【PR】ダイナモト 文:栗田晃

オーストラリアで開発された「ダイナモト」は、既存のバイクスタンド像を塗り替えたユニークで画期的な製品だ。最大の特長はバイクにスタンドを掛けた状態で前後左右に移動できる点。そしてこの発想を支えているのが高い耐荷重性能を持つ樹脂ホイールである。一度セットすると移動することができないという当たり前を脱却し、ダイナモトで手にすることができる移動の自由が、ガレージライフの充実に役立つのは間違いない。

リフトアップした車体を「動かす」新しい視点から生まれたダイナモト

オフロードタイヤのようにも見える、直径が大きな樹脂製ホイールが個性的なダイナモト。リアスタンド本体の税抜価格は62,500円で、画像のボビン仕様のレースフックアウトリガーは税抜16,500円。

オーストラリアで生まれたバイク用スタンド「ダイナモト(Dynamoto)」は、従来の“車体を持ち上げて固定する器具”というスタンドの概念に、新しい視点を持ち込んだ製品として知られている。

昨今のバイクの多くがセンタースタンド(メインスタンド)を持たず、サイドスタンドのみを装備する仕様となっており、ドライブチェーンの清掃や注油といった日常的なメンテナンスを行う際にもレーシングスタンドやメンテナンススタンドなどと呼ばれる、スイングアームをリフトアップするバイクスタンドを使用しなくてはならない。

ただ、バイクスタンドを使用することでメンテナンス性が向上し、車体が直立することで保管時のスペース効率も向上するのは、スタンドを利用するユーザーにとっては利点となる。

しかしながら、既存のバイクスタンドの目的は「支える」ことであり、一度決めた場所から動かすという発想がなかった。そんな旧来の固定観念を破壊したのがダイナモトだ。最もユニークなのは、「支える」だけでなく「動かす」ことを前提に設計された点。

これまでのスタンドでリフトアップ位置が悪ければ、一旦スタンドを外してバイクを移動して、もう一度スタンドを掛け直さなければならなかった。もしリアタイヤを外した後だとスタンドを外すこともできず、不便さを我慢するしかなかった。

ところがダイナモトを使えば、リフトアップしたバイクを降ろすことなく、スタンドごと押して移動できるのだ。ビッグバイクになるとスタンドの上げ降ろしにも力を要するため、ダイナモトから降ろすことなく位置を変えられる恩恵はとても大きいことは、日常的にバイクスタンドを使用しているライダーなら誰もが理解できるだろう。

耐荷重性能に優れた樹脂ホイールで自由な移動を実現

ダイナモト最大の特徴である特殊ホイール。特殊といっても専用品というわけではなく、空港貨物運搬台車用として実績のある製品を採用している。3列のタイヤで1セットとなっており、それぞれのタイヤに装着された8個の樽形ローラーはタイヤの回転方向と直交して回ることができる。そのため前後だけでなく斜めや真横にも移動できるのだ。自在キャスターの場合、ホイール回転用と首振り用の2本の軸が必要だが、このホイールは回転軸1本だけなので構造がシンプルで強度も高く、キャスター特有の最初に押し出す時の引っかかりもない。

バイクをリフトアップした状態で移動するため、ダイナモトはカギを握るホイールにバイク業界とは異なるジャンルの技術を活用している。

決定的に異なるのは、一般的な自在キャスターではなく、高剛性の360度回転ホイールを組み込み、スタンド自体が荷重を受けた状態で滑らかに移動できる点にある。

空港などで使用されている重量物の運搬用台車用として充分な実績を持つ特殊な樹脂ホイールは、3枚の円盤を重ね合わせた構造で、それぞれの円盤の外周に8個の樽型ローラーが配置してある。

円盤自体はホイール中心のシャフトによって回転しつつ、外周の樽型ローラーは円盤と直交する方向に回転することで横移動にも対応できる。

前後方向の移動はホイール自体が回転し、横方向の移動は樽型ローラーが回転することで、どの方向への移動もスムーズにできるのがこの樹脂ホイールの最大の特長だ。

元々重量物運搬用に開発されたホイールだから、バイクの車重程度ではビクともしない耐荷重性能があり、自在キャスターのようなベアリング支持部やピボット部分がないため、長期間に渡る耐久性にも優れている。

大型スーパースポーツや1000cc級ネイキッド、重量級アドベンチャーモデルなどは、押し引きや切り返しに相応の力を要するため、狭いガレージでは取り回し自体が負担になりやすい。ダイナモトは、この取り回し負荷を機械的に低減するため設計されており、10年という長期保証付きで販売されている点にも耐久性に対する自信がうかがえる。

多様なスイングアームに取り付けできるよう豊富なアタッチメントを用意

新製品のアウトリガーは、スイングアームのV型スタンドフックに対応したボビン(スプール)付き仕様。反対側はスイングアームに付いたボビンに対応する形状で、2WAYで使用できる。

ボビン付きアウトリガーを使用する場合、バイクのスイングアームにV型スタンドフックが付いていることが前提となる。ホンダCB1000Fのスイングアームにはボビンを取り付ける雌ネジがないので、市販のスタンドフックを後端に取り付けた。

サイドスタンドで停車しているバイクを直立させて、左右のボビンをスタンドフックにしっかり掛ける。

ダイナモト後部のハンドルを押し下げてバイクをリフトアップしたら、Rピンを引き抜いてハンドルを取り外す。

取り外したハンドルをスタンド前方のボスに差し込みRピンでロックする。

このハンドルがストッパーとなり、ダイナモトが不用意に外れることを防止する。

ボビンとスタンドフックのセット状態を確認する。前後左右に押し歩くためには、しっかり掛かっていることが重要だ。

フロントタイヤを支点に、車体後部で円を描くように移動することができる。狭い隙間に効率的にバイクを収納する時に、この動きが絶大な効果を発揮する。

ハンドルを何度も切り返すことなく、一発で壁際にベタ寄せできる。

スタンドを掛けた状態で移動できるのがダイナモトの美点だが、押し歩きの途中でスタンドからバイクが外れると大きな事故につながる。

そのため、ダイナモトを使用するにはスイングアームにボビン(スプール)を取り付け、ダイナモトのアウトリガー(フック)を確実に掛けることが必要。片持ちスイングアーム車には、貫通ホイールハブに差し込めるスピンドルを備えた片側リアスタンドが用意されている。

またここで紹介する話題のニューモデル、ホンダCB1000Fのようにスイングアームにボビンが取り付けられない車種でダイナモトを使いたいユーザーのために、アウトリガーにボビンを取り付けたレースフックアウトリガーセットも発売開始された。これにより、スイングアームに市販のV型フックを取り付ければ、ダイナモトを安心して使用できるようになる。

また、重量車を載せて押し歩く際の安定性や安全性に配慮して、フレーム素材のパイプ径を太く、剛性が高くなるよう設計しているのも注目すべきポイントだ。このためスタンド本体がしなることなくスムーズに移動できる。
ダイナモトを活用することで、ガレージ内での移動で車体を大きく傾けたり、ハンドルを何度も切り返すことなく、車両姿勢を保ちながら向きを変えられる。この点は、特に高価な車両やハンドル切れ角が少ないフルカウル車で重要で、取り回し中の立ちゴケや壁・棚への接触リスク低減にもつながる。

新たな機能によってバイクスタンドの魅力を大幅にアップしたダイナモト

こちらはリア用スタンド。スイングアームのスプールでリフトアップする既存品で、スプールは別売り。スイングアームにスプールをマウントするナットが付いていない車種でアクスルシャフトが中空の場合、貫通シャフトの両端にスプールが付いた別売アクセサリーも用意されている。リアスタンドの税抜価格は6万2500円。

フロント用スタンドはリア用を掛けた状態で使用するため、単品では購入できない。フロント&リアのセット価格は税抜9万5000円。

リア用だけでも機能するが、フロント用を併せて使うことで360°回転も可能で、斜め方向への移動も余裕。まさに画期的なスタンドだ。

ダイナモトは「整備のために浮かせる」従来型スタンドの延長ではなく、「保管と移動、整備を一体化させた機能性スタンド」として位置づけられる製品である。

バイクをただ停めるのではなく、限られたスペースで効率よく扱い、必要に応じて自由に向きを変える。そうした複数の機能を一つの構造にまとめ上げた点に、ダイナモトの本質がある。こうした発想の転換こそが、多くのガレージユーザーやハイエンドバイクオーナーから注目を集めた理由であり、最大の価値と言って良いだろう。

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