冬は乗らない?そんな時は冬眠だ!でもその前に

真冬でも元気に乗るぜ!という方も多い一方、路面凍結、積雪、寒いのイヤ、などの理由で暖かくなるまで乗らないという方も大勢居ます。
冬は乗らないと決めたら愛車は春まで冬眠ですが、そんな時に心配なのが保管方法
変な保管方法で愛車が痛むのはイヤだし、春先に乗り出そうとしたら交換部品多数だったり消耗品が全滅していたりすると無駄な出費が嵩んでしまいます。

それは避けたい……。
そんな事にならない為にも保管準備方法を学び、安心して冬眠しておきましょう!

今回は意外な盲点や、ちょっとした工夫も交えてできるだけ愛車を労わる冬眠方法をまとめました。
「そんなの知ってる」という方も復習を兼ねて確認してみてください。

ちょっとした工夫が明暗を分ける!バイクの冬眠でやるべき事【冬期保管方法まとめ】

普通の人はこんな雪道を走ったりはしません。凍結や降雪がある地方の方はキッチリ保管して春先の再稼働に備えましょう。

ガソリンは満タンの方が良いのか空の方が良いのか?

まずは超基本のガソリンタンク内のガソリンの処置から。
バイクの冬眠方法を解説している他サイトの記事を見ると「満タンにしておく」というのを推奨している記事が大多数です。
コレ、間違っているとは言いませんが、時と場合によってはイマイチな事も……。

満タン式の良い点はタンク内面と空気と接触する部分が減るので結露による水分混入が減らせる事。
ガソリンが少ないとタンク内の壁面が空気中に丸出しとなるので朝晩の温度差で結露し、場合によってはタンクの底に沈殿したりします。
水分沈殿に気付かないとタンクの底に穴が開いたりしますし、そこまで激しくなくても春先に始動しようとしたら燃料コックが吸うのは水ばっかりになるので(水はガソリンより重いのでタンクの底に溜まり、最初に吸うのは水ばかりになってしまう)、全然始動しないなんて事もあります。
それに、タンク内側は未塗装なので水分が入ると信じられないくらいサビます。
だから冬眠前にはガソリン満タンにしておきましょう!という話。

でも、満タンにしていてもタンク上面の内側は空気に触れているのでサビます
ガソリンが減っている状態よりは断然良いので、満タンにしておく方が良いという話は正しいのですが……。

ではもっと良い方法は無いのかと言うと、実はあります
それはガソリンを全部抜いて内部を完全に乾燥させておくやり方です。
満タン方式の正反対。

この場合、冬眠期間中はタンクキャップを開けたままにするので、今度は空気中の湿気が常時出入り可能になってしまいます。
ですので、乾燥したガレージ(乾燥した納屋とかでも可)で室内保管してあるのが絶対条件になります。
乾燥していない単なる空気中でコレをやるとタンク内側が思いっきりサビてしまいます(やってしまった経験アリ)。
つまり、『屋外でバイクカバーを掛けて保管』などでは使えない手法です。

かなり条件が厳しいですが、乾燥した屋内保管場所がある方はぜひお試しあれ。
2stオイルを溶かした混合ガソリンを入れた後に車体を揺すってからガソリンを抜くと、タンク内面がオイルでコーティングされた状態になるので更にサビにくくなります

冬眠中のオイルはどうするべき?抜くべき?抜かないべき?

4ストロークの場合、エンジンオイルを抜いておくべきか?というのも悩む部分でしょう。
これは諸説あります。
古いオイルが変質しないように抜いておくべき派、春先の乗り出し前に交換するのだから抜かないでOK派、一旦安物の新品に交換してから保管し、春先にもう一回本番オイルに交換するべき派などなど、本当に様々。

オイルを抜く場合、困るのは冬眠中のエンジン始動が出来ない事です。
後述しますが、冬眠中も定期的にエンジンを始動したい場合にコレは問題です。

抜かない場合は使い終わった古いオイルが長期間そのままになるので何となく気分が良くないかもしれませんし、古いオイルがシール類を痛めるのではないかと不安になるかもしれません。

しかし、冬眠直前まで使っていたオイルが、何もしていないのに数か月程度でガンガン劣化してエンジンに悪影響を与えるほど変質するとは思えません。
だから冬眠前に安い新品に交換しておくのは意味が無い気がします。
また、冬眠しているだけでシール類が痛むのであれば、解体屋さんで何年も屋外放置している廃車などから勝手にオイルが漏れ出すはずですが、そんな車両は見た事がありません。
オイルが入ったまま放置しても、それによってエンジンが傷んだりはしないのです。

そこで、私は「抜かずにそのまま越冬して春先の乗り出し時に交換する」をオススメします。
ガソリンタンク内の結露と同様に、エンジン内にも結露はするものなので、春の乗り出し時にオイル交換し、万が一オイル内に結露した水分があったとしても一緒に抜いて交換してしまえば問題ありません。

この保管方法が唯一正しい方法だと断言はできませんが、古いオイルを抜かずに春までそのまま入れっ放しだったとしても、オイルが原因でオイルシールが傷んだりはしないので安心してください。

燃料コックはオフが基本!しかしコックが無い場合は?

燃料コックは必ず「OFF」にしましょう。
これは基本の基本、絶対です。
負圧コックを採用している車両で「OFF」が無い場合は「PRI」以外にしておきましょう。

……という話はよく目にすると思いますが、その理由は何でしょう?
冬眠中にエンジン始動しないならガソリンが減ったりはしないし、どの位置でも関係ないような気がしませんか?
OFFにする意味がわからずやっているとすぐにOFFにするのを忘れてしまうので、「なぜOFFにするのか?」を軽く知っておきましょう。

じつはコレ、何もしていないくてもガソリンが減る事の対策です。

キャブレターの内部は実は外部の空気に通じているので、全く乗らなかったとしてもガソリンが揮発して減ってしまいます。
もし燃料コックがOFFになっていないと、キャブレター内のガソリンが揮発して減る → 減った分だけガソリンがキャブレターへ送り込まれる → また揮発して減る、これを繰り返してしまい、最終的には濃縮されたガソリンの残骸のような物(ワニスと呼ばれている茶色いベトベトな物質)がキャブレター内に溜まって大変な事になります!
満タンにしたはずのガソリンタンクも何時の間にか満タンではなくなってしまうので内面にサビが発生して大変な事になります!

更に、何らかの理由でキャブレター内部のチェックバルブ(キャブレター内のガソリン流入を制御している部品)などが破損すると、「ON(負圧式でない場合)」や「PRI」ではガソリンタンクが空になるまでガソリンを垂れ流してしまいます。
気付かないうちにバイクの下にタンク内のガソリンが全部出てしまうのでかなり危険。
車外に漏れずエンジン内に入ってしまう場合もあり、その場合はエンジン内部がガソリンで満たされてしまいます。

そんな事態を防止するため、タンクから下流にガソリンが流れないようにしておく、そのための燃料コックOFF!というワケです。

「ON(負圧式でない場合)」と「PRI(コックの種類に関係無く垂れ流しのポジション)」は問答無用でガソリンが流れるコック位置なので、その位置はは絶対ダメ!
「OFFがあるならOFF」、「OFFが無いならPRI以外」、これでバッチリです!

ところで、最近のインジェクション車などはそもそも燃料コックがありません。
インジェクションは燃料をポンプで圧送する構造なので燃料コックは無いのが当たり前です。
どうすれば良いのでしょう??
これは何も気にしないで大丈夫です。
インジェクションの利便性は冬眠でエンジンを動かさない場面で光りますね!

キャブレターのガソリンは抜く!ではインジェクションはどうするべき?

上でガソリンが揮発すると書きましたが、燃料コックをOFFにしたらキャブレター内のガソリンも予め抜いて空にしておきましょう

キャブレターにはドレーンボルトと呼ばれる「フロート内のガソリンを排出するボルト」が相当な確率で有ります(ややこしい事に無い物もあります……)。
これを緩めるだけで(完全に外さなくても良い事が多い)キャブレター内にあるガソリンを排出できるので、ぜひ実行しておきましょう。

これをやらなかった場合、キャブレター内部のガソリンが腐ったり劣化したりしてタール状になった物(ワニスと呼ばれる物)がジェット類の穴を詰まらせてしまう確率が急上昇します。
キャブレターのオーバーホールをバイク屋さんに依頼するとかなり高価な工賃が掛かってしまうので、無駄な出費を抑えるためにも絶対やっておいた方が良いです。

インジェクション車の場合はガソリンのドレーンボルトはありません。
基本的にガソリンを抜くようにはできていない密閉性が高いシステムです。
と言うことは?

これは何も気にしないで大丈夫です。
冬季の数か月程度でインジェクション内部のガソリンが変質したりはしません。
そのくらい密閉性が高いのです。
余計な儀式を一切必要としないインジェクションはエラい!

メンテナンススタンドが有ればタイヤを浮かす!無ければどうしましょう?

冬眠で保管中は全く動かさないので、タイヤが転がる事もありません。
すると、タイヤと地面の接地している部分のトレッド面が凹んでしまう事があります。
ちょっと凹んだ程度なら冬眠開けに走って温めれば元に戻りますが、重量級の車両の場合はタイヤそのものが変形してしまう事も……。

高価なタイヤを使い切らないうちに廃棄するのは忍びないので、保管中は変形を防ぐためにも出来るだけタイヤを浮かせるようにしましょう。

後輪はメンテナンススタンド(レーシングスタンド)を使うのがベストです。
シーズンオフは保管用アイテムとして、シーズン中は通常のメンテナンス用アイテムとして大活躍するので、もし持っていない方は早めに購入してしまう事をオススメします。
メンテナンススタンドがあると整備の世界が大きく変わるので、冬眠する/しないに関わらず全員購入した方が良いアイテムの一つです。

後輪用のメンテナンススタンドはそこまで高価では無いので何とかなるとして、問題は前輪です。
前輪を浮かすにはステムスタンドを使用するのが一番ですが(フロントフォークも伸びたままにできるため)、比較的高価な事と未使用時に嵩張る事から未購入の方も多いはずです。

でも、やはりフロントタイヤも浮かせるべきです。
なにしろ車体重量の半分はフロントに乗っているのですから。

車体の下にジャッキを入れて浮かす方法もありますが、短期ならともかく長期的にエキパイ下にジャッキは当てたくないでしょう。
エキパイによっては普通に凹んだりするので、そんな事になったら泣くに泣けません。
できるだけステムスタンドを購入するようにしてください。

でもやはり資金が……という場合は次の項目へ!

タイヤの空気圧は高めにしておく方が良い!でもどのくらい高くするの?

保管中はタイヤの空気圧を少し高めておきましょう
冬眠中に車重でタイヤが変形するのを出来るだけ防止するのが狙いです。

メンテナンススタンドで車体を持ち上げてある場合は関係無さそうですが、冬眠で数か月経過すれば空気圧はかなり減るものです。
春になって乗ろうとしたらほぼパンク状態で困った!という事態にならないためにも、冬眠前はいつもより高めに空気を入れておく事をオススメします。

ではどのくらいの空気圧にすべきでしょうか?
これは2パターンが考えられます。

1つ目はスタンドでタイヤを浮かせている場合
この場合、タイヤの変形は気にしないで済むので、純粋に乗り出し時の空気圧を考慮するだけで済みます。
月に5%落ちるとすると(タイヤや状態によって異なりますが、最大で5%程度ではないかと予想)4か月で元の86%まで減ってしまうので、通常より10%ほど圧を高めておけば概ね問題無いでしょう。

もう一つはスタンドが無くてタイヤが直接地面に接地している場合
この場合は空気圧が減る事よりもタイヤが変形したままクセが付いてしまう事を防止したいので、限界まで空気圧を高めておきたいところです。
とは言え、無茶な空気圧だとタイヤがバースト(破裂)したりエアバルブが壊れたりする可能性もあるので、上限は20%増といったところでしょうか。
もちろんタイヤメーカーは指定空気圧の20%増でも大丈夫とは絶対に言わないので全て自己責任になりますが……。

さらに、もし可能であれば冬眠中も車体を前後に動かして1か所が接地し続ける事を避けたいものです。

バッテリーのマイナス端子を外しておく、可能であればバッテリーを車体から外しておく

バッテリーは出来れば車体から外して室内保管したいところです。
そこまでしないにしても、バッテリーのマイナス端子は外しておきましょう

というのも、最近はイモビライザーなどでイグニッションがOFFでも微妙に電気が流れている事が多く、そのままだと春までに干上がってしまう可能性があるからです(暗電流と言います)。
イモビライザーのような装備が無い車両でも、意外なところで意外な電気を消費したりしている事があるので、元から絶っておけば確実です。

なお、バッテリーを外す時はマイナス端子から外し、装着する時はプラス端子から結線します。
作業中に配線が車体に触れてしまった際にショートするのを防止するための順序なので、これは覚えてしまいましょう。

トリクル充器を繋ぎっ放しはアリかナシか?

上記のような暗電流や自然放電によって減った電力を回復させる「トリクル充電」という機能を持った充電器があります。
「繋ぎっ放しでOK」と謳っている充電器はコレ。

最近のトリクル充電はバッテリーの状態を監視しながら必要分だけを微弱充電するので、繋ぎっ放しにしても大丈夫!
というより、繋ぎっ放しにしてこそ真価を発揮するものです。

大昔、トリクル充電なんて充電方式が登場し始めた頃にはバッテリーの状態に関わらず一定間隔で微弱電流を流し続けるだけの物もありましたが、今の充電器でそんな野蛮な物はありません。
安心して繋ぎっ放しにしましょう。

ただ、電気を流す以上は発火の心配もあるので、万が一発火したとしても被害の出ないように配慮しておければベストです。
つまりバッテリーを車体から外して単体でトリクル充電掛けっ放しにするのが一番良いです。

バイクカバー問題を考える

屋外で冬眠させる場合の永遠の課題、それがバイクカバー。

風雨に直接晒らせるのを防止するのと、直射日光や紫外線による劣化を防止するためにバイクカバーは掛けたいところです。
バイクカバーは間違いなく風雨と紫外線劣化から愛車を守ってくれます

問題はカバー内に湿気が溜まってしまい、カバー無しの場合よりも腐食が進んでしまう場合がある事。
地面の水はけが悪かったり常に湿度がある場合は大問題で、アスファルト舗装の駐輪場以外では常に湿気との戦いになります。

湿気でサビるのは困りますが、バイクカバー無しで保管すると塗装面のツヤが無くなるしスイッチBOXなどの未塗装樹脂パーツは劣化しまくるのでカバーは絶対にした方が良いです。

そこで、オススメなのは『カバーは掛けるけど下は捲っておく』方式です。
風雨と紫外線はカバーでガードしつつ、湿気はカバーの下から出す!という作戦。
これだと車体の下部はガードできていませんが、湿気が篭ってしまう問題からはほぼ解放されます。

たまにカバーを外して干してあげるのが一番良いのですが、面倒臭くてなかなか実行出来ないのが実情でしょうからカバーの下を少し開けておくのはオススメです。

たまにはエンジンを掛けた方が良いのか?

冬眠中もたまにエンジンを掛けた方が良いという話があります。
エンジン内にオイルを循環させて腐食を防ぐ、熱で湿気を飛ばす、ピストンリングやカムシャフトやバルブスプリングが一か所だけ当たり続けるのを防止する、といった効果が期待できます。

ですが、これは短時間ではダメです。
少なくともエンジン内で結露した水分が飛ぶまでは熱を入れ続ける必要があり、停車したままでは結構な時間が掛かります。
水温計の針が動き出す程度では全然足りていません。
熱を入れている間ずっとアイドリングさせているのも問題で、実は油圧が上がらずエンジンにダメージを与えているだけの可能性も有ったりします。

特に冬眠するような寒い時期はオイル粘度が高くなっており、低回転でも簡単に油圧が上がってしまい、油圧のリリーフポート(油圧が高すぎる場合に油圧を開放する部品)がサッサと開いてしまいます。
こうなると油圧が確保できているのはリリーフポートの手前までで、実際のエンジン内の油圧は全然上がっていない事になってしまいます。
カムシャフト支持部、クランクシャフト支持部、コンロッド支持部など、潤滑のための油圧が重要な部分で潤滑不足に陥りがち。

ですので、油温が十分に上がって水分を飛ばせる時間が無かったり、始動直後から3,000rpm前後を維持して油圧を高めた状態を確保できないなら、定期的な始動なんかしない方が良いと私は思っています。

様々な意見があるので「私のやり方が絶対正しい」とは言いませんが、皆さまはどう考えますか?

オイルコーティングは超有効!

しばらく乗らない間に車体の各部がサビてしまっていたら悲しいですよね。
屋外保管だとホントにサビやすく、困ってしまいます。

特にインナーチューブなどは点サビが発生しやすく、一度発生してしまうと根本的解決は新品交換しかありません。
とても高く付いてしまいます。

そこでオススメしたいのがオイルコーティングです!

これはそういった素晴らしい製品があるとかではなく、単純に部品にオイルを塗りまくる事を指しています。
廃油を使えば費用は0円!

やり方は簡単で、サビて欲しくない部分にオイルを塗りまくるだけ!
薄っすらコーティングなんて生易しいレベルではなく、ベットリ垂れるほど塗るのがコツです。

当然ですがベタベタになるので、そのままでは春先に乗れません。
でも、そのベタベタのオイルが確実にサビを防いでくれます。
インナーチューブ、フレーム、スイングアーム、ホイール、そういう金属パーツ表面には超有効!

春になって再び乗り出す時はベトベトになったオイル洗い流す必要があるのでかなり大変ですが、一旦洗い流してしまえば冬眠前の姿をしっかり復活してくれます。
私は廃油をスプレー容器に入れて長期保管車両の車体丸ごと噴霧して保管していた事がありますがが、数年後、廃油にホコリが付いて真っ黒になっている車体を洗い流すと見事に復活しました。

冬眠でなくとも、長期間保管する必要がある場合はオススメです。

PEA(ポリエーテルアミン)はイイぞ!

ガソリンタンク内のガソリンが長期保管中に劣化してしまうのも心配ですよね?
そんな時にオススメなのがガソリン劣化防止剤(ガソリン添加剤)です。

そんな物、本当に効果あるの?と思うかもしれませんが、これはめちゃくちゃ効果あります

ガソリン劣化防止を謳う製品の成分表示ラベルを見ると、主成分に「PEA」と書いてあるはずです。
これは「ポリエーテルアミン」という物質の略称で、還元作用(酸化の逆の作用)が非常に強い物質です。

通常はタンクに入れて運転する事で燃焼室やピストントップや吸排気ポートに溜まったカーボンを分解して洗い流すための添加剤ですが、長期保管の際にガソリンと混ぜておくと確実にガソリン劣化を防止できます。

また、ガソリンタンクの水抜き剤という製品も(条件付きで)オススメです。
水抜き剤の主成分は「イソプロピルアルコール」あるいは「2-プロパノール」ですが、ようするに「アルコール」です。
アルコールはガソリンと水の両方に親和性があるので、ガソリン内に混入した水分と結合した後でガソリンとも結合する事が可能になり、タンクの底に結露した水分が沈殿するのを防止する事が出来ます。

ただし、年式の古い車両ではガソリンパッキンのアルコール耐性が弱い場合があり、長期保管では悪影響が出るかもしれません。
90年代より古い車両では顕著なので(90年前後からアルコール混合燃料が一般化し始めたため、それ以前の年式のパッキンではアルコール耐性が考慮されていない事がある)、80年代以前の車両を保管する際に水抜き剤を混ぜるのは向いていないかもしれません。

まとめ

POINT
  • ガソリンは満タンが基本
  • できれば完全に空にして乾燥させておく
  • オイルは抜かず、春先に交換するのがオススメ
  • 燃料コックはOFF(またはPRI以外にする)
  • キャブレター内のガソリンも抜いておく
  • インジェクションの場合は何も気にしないでOK
  • 出来ればスタンドでタイヤを浮かせておく
  • 空気圧は少し高めにしておくのがオススメ
  • バッテリーはマイナス端子を外しておく
  • トリクル充電器は繋ぎっ放しでOK
  • バイクカバーは通気性確保が重要
  • たまにエンジンを掛けるのは難易度高め
  • オイルコーティングはサビ防止に有効(でも大変)
  • ガソリン添加剤は有効(水抜き剤も場合によって有効)

以上、冬眠前にしておきいたい事でした。
けっこう大変ですね……。
でも、ここでちょっと頑張っておくと、春の乗り出し時に余計な出費を抑えられて幸せに繋がります。
それでは良い冬眠生活を!

※この記事は2020年12月23日にWebikeマガジンに掲載した内容を加筆修正したものです

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