戦は、オーストラリア・フィリップアイランドが舞台となった。小山は一昨年にもMoto2クラスにスポット参戦した経験があり、このサーキットを走っているが、昨年、アスファルトの張り替えが行われたことでタイヤがもたない問題が発生し、大幅に周回数を減らして行われた。その対策を施し今年投入されたタイヤは、ハードとソフトの2種類あったが、ソフトタイヤは限りがあり予選用に取っておきたかったこともあり、ハードタイヤで走り始めることになっていた。しかし、想像以上に固く熱をしっかり入れないと走れないタイヤだったため小山は、慎重に走り始めていた。まずは12ラップほど周り、一度ピットインしマシンセットを進める。そして再びコースに戻るが、そのアウトラップで大転倒を喫してしまう。8コーナーの進入でほぼ直立状態でリアからバランスを崩したと言う。この日、同じようにハードタイヤを履き転倒したマシンは17台もあった。
マシンを修復し、フリープラクティス2である程度セッティングの方向性を決め、2日目のフリープラクティス3、公式予選と、いろいろ試しながらマシンをセットアップして行く。
決勝日は、ヨーロッパに合わせ変則的なスケジュールで行われ、Moto2のレースが行われるころから気温は下がり始めていた。小山は、終始集団の中でバトルを繰り広げ、自分自身のマシンの状態、ライバルマシンの状態を観察し、現状での課題を冷静に確認しながら周回を重ね24位でゴール。海外初レースとなったNTS NH6をしっかりゴールラインまで運び、貴重なデータを残した。
小山知良選手コメント
「レースウイークは、金曜が一番寒く土曜日、日曜日と暖かくなって行きました。初日の大転倒で出遅れる形になってしまいましたが、その後、マシンセットは進んでいきました。決勝でようやくいい感触を得ることができ貴重なデータを得ることができました。スタッフの頑張りに感謝します。次回は、ここ2戦で得たデータを一つ一つチェックしていきたいと思います」
手島雄介監督コメント
「NTS様、Honda様、そしてJiR様を始め多くのご支援、感謝いたします。初めてNTS NH6が海を渡って戦うレースでしたが、初日の転倒から始まり、マシンの修復に時間を要してしまい、決勝までに完璧にすることが難しい状況でした。ただ、今回の経験はマシン開発に役立つことでしたし、いいステップを踏めました。次回は、コラボレーションしているYUZYの地元でもあるマレーシア。第2のホームグランプリとも言えるレースなので、いい形に進めていけるように頑張ります」
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