文/Webikeスタッフ:tetsu.26

昨年よりその存在が噂されていたOGKカブトのリアルレーシングモデル F-17(エフイチナナ)が発売されました。

フルフェイスヘルメットの空力性能には定評のあるOGKカブトですが、F-17では従来モデルRT-33よりもブラッシュアップされています。

またエマージェンシーシステムを採用するなど、F-17には従来モデルから要望の多かった機能が追加されています。

今回は従来モデルのRT-33はもとより、ショウエイの人気フルフェイスヘルメット・X-14と比較してみます!

OGKカブトの新型モデル『F-17(エフイチナナ)』

OGK KABUTO:オージーケーカブト |F-17 [エフ イチナナ]

OGKカブトのF-17は、同社でラインナップするフルフェイスヘルメットの中でリアルレーシングモデルに位置します。

一般公道で使用するために必要なJIS規格はもとより、日本国内で開催されるレースへ出場するのに必要なMFJ公認も取得しています。

同じくレーシングモデルであったRT-33の後継モデルとして、比較的購入しやすい価格帯でかつ空力性能に優れたレーシングモデルとして、長く人気を誇っていたフルフェイスヘルメットでした。

下に簡単にスペックをまとめておきます。

OGKカブト F-17
商品名:F-17(エフイチナナ)

サイズ展開:XS/S/M/L/XL/XXL

カラー:ホワイト/ブラックメタリック/フラットブラック ※ベーシックモデル
価格:¥47,000-(税込¥51,700-)
規格:JIS・MFJ
ヘルメット素材:A.C.T.(高強度複合素材帽体※ガラス繊維と有機繊維の複合素材)

従来モデルRT-33からの変更点

メーカーサイトや事前説明資料を見る限り、新商品F-17で大きく変更になった部分は下の5項目です。

変更点
・空力性能の進化

・安全性能の進化

・サイドベンチレーションの採用
・新機構の追加(センターロック、エマージェンシーシステム、制菌加工内装)

・インカム対応

空力性能の進化

ヘルメット形状は、まるで新幹線のフォルムを彷彿とさせる前面投影面積を絞った縦長な印象になっています。

ホワイトのヘルメットを入手したのもあるのですが、パッと見た雰囲気はゆでたまごのような感じです。

また高速走行時のヘルメットの安定性をもたらすウェイクスタビライダーは、従来モデルRT-33にも装備されていましたが、進化しています。

ちなみにこのウェイクスタビライザーはOGKカブトが特許を取得しているシステムです。

さらに頭長部には、ヘルメットが風圧で浮き上がろうとする力を抑えるクレストスポイラーが新たに装備されています。

安全性能の進化

見た目では変化は分かりませんが、ヘルメット自体の安全性も向上されています。

従来型のRT-33もそうですが、レーシングモデルに関してはガラス繊維素材ベースの材料をヘルメットには使用していました。

強度はもちろん対貫通性能や衝撃をいなす弾性を持った素材を複数枚、重ね合わせてヘルメット形状にするのですが、その複合素材をあごの部分にも採用しています。

転倒した際に、あごを強打した覚えのある方も少なくないと思いますので、今回の改良は安全性の向上にも大きくつながります。

サイドベンチレーションの採用

直進時のみでなくコーナリング時にも適切なベンチレーションが得られるように、ちょうど眉毛のあたりにベンチレーションを追加しています。

口元には従来型のRT-33からベンチレーションが設けられていましたが、新商品のF-17では横方向に延長されました。

文字にすると小変更のように感じてしまいますが、穴を増やすと帽体の強度が落ちるため上述したような素材や構造で強度を確保出来ないと安全性を確保しての実行が難しいのです。

新機構の追加(センターロック、エマージェンシーシステム、制菌加工内装)

各社こぞって採用しているセンターロック機構が、新商品F-17にも採用されました。

内装は従来型RT-33から継続で、COOLMAX?素材を採用した上で新たに制菌加工されており、常にヘルメット内部をクリーンな状態に保てます。

また内装の止め方ですが、ボタンで押し込む方式になっており簡単に所定の位置に合わせる事が出来ます。

ただ注目はなんといってもエマージェンシーシステムです。

サーキットなどでスポーツ走行するユーザーには特に待ちわびた機構かと思います。

内装自体を外すことなく、内装内部のウレタンを引き抜くというOGKカブト独自の機構により、転倒したライダーへの負担も軽減出来ます。

インカム対応

新商品F-17は、OGKカブトのフルフェイスヘルメットの中では押しも押されぬレーシングモデルですが、インカム対応も完備しています。

耳のあたりにはスピーカーホールが常設されており、使用しない(取り付けない)場合には内装と同素材のパッドが装着されています。

またクリップ式のインカム本体を取り付けしやすいように、ヘルメットの基底部にはクリップを挿入しやすいようにクリアランスが確保されています。

あごのラインはエアロデザインの影響で凹凸があるため、貼付けタイプは使用しづらいと思いますので、クリップ式で対応しましょう!

F-17の重量を量ってみた!

意外と気になる方も多いのがヘルメットの重量かと思います。

従来商品のRT-33では後頭部に重さが記載されたステッカーが貼られていたのですが、今回の新商品F-17には表示がないので自分で量ってみました。

測定したのはLサイズの帽体(内装付き)です。結果は、1721グラムでした。※測定する機器や状況により多少前後することもあるかと思いますので、参考にして下さい。

比較対象としてショウエイの人気ヘルメットX-14と、その軽さには定評があるZ-8、また従来モデルRT-33の測定結果も記載していおきます。

  • F-17:1721グラム
  • Z-8:1462グラム
  • X-14:1659グラム
  • RT-33:1521グラム
  • 実重量はともかく、手で持った印象として新商品F-17は「軽さ」を体感出来ます。

    逆にショウエイのX-14に関しては、手で持った瞬間、特にこめかみのあたりに「重い」というより実が詰まっているという印象を持ちました。

    それにしてもZ-8の軽さが際立ちますね!

    SHOEI『X-14』との比較

    SHOEI:ショウエイ |X-14 [X-FOURTEEN エックス フォーティーン] ヘルメット

    巷で似ている?と噂のショウエイの人気フルフェイスヘルメットX-14と比較をしてみます。

    まずサイズ感ですが、これはショウエイX-14の方が一回り小さく見えます。

    具体的には頬の部分から後頭部にかけての部分が、F-17の方がワイドに見えます。

    もっともヘルメット帽体の重量はF-17もX-14も大差がなく、新幹線のような前面投影面積ではどちらも小さいです。

    シールドの大きさですが、F-17:13㎝ X-14:12㎝と正面の部分は1㎝ F-17が長い結果となりました。

    もっともX-14とF-17とではシールドの位置自体が異なるため、実際に被った時の見え方とは必ずしもリンクはしません。

    F-17を被って走ってみた

    今回、実際にF-17を被って街中~高速道路を走ってみました。

    SHOEIのX-14 Mサイズを普段着用しています。

    F-17 Lサイズを着用しましたが、サイズ感としては優しく包み込むような感じ。

    きつめのサイズ感が好みの方は一つ下のサイズを選択するのもアリです。

    重さとしてはX-14とあまり変わらない印象(数値でも表されているようにX-14の方が少し軽いかも)。

    なので、軽さという面についてはSHOEI X-14や先代のRT-33に軍配が上がるでしょう。

    良い点
    • 見た目がさらにシャープに!見た目重視で買う人にもオススメ
      RT-33よりシャープに。近代のレーシングモデルに近づけたフォルムになっています。
      スーパースポーツに乗っているライダーはもちろん、レーシーな見た目が好みな方にもおすすめです。

    •   

    • 整流効果がすごい!
      街中ではよく分からなかった部分が、高速道路で本領発揮!
      80km/h~のスピード域では、ほとんどヘルメットがブレるということがありませんでした。
      これは、普段使っているX-14とほぼ同じ感覚ですね。OGKカブト特有のウェイクスタビライダーは伊達ではなかった!
      全体的に長細いフォルムになり、風切り音が顎から頬にかけて集中しており、顎部分から風を積極的に切り裂いているのが実感できます。
      整流効果を高めるためのポイント「背を丸めて、顎を少し引く」です。整流効果が感じられ、乗っている姿もさらにカッコよくなりますよ!

    •   

    • 新設計ベンチレーションが涼しい
      口元のベンチレーションから風がかなり入ってきます。夏はかなり涼しいでしょう。

    •   

    • 視界が広い
      とにかく視界が広い。フルフェイスにありがちな息苦しさが少し解消されているような気がします。
      開放的な視界でセーフティーライドに貢献する部分だと思います。

    気になった点(慣れればOK!)
    • ヘルメットの重さ
      今回比較したヘルメットよりも重く、短時間は良いが長時間被ったら疲れてくるかもしれません。
      ただし、重い分これが高速安定性につながるので、個人的には許容範囲内の重さだと思っています。

    •   

    • シールドの開け閉めにコツがいる
      自分が一番間違えた部分!(笑)
      シールドを閉める際に、ついつい左下に手をやってしまいますが、このF-17は真ん中にシールドロックがあります。
      開け閉めもそうですが、ちょっとだけシールドを開けて走る時はド真ん中にロック部分が来るので視界を妨げる恐れがあります。

    F-17はおすすめ出来るか?

    OGK KABUTO:オージーケーカブト |F-17 [エフ イチナナ]

    これはおすすめ出来ます!(きっぱり)

    唯一気になった点は、ヘルメット底部にあるゴムのふちが接着があまり強くないのか、そのうち剝がれそうだなという印象を受けた程度です。

    あとはダクトの部材や仕上げではショウエイにあと一歩、、という印象でした。

    注意点としては10月時点での供給が不安定で、流通している在庫が少ない事ですね。つまり見つけたら即買いです、迷っている時間はないですよ!!

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