
2020年末に突如発表された新帽体SHOEI/Z-8。
国産ヘルメットの2大メーカーの1つ、そして売り切れ必須の人気シリーズ最新作ともあれば、ライダーからの注目度も火が付きそうなほどに熱いものです。
そんなZ-8が、Webikeマガジン編集部に一足早くやってきたので、最新帽体の実力をじっくりレビューして行こうと思います!
目次
まずは新帽体“SHOEI/Z-8”をおさらい!気になる発売日は?
SHOEIのXシリーズと言えば、現行のX-Fourteenがすぐに浮かぶことでしょう。
メーカーフラッグシップモデルで、高い安全性能に最新エアロダイナミクスが盛りだくさん。
MotoGPやWSBに出場するライダーにも愛用者が多いモデルです。
そしてZシリーズは、X-Fourteenと同じフルフェイスラインナップでありながら、コンパクト性と軽量性を追求したモデルが冠するシリーズとなっています。
出で立ちはピュアスポーツを感じさせるフォルムで、それでいてベンチレーションシステムは十分、静音設計で快適性も高く、SHOEIの製品開発力の高さが伺えます。
かくいう筆者も前モデルのZ-7愛用者で、X-Fourteenと比較しても「コレでいい」ではなく「コレが良い」と心底感じられるモデルと断言できます。
Z-7からさらにブラッシュアップされた最新Zシリーズ。その実力をじっくり紐解く前に、発表時の情報をおさらいしておきましょう!
SHOEI / Z-8
- 価格:56,100円(税込み)
- 規格:JIS規格
- サイズ:XS(53cm)、S(55cm)、M(57cm)、L(59cm)、XL(61cm)、XXL(63cm)
- 構造:AIM+(Advanced Integrated Matrix Plus Multi-Fiber)
- 付属品:布袋、ブレスガードF、チンカーテンD、シリコンオイル、CWR-F2 PINLOCK EVO lens、スペアPINLOCK PINセット、SHOEIロゴステッカー
- 2021年3月発売予定!
ソリッドカラーの定番色ルミナスホワイトの価格は56,100円(税込み)。
同色のZ-7は49,500円(税込み)でしたから6,600円のプライスアップですね。
この価格を高いととるか、安いととるかはそれぞれですが、これから解説していく新機能を聞けば値段の感じ方が変わるかも?
ちなみに付属品に、予備ピンロックピン、ステッカーが増えました!
気になるZ-8新機能!Z-7からどう進化した?
空力性能と、剛性が向上!
Z-7から軽量&コンパクトな開発思想をそのまま引き継ぐZ-8。
帽体サイドのラインは従来モデルから踏襲しながらも、よりスポーティに進化したデザインに仕上がっています。
それでいてシェルは、剛性が見直され、帽体のサイズによって独立したシェルとなっているので、被り心地はサイズ毎に最適化されています(XS、XXLは除く)。
エアロフォルムも長年SHOEIが培ってきた研究開発データをフル活用。より高い走行安定性を獲得しています。
手前がZ-8、奥がZ-7。Z-8の方が後頭部のラインがエッジ立っています。
シールドロックシステムを採用!
シールド開閉ノブが、サイドからセンターに変更となっています。
そして新たにシールドロックシステムを採用したことで、全閉時のシールドと帽体側の密着性が向上しています。
シールドロックの解錠もロアエアインテーク上を押し込むだけとワンアクション。シールド開閉動作に煩わしさを感じさせません。
押すとロックが解錠する。どちらの手でも操作はしやすいですが、慣れる必要がありそうです。
新機能と新チークパッドにより静音性が向上!
ライダーの耳に近しい位置となるシールドの側面には、ボルテックスジェネレーター(渦流生成器)が採用されており、走行風の乱れを抑えノイズを低減する働きあります。
またチークパッドは新設計のZ-8専用パッドが採用され、首回りを包み込むようなフィッティングにアップデート。
フィット感が向上したことにより、被り口からの風の侵入を抑え、Z-7と比較しても静音性能が大幅に向上しています。
新型チークパッドはZ-8専用品。X-Fourteenと類似する差し込みタイプに変更されました。
センターパッドはZ-7から変更ありません。
高効率ベンチレーション
従来モデルから、空気の取り込み口であるエアインテークホールが1箇所追加されています。
走行風は衝撃吸収ライナーに用意されたエアルートを通って帽体内部を巡り、Z-7と比較しても優れた冷涼性を発揮します。
重量比較!Z-7に比べてZ-8は☆グラム軽い!
軽量性、コンパクト性を謳っているZシリーズ。
前モデルZ-7の時から、帽体の軽さには一定の評価が集まっていました。
そこで気になるのはZ-8のヘルメット重量ですね。
高い安全性はそのままに、どこまで軽量化が図られているのか、実際に計測してみました!
今回は、両帽体とも実際の使用環境を想定してピンロックシートも装着しての計測としました。
まずは、筆者の持っているZ-7から……。
実際に計りに乗せてみたところ、実測値は1457gでした。
ちなみに、SHOEIのメーカーページにも製品重量が掲載されていますが、量産ヘルメットの平均値であること、ピンロックシートの重量は含んでいないとのことが但し書きされています。(リンクはメーカーページに移動します。)
また、グラフィックモデルとソリッドカラーモデルとでは重量に差が出てしまうので、筆者の“Z-7がソリッドカラーだったら”と条件を合わせて、ここから21gをマイナスします。
そうして算出された仮想重量が1436g!
続いて皆気になるZ-8ソリッドカラーの実測値はというと……。
たった17gでしょ?と感じる方もいるかもしれません。
しかし、Z-8の開発にあたってかなりの新システムを実装しているのは前述の通り。
首周りの包み込まれるフィッティングも肉厚となって、重くなっていそうなものなのに、17gも削ってくるなんて、SHOEIの並々ならぬ努力が伺える結果となりました!

●カラー:ワインレッド、ルミナスホワイト、マットブルーメタリック、マットブラック、マットディープグレー、ブラック、バサルトグレー
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