
文/Webikeバイヤー:もぐぅ
原付・原付二種スクーターは、その多くが燃費が良く、車体費用・税金も安く、使い勝手が良いのが特徴。
コスパという面では最も優秀なバイクジャンルと言っても過言ではなく、通勤通学など生活の足としてはもちろん、ちょっとしたツーリングもこなせます。
スクーターも乗り続けるためには定期的なメンテナンスが必要不可欠。その中でも特に頻度が多く代表的なのがエンジンオイルの交換です。
今回はそもそものオイルの役割から、品質のグレードや特性の見方について解説し、あなたのバイクライフにぴったりなおすすめエンジンオイルをご紹介します!
スクーターのオイル交換の頻度
一般的にバイクのオイル交換は走行距離3,000キロごと、または半年ごとが目安と言われています。
ただし、短い距離の走行や渋滞、信号のストップ・アンド・ゴーなどが多い環境環境ではエンジンにかなりの負荷がかかります。
スクーターを通勤通学や街乗り、仕事の足として使用している場合は一般的な目安よりこまめに交換したほうが好ましいでしょう。
スクーターのオイル交換はカンタン!
オイル交換は自分でバイクのメンテナンスをしたことがないという人でも比較的簡単にできる作業です。
エンジンのドレンボルトを外す、古いオイルを抜く、新しいオイルを入れる。この3工程だけです。
一部カウルの脱着などが必要なケースもありますがおおよそ20分-30分程度あれば交換できます。もちろんDIYであれば交換工賃はかかりません。
オイル交換のより詳しいやり方については、こちらの記事を参考にしてみてください!
https://news.webike.net/maintenance/25973/
自身でのオイル交換作業が不安な場合は、お近くウェビック提携バイクショップに商品を直送&作業を依頼できます!
料金はバイクの車種、必要な作業量によって、バイクショップごとに違いますが相場は小排気量のバイクで1,000円~2,500円程度です。
このサービスを利用すれば「このオイルを使ってみたいけど持ち込みは気が引ける……」なんて不安も一切なし!プロの確かな作業で安心もプラス!
さらに工賃に応じてWebikeポイントの還元も!
なぜオイルは交換が必要なのか
そもそもオイルの役割って?
オイルには5つの役割・作用があります。
エンジン内部で金属が擦れあって発生する鉄粉や使用環境、時間の経過によってオイルは次第に汚れ、劣化し、本来の性能を徐々に失っていきます。
オイル交換の適切なタイミングで交換せずに劣化したオイルのまま走り続けると、エンジンへの負荷が増え、燃費の低下やバイクの寿命そのものを大きく縮めてしまいます。
スクーターのオイルの選び方
オイルにはその特性を示す表記があります。オイルを選ぶ際はこの表記をもとに使用する車種や環境、走り方に応じた最適なオイルを選択しましょう。
ここからオイルの表記の見方について解説していきます!
オイルは4サイクルエンジンと2サイクルエンジンで全く違う
バイクのエンジンは、大きく4サイクルエンジン(4ストロークエンジン)と2サイクルエンジン(2ストロークエンジン)に大別できます。
現代のバイクは一部の競技車両を除き、ほぼ4ストロークが主流ですが、2000年初頭頃までは小排気量のバイクは2ストロークが主流でした。
4ストロークの場合、オイルはエンジン内を循環して作用しますが、2ストロークのエンジンはオイルを燃やしながら走るという構造のため、根本的にモノが違ってきます。この記事は4ストロークエンジンを前提に書かれています。
オイルには材料によって3つに分けられる!
オイルは「ベースオイル」と、性能の向上や品質の安定、特性付けを狙った「添加剤」を配合して作られます。ベースオイルはその精製方法の違いによって、大きく3つに分類できます。
ベースオイルは「鉱物油」「部分合成油(または半合成油)」「化学合成油(または全合成油)」の順で不純物が少なく、分子のカタチ・大きさが均一で、高品質&高性能とされています。価格もこの順に高くなる傾向にあります。
そのオイルの大まかなスペックを判断するには、まずこのベースオイルに何が使われているかを見るといいでしょう。
鉱物油だと「Mineral(ミネラル)」、部分合成油は「Semi-SYNTHETIC(セミシンセティック)」、化学合成油は「Full-SYNTHETIC(フルシンセティック)」などと表記されることもあります。
スクーター専用!? オイルの「規格」の見方!
オイルの規格には大きく「JASO規格」と「API規格」の二つがあります。
「JASO規格」とはそのオイルの摩擦特性、つまり「滑りやすさ」を表す規格です。この規格は「MA、MA1、MA2、MB」と分かれており、「MA」ほど滑りにくく「MB」ほど滑りやすいとされています。
「MB」規格のオイルはスクーター専用と考えてほぼ間違いありません。滑りが良いほうがより動きはスムーズになりそうですが、クラッチのあるマニュアル車などは摩擦によって動力を伝えている構造が多いため、滑りすぎると故障の原因になってしまいます。
一般的なクラッチの無いオートマのスクーターはマニュアル車とは異なりエンジンの外で変速しているため、よりエンジンがスムーズに稼働する「MB」がおすすめなのです。
「API規格」とは、酸化安定性、サビにくさ、腐食のしにくさ、磨耗性、洗浄性などの多くの基準を元に、そのオイルのグレードを示す規格です。
「SA、SB、SC……」のように、Sに続く横のアルファベットが進むほどハイグレードのオイルということになります。
選び方としては、車種ごとにメーカーが指定しているグレード以上のモノを使用すれば問題ありません。
オイル特性を大きく左右する「粘度」の見方!
エンジンをスムーズに動かすためには、オイルがネバネバし過ぎずサラサラし過ぎない"ちょうどいい"状態を保つ必要があります。
オイルのパッケージに大きく書いてあるこちらの表記。
これは「SAE粘度分類」といい、エンジンオイルが正常に働く環境を表す世界標準規格です。
簡単に言うと「どの温度帯で正常に働くか」という表示です。
「W」のつく左側の数字は「低温粘度」と呼ばれ、この数値が小さければ小さいほど柔らかいオイルで、低温でもその性能を発揮できます。
この数値が低いほどエンジンの始動性が良く、燃費が良くなる傾向にあります。
右側の数値は「高温粘度」と呼ばれます。油温が100℃に達したときにどれだけ油膜が切れにくいかを示しています。
この数値は大きいほどオイル自体が硬く、熱に強いオイルと言えます。熱ダレエンジン回転数が高い多気筒のビッグバイクに向いているとされています。
粘度は硬ければいい、柔らかければいいというものでもありません。
それぞれ得意とする温度帯が限られているので、見誤ると性能の低下やエンジンへのダメージに繋がってしまいます。
基本はまずメーカーが指定した粘度を選ぶことです。これは5W-30、10W-40の指定が多いです。マイナス30℃以下になるような地域だったり、スパルタンな乗り方をしていなければメーカー指定の粘度で問題ありません。
生活の足としての利用がメインのスクーターであれば燃費・始動性を優先し、気持ち柔らかめのオイルを選択しておくというのも良いと思います。
あなたのバイクライフに最適なおすすめエンジンオイル!
ここまで、エンジンオイルの役割や表記が表す特性、その見方について解説してきました。
それを踏まえ、4つのシチュエーションにごとに最適なおすすめエンジンオイルをご紹介していきます!
「通勤通学をもっと経済的にしたい!」人にぴったりなオイルはこれ!
通勤通学など生活の足として比較的短い距離を日常的に走ることが多く、また経済性も重視したいという方には、品質間違いなしの純正ブランドオイルがおすすめ!
HONDA(ホンダ)|ウルトラE1 スクーター【10W-30】
経済性に優れたオイルで、燃費を気にされる方、より多い頻度でどんどんオイルをリフレッシュしたいという方におすすめ!HONDAの技術力が結集したスクーターオイルで、このオイルはエンジンの効率的な潤滑により、燃費を最大限に引き出すことができます。10W-30という粘度は国内ほとんどの地域の気温に対応できます。
「安心してツーリングを楽しみたい!」人にぴったりなオイルはこれ!
長い距離のツーリングにも出かけたいという方におすすめするのは高品質でフィーリングを重視したオイル!
YAMALUBE(ヤマルーブ)|Blue ver. スクーター【10W-40】
YAMALUBEの最高峰のスクーターオイルです。このオイルはスムーズなエンジン回転とパワフルな走行性能を実現し"ちょっといい"ツーリング体験と絶大な安心感を提供してくれます。多くのユーザーからは、「Blue ver」はエンジンの音が静かになり、走行時の振動も抑えられるとの評価を得ています。あなたの愛車にぜひ一度お試しください!
「ワインディングを気持ちよく走りたい!」人にぴったりなオイルはこれ!
ワインディングをより気持ちよく走り抜けたいという方には、高回転域も得意なオイルがおすすめ!
MOTUL(モチュール)|SCOOTER POWER LE【5W-40】
MOTULの技術力が詰まった高性能スクーターオイルです。このオイルは一定の速いスピードで走行し続けるケースやワインディングでの走行に適したレーシンググレードのオイルで、パワフルでスムーズな走行を実現します。高温下でも安定した性能を発揮するため、長時間の走行でも劣化が少なく、エンジンの寿命を延ばすことができます。小排気量スクーターはもちろん、600ccを超える大排気量スクーターもカバーしています。
どんなオイルを選択するかによって、走りや燃費、さらにはバイクの寿命まで、バイクの様々な性能が大きく左右されます。
乗る機会が多く、経済性も快適性も大事にしたいスクーターだからこそ、より最適なオイルを選びたいですね!
あなたにぴったりなエンジンオイルは見つかりましたか?これからも楽しいバイクライフを!
この記事にいいねする
MAが最もマニュアルバイクに向いているような図がありますが、MAを細分化したものがMA1、MA2なので誤解を招きかねない図ではないでしょうか。
まあ主役がスクーター(MB)なのでどうでもいいですが