
Webikeスタッフがマイバイクでミシュランタイヤをガチテスト!
普段のバイク通勤や趣味のツーリングにスーパーカブを使用するメンバーが、発売したばかりのアナキーストリートを装着。これを機に房総ツーリングでダート走行まで楽しんできましたが、果たしてカブ主たちの評価はいかに!? また、カブ定番のシティプロのインプレもお届けします。
目次
スーパーカブにミシュランの相性は実はものすごくいいのです
今回アナキーストリートを装着する前からカブにはミシュランのM35を装着していました。アナキーストリートは2.50-17を前後に履いています。
ウェビックスタッフのリョウタロウです。私は10代で免許を取得してから20年以上、これまで15台以上のカブシリーズに乗ってきました。カブによる総走行距離は年越し宗谷岬ツーリングを含めて20万kmを超えると思います。現在の愛車はスーパーカブ110(JA44)で、往復約20kmの通勤と月1回程度のツーリングに使用しています。
今回アナキーストリートを装着する前は、ミシュランのM35を履いていました。カブのタイヤとしては、価格や耐摩耗性などの経済性もさることながら、ウェット路面で安心して止まれるかどうかを重視していて、純正タイヤはドライ〇・ウェット×という感じです。
M35は、ドライ路面でのグリップも良く、耐摩耗性もそこそこあり、パターンもダサ過ぎずレーシー過ぎずでカブにちょうどいい、何よりウェット路面での安心感が抜群にいいのです。M35はカブ仲間でも評価が高く、最初は専門店に薦められたことがキッカケでした。
ミシュランは日本のカブ乗りのツボをわかってくれているなーというイメージがありましたが、昨年でM35は廃盤に! その前に5本買い溜めしたほどです。
交換時に持ってみるとアナキーストリートはM35(左)より重い印象。乗っても転がり出しでは重さを感じますが、フラつきにくく低速時の安定感に繋がっています。
アナキーストリートは通勤、ツーリング、林道も全方位でM35よりも進化
アナキーストリートを履いてツーリングでは林道も走行!
それで、履き替えたアナキーストリートはどうだったかというと……あり! です。次もアナキーストリートを買うでしょう(買い溜めたM35はどうしよう……)。価格もM35比で大きな値上げは無く安心ですし、性能アップ分を考えるとさらにコスパが良くなった印象です。
そしてインプレですが、まず現代的なパターンがカッコイイ! 履いてみたら現行カブにはとてもいい感じです。本当はこういうパターンは、クロスカブやCT125ハンターカブに似合うはずなので両車用のサイズ展開が楽しみですね。
M35から履き替えてすぐわかったのがグリップ力の高さ、剛性の高さです。車体をバンクさせた時のグニャっとした感じが無くなりピシッと狙ったラインで曲がれる感じです。巡航速度からの急停車なども安定感があってブレーキ性能が一段上がった感じになります。
また、剛性感があるのに路面の凹凸やマンホールなどを乗り越えたときの衝撃もスッとおさまるので、まるでいいサスペンションに交換したみたいです。
気になるウェット路面は、溝が少ないので心配でしたが問題なく安心して走れます(……でもM35比だと少し落ちるかな)。大きめのブロックのせいかわざと滑らせても動きが穏やかで感触をつかみやすく安心感ありますね。
アナキーストリートのトレッドパターンはV字型です。
そして、ツーリングではブロックタイヤなのにゴロゴロ感が無くロードノイズも少なかったので、オンロードのワインディングも気持ちよく走れます。ドライのグリップ感はM35より全然良くて特にフロントタイヤから伝わる安心感がいい。
アナキーといえばフラットダート(砂利)林道もということで走ってきましたが、不安なく走り抜けることができました。タイヤサイドの剛性が高いので空気圧を低くしても腰砕け感なくグリップ力をアップできます。また、空気圧を低くできるので衝撃吸収性も高くダート走行でも疲れにくいですね。
ただし、ハイトが高いのでスタンドをかけた時の傾きはやや大きくなります。キャンプツーリングなど荷物満載時には注意が必要でしょう。(ウェビックスタッフ・リョウタロウ)
先頭が私。アナキーストリートは、通勤で1か月ほど使いつつ、カブツーリングでもテストしました。
アナキーストリートは、剛性感のあるケースが楽しみの範囲を広げている
私のカブ歴は8年ほどで主に通勤に使っています。アナキーストリートは前2.25ー17/後2.50-17サイズを履きました。
ウェビックスタッフのウッチーです。私も愛車のスーパーカブ110(JA07)にアナキーストリートを装着しました。それ以前は、IRCのブロック寄りなタイヤをスクランブラーっぽい雰囲気を出したくてチョイスしましたが、タイヤの高さが出た(分厚くなった)のでショックも吸収しやすくなり、乗り心地が良くなりました。
ただしその柔らかさから、オンロードでのスポーティーな走りはやや苦手。また、ウェット路面はもっと苦手で特に濡れたマンホールは「ズバッ!」と流れるので怖かったですね。
そして、アナキーストリートはというと硬い! というのが最初の印象でした。ゴツゴツと路面がダイレクトに伝わってきます。そこで空気圧を 前2.0→1.7、後2.2→1.8に落としたところ、ゴツゴツ感がなくなり適度な乗り心地に。ミシュランの人気タイヤM35(廃盤モデル)と比較しても、ケース剛性がとても高く感じますね。
ただこの空気圧でも、タイヤがたわむような腰砕け感は全くありません。バンク中でも形状をしっかり保ったまま、路面に食い込んでいるような感覚です。大げさに表現すると、リア上がりで腰高感のあるスポーツバイクのようなイメージ。以前のブロックタイヤはもちろん、M35よりスポーティーに走ることができますね。反面、その剛性感から快適性ではM35比で劣る印象ですが、そこは好みでしょう。
オンロード8割、オフロード2割というのがアナキーストリートのカバーする範囲です。
ウェット性能は、M35と同等レベルでしょうか。納得できるレベルです。雨でも路面から伝わってくるインフォメーションが多い! そのため、舗装路では大きな不安は感じません。ブレーキを少し強めにかけてもしっかり路面に食いつきます。マンホールはブロックタイヤほどではありませんが、タイヤパターンが大きめですのでそれなりに注意が必要でしょう。
おまけのダートインプレは、想像以上に走れます(笑)。写真の通り、小石だらけの林道を走りましたが、まぁ走れる走れる! ブロックタイヤではないので進入は控えめで、コーナー立ち上がりでリアのちょっとしたスライドを楽しんでください(所詮カブのfunなレベルですよ!)。それを楽しめるのも、やはり剛性感の為せる技でしょうか。小石に負けず、しっかりと噛み込んでくれるイメージでした。
アナキーストリートは万能選手!どこでも楽しめるいいタイヤ! 日常の足からツーリング先の林道まで、高い安定性をこのタイヤから感じることができました。特に気に入ったのはその剛性感。コーナリング時にヨレることなく路面をガッチリ感じられる感覚は、スポーツバイクのそれとかなり近いものでした。カブでも走りを楽しみたい方、アドベンチャーっぽい雰囲気をカブに与えたい方にオススメです!(ウェビックスタッフ・ウッチー)
Ⅴ字形のトレッドパターンが、高い路面追従性を生んでいるようです。
アナキーストリートは、シティーユースとオフロード性能を併せ持つコミューター向けタイヤ
7月に発売されたのは、前後対応2.25-17、同2.50-17の2サイズ。年末年始頃にスクーター向けの前110/80-14/後130/70-13も発売予定。
2021年7月に発売されたミシュランのアナキーストリートは、通勤や通学での安全性や快適性に加え、ツーリングやダート走行でも高い耐久性とコントロール性が体感できる設計になっています。
専用のトレッドパターンは、オフロードレースなどでこれまで採用されてきたトレッドパターンをベースに、新たに設計されています。大型のブロックパターンは、ダートでも安定した接地面を確保し、優れたコントロール性を発揮。また、V字型のグルーブ(溝)は路面追従性を高め、ドライ路面でのハンドリング性能、ウェット時におけるブレーキング性能に貢献します。
トレッドパターンは、オフロードレースで培ったコンペティションスタイルを基に新設計。オンロードはもちろん、オフロードでも優れた堅牢性と耐摩耗性を発揮します。
シティプロに大満足! ウェットでもM35より安定感を増した走りは素晴らしいの一言
シティプロに交換後、通勤9割、ツーリング1割で約2000km走行しました。
ウェビックスタッフのリュウです。私の愛車は、2015年式スーパーカブ110(JA10)のタイ仕様です。基本的には通勤に使っていますが、時にはツーリングに行ってみたり、時には長距離を走ってみたり(過去最高の走行距離は800km)とマルチに活躍してくれています。
私はミシュランのM35(廃盤)を抜群に気に入っていたのでほぼ他のタイヤを履いたことがありません。ただ、この1年ほどはM35が廃盤になってしまった影響もあり、他の海外メーカーのタイヤを履かせていましたが、M35ほどの安心感を覚えられず非常に悲しい思いをした記憶が未だに残っています。
M35についてはドライ、ウェット共に走行性能には非常に満足していましたが、特に満足していたのはウェット路面での性能ですね。安定して走り、ブレーキング時の不安定さも無く、毎日どんな天候でも走れる素晴らしいタイヤでした。
そして、今回装着したシティプロですが断然アリです! アナキーストリートも気になりますが、シティプロの性能に大満足しているのでこのままリピートで良いかなと思っています。まず、パターンもこれまた絶妙にツボを押さえたちょうど良いデザイン。ダサさは決して無いものの、イケイケな格好良すぎるパターンでも無い。本当にちょうど良い感じです。
シティプロは、タイヤ交換もとても作業しやすく、今回もサクッと終わってしまいました。装着する向きが前後で異なることだけ注意が必要です。
インプレッションは、直進安定性、グリップ力ともに高くとても走りやすいです。低速でのフラツキも基本的には無いので、通勤路でのすり抜けや住宅街でのゆっくり走行でもビシッと決まって走行できます。舗装工事の継ぎ接ぎ路面などの走行も多いのですが、普段どおりの操縦でも問題なく走行できました。
雨天時の走行はある意味で楽しみにしていました。結果として予感的中。とても良い! M35よりも更に安定感を増した走り心地は素晴らしいの一言に尽きます。普段の走行はもちろん、速度が上がっても走りがブレることが無いのでかなり安心して走れます。ウェットでのコーナリングも安定感もあり、ブレーキングの制動力も高く不安感が全くなかったのはとても高評価です。
シティプロは、パターン的にも何となくウェット路面に強そうな印象がありましたが、まさにその通りでした。
そして、晴天時に100km程度のツーリングにも行ってきました。軽いワインディングなどもあり普段の通勤よりもある程度高めの速度域で巡航する走りです。
長距離を走って驚いたのが、タイヤの転がりが良いのか接地面のクッション性が良いのかよくわかりませんが疲労度がとても少なかったことです。以前履いた他社製のタイヤだと片道通勤でもイマイチなハンドリングとダイレクトに伝わる振動で乗り心地は良くなかったのですが、その辺りが全くありませんでした。これは走行を重ね溝が減ってきてもフィーリングにほぼ変化無しです。
シティプロは、私が愛用していたM35に比べてあらゆる部分においてアップデートされているように感じました。通勤で毎日乗るような方はウェット性能の高さだけでも買う価値はあると思います。ライフだけは完全に比較できていませんが、M35が約7000kmで交換していたことを考えると同じくらいは持って欲しい感じです。私は現在2000kmを超えましたが、まだまだイケそうな感じです。
お遊びで林道に突入しましたが、これが意外と走れてしまうんです。ウェット性能が高いおかげか多少ぬかるんだ路面もグイグイ進んでいけました。
晴天・雨天にかかわらず使用するビジネスユーザーに向けたロードタイヤ
サイズは、70/90-17、80/90-17、2.25-17、2.50-17、2.75-17で前後履き対応です。
シティプロは、17~18インチのビジネスモデル向けのロードタイヤです。全天候型の性能を確保するために優れたウェットグリップを実現。最適化されたトレッドパターンは、接地面における溝面積を平均で32%確保することでウェット路面で優れた排水性とグリップを実現しています。さらにトレッドセンターからショルダー部にかけて広がるグルーブ(溝)パターンが効率的な排水を促進しています。
また、3つの補強プライとアンダートレッドラバーの採用により厚いトレッド層を形成し、パンクに対する耐久性が向上。さらに、タイヤの内側を改良したことでチューブを保護し、摩耗によるチューブからの空気漏れを抑止しています。ビジネスユーザーに向けた高い信頼性を確保していることから、スーパーカブとのマッチングが高いのがシティプロなのです。
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大型とカブ(JA44)の二台持ちです。
主に通勤、少しツーリングでカブを使ってます。年間で18000キロ前後ですが、どんなタイヤでも半年で溝がなくなり使い物にならなくなります。
どんなタイヤでも大差ないですよ。
どのメーカーの、どのグレード、どの価格帯、ブロックパターンの好きなものを使えばいいと思います。
雨が降ればマンホールや白線は結局避けるし、カブ程度の軽量ならば何でも大差ない、これが私の結論です。
自己責任です。鵜呑みにせず、安全運転に心掛けてください。