筆者がヘルメットインナーキャップを使い始めて、もう18年以上。近年では見かける機会も増えてきましたが、まだ使ったことがないというライダーも多いと思います。さらに防寒用というイメージもあり、夏となるとなおさら必要性がわからないですよね。

ところがこのインナーキャップ、実際には夏こそ被ってほしいたいへん便利なアイテムなのです。今回はそのメリットと、おすすめしたい製品を紹介しましょう。

単純なようで進化を続ける隠れたアイテム

私が初めて手にしたのはラフ&ロード製のインナーキャップです。

さほどインナーキャップが一般的でなかった時代から、20年近いロングセラーを続けるアイテム

メーカー希望小売価格:¥1,870(税込)

ご紹介のモデルのひとつ前の「クールマックス素材」のモデルの頃から使っていました。
(現行品はスパソフト素材で、形は同じです)

当時は今のように各メーカーからさまざまな製品が発売されている時代ではなく、選択肢そのものが多くありませんでした。

【ヘルメットを被りやすくすることや、髪型の乱れを抑えること】

それだけでも十分便利なアイテムでしたが、その後、吸汗速乾素材やシームレス構造など、インナーキャップは少しずつ進化を続けてきました。

そして最近、久しぶりに「これは新しい」と感じたのが、耳まで覆うタイプのインナーキャップ。

ただ、「耳を覆うというタイプ」は存在していたのですが、より進化しています。

きっかけはAMAプロモトクロスで見たワンシーン。

Photo by Troy Lee Designs SEASON ONE | EP. 15 – SALT LAKE - YouTubeより

その存在を意識したのは、レース現場での映像。
スタート前、アルパインスターズ製の耳まで覆うインナーキャップを着用していたジャスティン・バーシア選手の姿が目に入ったのです。

「耳まで覆う必要があるのだろうか?」

最初はそう思いました。

SKULL CAP BEANIE 475827-10-OS

近頃のロードレースでは、ヘルメットのチークパッドを緊急時に取り外せるエマージェンシーリリースシステムが普及し、ヘルメットリムーバーを使用する機会は減っていると聞きます。

一方で、身体を大きく動かすモトクロスやスーパーモトでは、耳まで覆うタイプのインナーキャップを着用しているライダーを見かけます。
もちろん、その理由を断定することはできません。しかし「何か理由があるのだろう」と興味を持ったのが、この製品を試すきっかけでした。

日本で試すならパワーエイジという選択

バーシア選手が使用していたアルパインスターズ製は国内ではあまり流通しておらず、気軽に購入できる製品ではありません。

そこで試してみたのが、パワーエイジの耳まで覆うインナーキャップ。

一見して食品工場で被っていそうな雰囲気ですが…

メーカー希望小売価格:¥2,200(税込)

筆者としてはこの通りの性能を感じられて、驚きました!

実際に使ってみると、最初に感じたのは「耳まで覆われていても暑苦しくない」ということでした。
『特殊素材シリカクリン』のおかげか、「調湿機能」や「消臭機能」を備え、乾きも非常に早い。汗をかいても約1時間ほどで乾いてしまうため、休憩中も不快感が残りません。

真夏のヘルメットは「耳の汗」が盲点だった

しかし、それ以上に驚いたのは別の部分。

筆者は普段、モタード車とスクーターの両方に乗ります。
スクーターに比べるとモタード車での走行は身体を大きく使うことも多いため、汗の量もまるで違います。

これまではヘンリービギンズのシームレスインナーキャップを愛用してきました。

もう3年以上は使っていますが、思いのほか耐久性は悪くない

Webike価格:¥1,980(税込)

装着感は本当に素晴らしく、縫い目をほとんど感じさせない自然な被り心地は、まるで何も被っていないようです。
だから今でも春・秋・冬はこちらを選びます。

ところが酷暑になると、耳の周囲から流れた汗がチークパッドへ直接染み込んでしまうことがありました。

頭頂部の汗は吸収してくれても、耳は露出しています。

パワーエイジの物は耳の後ろ部分まで覆われます

今まで気にも留めていなかったこの部分が、実はヘルメット内装のベタつきの原因になっていたのです。
耳まで覆うパワーエイジを使うようになってからは、その汗を生地が受け止めてくれるようになり、ヘルメット内装の不快感が大きく減りました。

「耳の汗は盲点だった。」

これが、私が実際に使ってみて一番印象に残った感想。

バラクラバも酷暑期には見かけるスタイル。でも私には違った…

バラクラバタイプの中ではヘンリービギンズの物がいちばん薄いです

メーカー希望小売価格:¥3,410(税込)

近年は夏用インナーとしてバラクラバタイプを選ぶライダーも増えています。

顔や首まで覆えるため、日焼け対策や汗対策としては非常に優秀でしょう。
ただ、私には口元まで覆われる感覚がどうしても合いませんでした。

ロードバイクなどでは受け入れられやすいスタイルなのかもしれませんが、私が欲しかったのは「耳だけを覆う」こと。

なぜなら、所謂オフロードバイク、モタードバイクでは激しく呼吸するシーンがあり、そのためにオフロード用フルフェイスヘルメットの口元が広いという理由のひとつにあるくらいだからです。

鼻や口は開放したまま、耳の汗だけをしっかりカバーする。そのバランスが、自分のライディングスタイルには合っていました。

真夏はパワーエイジ、3シーズンはヘンリービギンズ

現在の筆者の使い分けは、とてもシンプル。

真夏のように大量の汗をかく日はパワーエイジ。

頭と額、耳だけを覆ってくれるところが良いです

春・秋・冬はヘンリービギンズ。

フィット感は抜群に良いのですが、扱いは丁寧に…

そして18年以上前にインナーキャップを使うきっかけを作ってくれたラフ&ロードは、私にとって「インナーキャップという文化」の原点でもあります。

インナーキャップは一見どれも同じように見えますが、実際には素材や形状によって快適性は大きく変わります。
だからこそ、今では「1枚をずっと使う」のではなく、「季節に合わせて使い分ける」装備になりました。

インナーキャップは「季節」で選ぶ時代

インナーキャップは決して目立つ用品ではありません。
けれど、ヘルメットを被るたびに違いを実感できる、コストパフォーマンスの高いライディングギアです。

18年以上使い続けてきて今回最も印象に残った進化は、耳まで覆うタイプの快適性でした。

とくにパワーエイジのものは「調湿」「消臭」「速乾」を明確に感じられる製品だというのも、筆者にとっては強く印象に残ったのかもしれません。

もし真夏のヘルメットのベタつきや、チークパッドの汗汚れが気になっているなら、一度試してみる価値は十分にあると思います。
そして、汗をあまりかかない季節には、軽さや装着感を重視したシームレスタイプを選ぶ。

そんな「季節で選ぶインナーキャップ」という考え方も、これからはもしかしたらスタンダードになっていくかもしれません。

18年以上前は「インナーキャップを被るか、被らないか」存在すらほぼ知られていないという時代でした。
現在では数多くのヘルメットインナーキャップがリリースされており、「どのインナーキャップを選ぶか」という時代に入りつつあるのかもしれません。

ライディングギアも、少しずつ成熟してきたのだと感じる事情のひとつかもしれませんね。

【真夏のヘルメットは「耳の汗」が盲点だった】約18年以上ほどインナーキャップを使って気付いた、新しい快適性。 画像ギャラリー (10枚)

この記事にいいねする

今回紹介した製品はこちら

コメント一覧
  1. 匿名 より:

    興味があるのですが、耳まで覆ってしまうとメガネ使用者は困るのです・・・

  2. 匿名 より:

    X-15なんかのベンチレーションが強力なヘルメットだと、風が直接頭に当たるから
    インナーキャップつけないほうが涼しいよ。

  3. 匿名 より:

    毎日、愛用しておりますが、やはり頭が痛くなるんですよね。

  4. 匿名 より:

    20年近くヘルメットリムーバー使ってる
    耳が大きいのでリムーバー無しだとヘルメット脱着する時に引っかかって折れ曲がって痛いんだよね
    耳まで覆うインナーキャップは被るときはいいんだけど脱ぐ時に引っかかる
    結局リムーバーに戻ってしまった

コメントをもっと見る
コメントを残す

今回紹介したブランドはこちら