【PR】Brembo Japan 文:栗田晃

30mm程度のブレーキレバーの引きしろと、1mm以下のキャリパーピストンストロークで機能するバイクのブレーキシステム。そんな微細な動きの中で、ゼロからフルブレーキングまで繊細なコントロール性を与え、世界最高峰のバイクレースであるMotoGPにおいてすべてのマシンがブレンボを装着する事実こそが、モータースポーツ界で60年以上に渡ってブレンボの技術力である。東京モーターサイクルショー2026で公開された「GP4-MotoGP」は、MotoGPテクノロジーをフィードバックしたレーサーレプリカキャリパーである。

OEMからMotoGPまでブレーキシステムに幅広く関わるブレンボ

これは今年の東京モーターサイクルショーのPLOTブース内の展示で、4月10日(金)~4月12日(日)の名古屋モーターサイクルショーでも同様の展示が見られる。

法定速度60km/hで走行する街乗りでも、最高速度340km/hを超えるMotoGPマシンでも、車速をコントロールできるのはブレーキだけだ。ブレーキには車速をゼロにするだけでなく、必要な時に必要なだけ速度を落とす制動能力が求められる。
ビギナーライダーはブレーキをON/OFFスイッチのように使いがちで、いわゆるカックンブレーキになりがちだ。しかしスキルが上達するにつれてブレーキレバーを握る力をコントロールできるようになり、その結果繊細なブレーキングができるようになる。
その最たるものがMotoGPのブレーキングだろう。長いストレートでは300km/h以上に達するマシンをコーナー手前で100km/h以下まで減速する際、スリップダウンを喫することなくできるだけ短時間で強いブレーキング力を得るには、強力な制動力はもちろんライダーの指先に呼応するレスポンスと入力の強弱をリニアに反映する繊細さが不可欠。
ブレンボは常にそうした厳しい環境で切磋琢磨することで、世界を代表するブレーキメーカーへと成長した。F1、MotoGP、WSBKといった舞台で鍛えられた技術は市販車用製品にもフィードバックされ、世界各国で市販車向けのOEM供給や補修部品としてブレーキパッドの販売も行っている。

ヤマハYZF-M1に装着されたレース用キャリパーとカーボンディスク。レースサーキットや天候、路面コンディションに応じてディスクサイズや熱容量を調整する。

ホンダRC213VのキャリパーはGP4-MotoGPと同様のフィンが装備されている。

カスタムやリプレイスなどアフターマーケット向けのラインナップも豊富に揃っている。

性能も価格も最高峰!! GP4-MotoGPキャリパーはここがスゴい!!

【GP4-MotoGPキャリパー 990,000円(左右セット)30mm同径4ピストン 取付ピッチ 100mm/108mm】
ドイツの「レッドドット・デザイン賞」で2024年Best of the Bestを獲得したGP4-MotoGPキャリパー。この賞は世界で最も栄誉あるデザインコンペティションの1つで、約70年の歴史がある。

ブレンボのアフターマーケット向けキャリパーの中で、ハイグレードを意味するGP4シリーズの最高峰モデルとして登場したのがGP4-MotoGPだ。
本体が鋳造かCNC削り出しか、構造はモノブロックか2ピースかなど、ピストンの数が同じでもキャリパーにはさまざまな種類があり、GP4-MotoGPはCNC削り出しモノブロック構造を採用している。
アルミニウム素材を鋳型に流し込んで成形する鋳造に対して、アルミインゴットを切削加工で成形する削り出しは素材が均一で精度が高く、緻密な機械加工による軽量化が可能という利点がある。
ただCNC削り出しモノブロックというだけなら、既存のGP4-MSも同様の構成である。GP4-MotoGPが最高峰たる理由は以下の点にある。

MotoGPマシン譲りのパッドアバットメント

ブレーキを掛けるとボディの傾斜に沿って斜めにせり上がるパッドが、ローターに食い込むように作用して大きな制動力を発揮する。

ブレーキキャリパーに装着されたブレーキパッドは、ピストンによってまっすぐ押し出されてブレーキディスクに接触するのが一般的だ。
ところがGP4-MotoGPは、キャリパーとパッドの接触部分が斜めになっており、ピストンが押し出したパッドは斜めにせり出してブレーキディスクに接触する独自のメカニズムを採用。
ブレンボは、ブレーキパッドが正しい位置や姿勢を保つための思想(パッドアバットメント)を重視したキャリパー設計を実践する中で、ブレーキディスクに接したパッドがまるでクサビが食い込むかのように強い制動力を発揮する「斜めパッドアバットメント」を採用。
機械的倍力装置とも言える斜めパッドアバットメントは市販キャリパーでは初の技術だが、既にMotoGP用キャリパーで実用化され実績を上げているもので、その効果は実証済みだ。

2枚のパッドの端部とキャリパーボディの接触部分が斜めになっていることが分かるだろう。これがGP4-MotoGPの特徴である斜めパッドスライドだ。

パッドを瞬時にリリースする専用スプリング

ブレーキ動作をリリースすると、専用の特殊スプリングがパッドを戻し引きずりを防止する。

斜めにスライドしたパッドが、回転するブレーキディスクに触れると同時に食い込むように強い制動力を発生するというのは、キャリパーとパッド当たり面の斜め加工を見れば納得できる。だがブレーキレバーから指を離した後、パッドがスムーズに戻るのか? という疑問もあるだろう。
これに対応するためにブレンボが開発したのが、ブレーキパッドに掛かる力=キャリパーピストンが押す力が抜けると同時にパッドを元の位置まで戻す専用スプリングである。
そもそもキャリパーピストンはピストンシールの弾性変形によって戻るため、パッドスプリングの主たる役目はパッド位置の保持やブレーキ鳴きの抑制、パッドの当たり安定化などに限られてきた。
だがGP4-MotoGP用パッドスプリングは機械的な力によってディスクからパッドを離すことでレバーリリース時の引きずりを排除しているのも注目ポイントである。

穴あきピストンとフィン付きボディによる放熱効果アップ

MotoGP用ブレーキも採用するラジアルドリル加工が特徴的なキャリパーピストンが放熱効果アップに貢献する。

レースで使用されているカーボン製ブレーキディスクは、市販車用のステンレスディスクより遙かに高温で使用される。その作動温度域は一般的に300~800℃とされ、それ以下になるとむしろ効かなくなるというから、温度を下げないことが重要なのだ。
カーボンディスクには温度が必要である一方、ブレーキキャリパーにとって過熱は懸念材料となる。
最大の支障はブレーキフルードの温度上昇だ。MotoGPでも使用されているブレンボ製レーシングブレーキフルードLCF-600プラスのドライ沸点は316℃で、一般的なDOT5規格品より高温性能が高いものの、なるべく熱伝導を軽減したい。
そのためGP4-MotoGPのアルミ製キャリパーピストン端部には、全周にわたり放熱用の穴加工(ラジアルドリル加工)が施されている。この穴あきタイプのレーシングピストンはMotoGP用ブレーキにも採用されており、表面積の増加による放熱効果アップが裏付けられている最先端の技術である。
さらにキャリパーボディには走行風に加えてタイヤの回転によって発生する空気の流れまで計算して設計されたフィンが設けられており、カーボンディスクのみならずステンレスディスクでも高い放熱効果を発揮する。

左右セットで990,000円のプライスも超弩級

MotoGP用キャリパー向けの最新技術を積極的に採用したGP4-MotoGPは、左右セットで990,000円という価格が設定されている。従来のトップモデルであるGP4-MSが左右で517,000円であるのと比べて格段に高価であることは間違いない。
だがGP4-MotoGPにはMotoGP直系という大きな価値と性能がある。レースユーザーはもちろんストリートカスタムでも最高峰を目指すユーザーにとって垂涎の的となるだろう。

軽さと強さ、カラーバリエーションも魅力のHYPUREとGP4-RS(アナダイズドブラック)も新登場

【HYPUREキャリパー 左右セット85,800円(表面処理:アナダイズドチタニウムグレイ・アナダイズドナチュラルカラー・アナダイズドゴールド)
左右セット116,600円(表面処理:ペイントイエロー・ペイントブラック・ペイントレッド)30mm同径4ピストン 取付ピッチ 100mm/108mm】

【GP4-RSキャリパー 左右セット143,000円 表面処理:アノダイズド=アルマイト 取付ピッチ 108mm】

鋳造モノブロックのHYPURE(ハイピュア)、GP4-RS(アナダイズドブラック)も東京モーターサイクルショー2026に登場した新製品である。
2023年に開催されたミラノモーターショー(EICMA)で初公開されたHYPUREは、市販車にもOEM採用されているSTYLMAのバージョンアップモデルとなる。
ハードなブレーキングに必要な剛性を維持しながら、マウント部からの全高を抑えることでコンパクト化を図り、キャリパー単体で10%の軽量化を実現。非対称デザインやペイントとアルマイトによる6色のカラーバリエーションもHYPUREならではの魅力で、カラーコーディネイトの点でもカスタムユーザーから注目を集めるはずだ。
これまでアナダイズド=アルマイトによるチタニウムカラーで販売されてきたGP4-RSに新たに加わったアナダイズドブラック仕様は、ペイント仕様とは異なる(塗膜の厚みのない)引き締まったフォルムが魅力で、カスタム車の足周りを引き締める効果がある。

HYPUREは制動時に発生する熱をキャリパー全体から素早く放熱する高度な熱伝導性により安定したブレーキ性能が持続し、安心してライディングに集中できる。

CNC削り出しに比べてリーズナブルな鋳造モノブロック構造ながら、MotoGP由来の冷却フィンによる高い放熱効果がGP4-RSの特長だ。

キャリパー+ディスク交換でトータルカスタム

ブレーキキャリパーだけでなく、ブレーキディスクも交換することでブレンボが提唱するブレーキパフォーマンスをトータルで体感できる。

ブレンボといえばブレーキキャリパーの印象が強いが、ブレーキディスクもさまざまな製品を販売している。
フロント用はストリートからサーキットまで使用可能なフルフローティングタイプのUPGRADEと、ストリート向けセミフローティングとリジッドディスクのSERIEORO、リア用にはストリート向けリジッドのSERIEOROが用意されている。
さらにUPGRADEはフローティング方式とデザインの違いでT-drive、groove、supersportの3タイプがあるので、好みに応じて選択できる。

ユニークな非対称デザインが個性的なCNC削り出し2ピースタイプの484cafe racerキャリパーと、一般的な丸型ピンに代わる8本のT字型ピンでベル(インナーローター)とアウターをつなぐ革新的なT-driveディスクの組み合わせ。

リアキャリパーはCNC削り出し2ピースタイプのGP2-CRを装着。かつての定番モデルP2.34の鋳造2ピースに比べて切削ならではのシャープなエッジが特徴。

ブレーキディスクは上列右からUPGRADEのgroove、supersport、T-drive、下段はSERIEOROフロント用とリア用。純正リプレイス設定なので、ディスク摩耗時の交換用として装着できる。

パッド交換でもブレンボのブレーキパフォーマンスを体感できる

バックプレートの形状から分かる通り、各バイクメーカーの純正キャリパーに対応する製品をラインナップしているSERIEOROブレーキパッド。コンパウンドによってバックプレートの色を変えている。

ブレンボはブレンボ以外の車両メーカー純正キャリパーに対応するSERIEOROブレーキパッドも販売している。パッド素材はシンタードからカーボンセラミックまで幅広く、レーシング、ロード、オフロード、スクーターといったカテゴリーごとに最適なコンパウンドを設定。
純正キャリパーと純正ローターの組み合わせで、パッドのみブレンボ製を装着しても明確な違いが感じられるので、アフターマーケット製品ページから検索していただきたい。

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