「バイクは見た目より中身が大事」という意見もありますが、定期的に洗車を行い愛車を常にきれいに保っておくことで、タイヤやブレーキの摩耗を気に掛けたり、トラブルにつながるボルト・ナットの緩みを早期に発見できるメリットがあります。世の中には数多くの洗車用ケミカルがありますが、今回は洗車用品の専門メーカーであるシュアラスターから発売さればかりの「シュアラスターバイクシャンプー」をテストしてみましょう。


内容量400mlのスプレーボトルに入ったシュアラスターバイクシャンプーは希釈済みですぐに使えるのが魅力。液性は弱アルカリ性で、浸透性アルカリビルダーによって洗浄成分の能力を向上、油汚れにも強いのが特長だ。細かい隙間にも届きやすく復元性が高い軟質ポリウレタンフォーム製スポンジが付属する。




噴射ノズル先端部分でスプレー幅を選択できる。ガソリンタンクやカウルなど面積の広い部分は広角で、ホイールやブレーキなどピンポイントを狙うときは狭角でスプレーすると良い。

洗車マニア御用達ブランド。シュアラスターの最新シャンプーとは?

バイク好きの中でも特にいじり好き、磨き好きにとってシュアラスターはなじみのあるブランドではないでしょうか?
現在ではワックスとコーティングが並び立っていますが、カルナバ蝋を主成分としたシュアラスターワックスは洗車後の仕上げ方法として一時代を築いたプレミアムブランドでした。
そのシュアラスターの新製品がバイクシャンプーです。
ボディ、エンジン周り、ホイール&ブレーキ周りすべてに使えるバイクシャンプーには、以下のような特長があります。

  • バイク専用に開発
  • 適度な濃度
  • 塗装面、カウルなどの樹脂パーツ、エンジン周り、ホイールにも油汚れにも使える
  • 油汚れを溶解する能力が高い弱アルカリ性で、洗浄成分である界面活性剤の性能を向上させる浸透性アルカリビルダーを採用
  • ソリッド、メタリック、キャンディなど全塗装色に対応できるノーコンパウンドタイプ
  • ポリウレタンフォーム製専用スポンジ付属

ここで注目したいのは、このシャンプーが希釈不要という点です。
水洗い用のシャンプーには原液をユーザーが希釈して使用するタイプもありますが、薄くても濃くても泡立ちが良くならず、適度な濃度にするのが意外に難しく面倒です。
また希釈タイプはバケツが必需品ですが、シュアラスターのバイクシャンプーはボトルから直接スプレーできるため手間なくすぐに洗車作業ができるのも嬉しいポイントです。


どんなシャンプーを使う際も、最初に水をかけて汚れを浮かせるのがセオリー。いきなりシャンプーを使うと、スポンジで擦る際に細かい傷を付ける原因になる。


表面の汚れを水で流したらバイクシャンプーをスプレーする。スプレーボトルのトリガーを握れば泡状のシャンプーが噴射されるので、原液をバケツの中で希釈してスポンジで揉むような手間はいらずとても手軽だ。


濃密な泡はカウル面にスプレーしても簡単に流れ落ちず、スポンジで優しく擦る間も洗浄部分に残っている。浮き上がった汚れが傷を付ける可能性があるので、スポンジを使う際は同じ部分を往復させず一方向に動かすのがポイント。


洗浄後は流水で洗い流す。シミやムラの原因になるので充分なすすぎが必要だが、洗浄中はシャンプーの泡がしっかり付着しているのにホースの水を掛けるとサッと流れて、ヌルヌル感も残らないのですすぎが短時間で終了する。


乾いたきれいなクロスで表面の水滴を拭き取ればシャンプー洗車は終了。コーティングやワックスなど好みのケミカルで仕上げれば美しいコンディションを維持できる。

モコモコで濃密な泡が砂利やホコリ、ブレーキダストまで包み込む

バイクの洗車には「水あり洗車」と「水なし洗車」という流儀のようなものがあり、特に旧車や絶版車オーナーの中には愛車を水で濡らしたくないないという人もいます。
確かに無用に水浸しにするのはトラブルの一因になりますが、洗車という観点からすれば「水あり」の利点は少なくありません。
走行中に巻き上げる砂利やホコリが付着することで、ボディや足周りの表面はザラザラになりますが、これを「水なし洗車」でタオルなどで拭えば目の細かいサンドペーパーやコンパウンドで擦るのと同じような状態になってしまいます。

これに対して「水あり洗車」は、塗装表面に張り付いた汚れを水によって浮かせることができます。
その上でシャンプーを使えば、砂利やホコリで傷を付けることなく汚れを落とせるというわけです。

シュアラスターのバイクシャンプーを使用する際も、事前に泥やホコリなど表面の汚れを水で洗い流してからスプレーします。
今回はスクーターのボディ、シリンダーフィンが細かい空冷エンジン、チェーンオイルの飛び跳ねやブレーキダストが付着したホイールとブレーキの3パターンでテストを行いました。

まず実感できるのは泡立ちの良さです。
バケツに希釈するタイプのシャンプーでは、相当入念にかき混ぜても水分多めになりがちですが、このシャンプーはスプレーボトルを握るとモコモコと濃密な泡が噴射され、ボディパネルに密着した泡はすぐに流れてしまうことはありません。
そのため、付属のスポンジで優しく擦る間に泡が汚れを包み込み、バイクを傷つけることなく洗車できます。

またこの泡はかなり長持ちするタイプで、気がついたら泡成分が流れてしまいいつの間にかスポンジでゴシゴシ擦っていた……というようなこともありません。
スポンジと洗浄部分の間にクッション代わりの泡があるような感覚で、常に当たりがソフトなのです。

加えて付属する軟質ポリウレタンフォーム製スポンジも優秀です。
水を含ませたスポンジにシャンプーをスプレーすると量感たっぷりの濃い泡ができ、スプレーで狙いづらい場所もこのスポンジで優しく擦ることで十分な洗車効果が得られます。


ボトルから直接スプレーするのとは別に、付属のスポンジにスプレーして洗車する方法もある。噴射されたシャンプーは充分に泡立った状態なので、デリケートなパーツを擦っても傷を付けづらい利点がある。


デザインが細かいホイールやスイングアームなどの足周り部品は、スポンジにスプレーした方がシャンプーのロスが少ない。このスポンジは密度が高く泡持ちが良いので、キャストホイールはもちろんスポークホイールも洗浄しやすい。


ブレーキローターの穴は摩耗したブレーキパッドの粉で汚れがち。乾燥が早いブレーキパーツクリーナーでは落としきれない汚れも、浸透性アルカリビルダーが浮き上がらせる。コーティングやワックス成分を含まないのでブレーキ周りにも安心して使える。


シャンプー洗浄後は流水でしっかり洗い流す。ホイールやブレーキは1カ所だけでなく回しながらすすぎ、シャンプー成分を残さないようにする。


回転部分に水分が残っていると撥ね上げの原因になるので、水滴をクロスで拭き上げておく。また洗車直後のライディング時にはいきなり飛ばさず、ブレーキの利きやタイヤのグリップを確認するのも重要。

泡切れもスッキリ。いつまでもヌルヌルしないからすすぎ時間も短縮できる

豊かな泡が長持ちするということは、裏を返せばすすぎの際にいつまでもシャンプーのヌルヌル感が残ってしまうことにもなりかねません。
残った洗浄成分は輪ジミの原因になることもあるので、簡単に洗い流せることも重要です。
この点でもかなり優秀なのがシュアラスターのバイクシャンプーです。

外装パーツでも足周りでも、スポンジで汚れを落としている間は泡がしっかり定着しているのに、すすぎのために水を掛けるとサーッと流れ落ちて残ることがありません
その際に汚れがシミになって残ることもなく、洗い上がりの表面がヌルヌル、ヌメヌメすることもありません。

もうひとつ驚いたのは、洗い流されて地面に流れたモコモコの泡が短時間で消えることです。
駐輪場などで洗車していて、すすぎ水にいつまでも泡が残っていると気まずいこともありますが、車体の泡切れの良さに加えて流れた後の泡切れも良いのはこのシャンプーの特長と言っても良いでしょう。


エンジン部分を洗車する際は走行直後は避け、温度が常温まで下がってからシャンプーを使用する。やはり事前に水で濡らしてからシャンプーをスプレーするが、スパークプラグやセルモーターなどの電装部品は水を避けるようにする。


付属のスポンジは空冷エンジンのフィンの隙間など細かい部分にも追従するのが特長。すすぎ洗いの際に長時間水をかけ続けるのは避けたいが、泡切れが良いため短時間で作業を終えられるのは大きなメリットとなる。

まとめ・さすが洗車用品専門メーカーの実力。機種やパーツを問わず使える万能性が大きな魅力

ワックスを掛けるにせよコーティングするにしても、まずは現状の汚れをしっかり落とすことが重要。
コンパウンドやコーティング成分を含まず、機能を洗浄成分に絞り込むことで塗装面やカウル、エンジンや足周りなどパーツを問わず使えるのがシュアラスターのバイクシャンプーの特長です。
カーケア用品専門メーカーがバイク専用に開発したバイクシャンプーは、バイク磨きを楽しみたいライダーに適した洗車用品と言えるでしょう。


シャンプーの種類によってはツヤが出過ぎたり落ちすぎたりするシート洗浄にも安心して使えるのがシュアラスターのバイクシャンプー。ホースの水で表皮を濡らしてからシャンプーをスプレーする。


このシートはさほどでもなかったが、長く使用したバイクのシートをシャンプーで洗うと泡が茶色く変色することも珍しくない。黒いシート表皮は汚れが目立ちづらいが、ライダーが座ることでガソリンタンクやカウルより汚れが擦りつけられて染み込んでいることも多いのだ。


シート洗浄でも泡切れの良さは強みとなり、あっという間に流れていく。スクーターのシートは車体から簡単に取り外すことができないが、キー操作で外れるシートは車体から外して単体で洗浄することで、余計な部分に水を掛ける心配がなくなる。


乾いたクロスで拭き上げれば、しっとりと自然なツヤに仕上がる。シャンプーのヌルヌル感が残らないのはここでも利点となり、シートに座った際に違和感を覚えることはない。

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