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エンジンのトルク不足をカプラーオンで解消するアイテムとして人気沸騰中のTERAMOTOの「EZ+plus(イージープラス)」。トルクやパワー不足を顕著に感じる小排気量モデルを中心にラインナップしているが、実はビッグバイクでも大きなメリットを発揮するという。
2025年12月からEZ+plusにはZ900RS用もラインナップされ、オーナーらは、このパーツの装着で変化する乗り味について話題が持ちきりなんだとか。EZ+plusがビッグバイクにもたらす多彩なメリットを探ってみる。
目次
カプラーに差し込むだけでエンジンは見違えるようにスムーズに?
エンジンがパワー、トルクを最大限に発揮するためには、アクセルを開けた量に対して最適な量のガソリンをエンジンに送り込まなければならない。この際、エンジンは排気ガスの濃度など、様々な情報をもとにECU(コンピューター)がガソリンの噴射量をコントロールしている。
しかし、近年においては燃費性能や環境への配慮といった要素が重要視されていて、市販車の中低回転域での燃料噴射量は低く抑えられている。そのため、例えば坂道であったり、重い荷物を積載している際などは、加速しようとアクセルを多く開けたところで、ガソリンの噴射量はそれに伴い増えずにトルク不足を感じてしまう。特に小排気量エンジンの場合、その感覚はより顕著に表れる。
そんな不満を解消するのがTERAMOTOが開発したEZ+plusで、アクセルの開度に合わせ適切な燃料調整をしてくれるようになる、秀逸なカスタムパーツだ。
EZ+plus(イージープラス)

EZ+plusは、不足するガソリン噴射量を適正量に補正するユニットだ。この製品を開発、販売するTERAMOTOは、実用的なアクセル開度領域、つまり低中速でのガソリン噴射量を適正化することで、パワー、トルクアップを図っている。尚、アクセルの開度が小〜中域でのみ作用し、アクセル全開域では補正を行っていない。なぜ全開域で作用しないのかを寺本代表に聞いたところ、以下の回答を得られた。
「純正マップはアクセル約90%以下はクローズドループで補正(排ガス対策マップ)されています。90%以上ではオープンループとなり補正されていないフルパワーマップになります」
つまり、アクセル90%以上の全開域は補正する必要がない、ということだ。
EZ+plusはマフラーに取り付けられるO2センサー(排気ガス中の残存空気濃度を測定する)、やAFセンサー(空燃比を測定する)とスロットルポジションセンサーの間に介入させることで、燃料噴射量を電気的に補正。その装着も、既存のハーネスに接続するだけという簡単な仕組みとなっている。簡単に装着でき、低コストで確実なトルクアップを体感できるアイテムなのだ。
その開発は、TERAMOTOの大西博規専務が中心となり、協業するエンジニアとともに多様な状況下でのテストを実施。同社代表で、国際ライダーの寺本幸司もテストライダーとして開発に参加している。
さまざまな車種の特性を探り、そのモデルに最適な補正値を設定する。左側がTERAMOTO代表の寺本幸司さん。右が専務の大西博規さんだ。
エンジン特性の変化によって、その走りも大幅に改善する。
小排気量車で多大なメリットをもたらすEZ+plus。TERAMOTOはこれまでに小型車、中型車向けの製品を中心に展開してきたが、実はビッグバイクにも大きなメリットをもたらしてくれる。
現在はZ900RS用、ZRX1200DAEG用のEZ+plusが製品化されており、今後もさらに車種を増やしていくという。現在は話題沸騰中のニューモデル、CB1000F用も鋭意開発中だ。
ところで同社は全国のパーツ量販店などでEZ+plusや、やはり同社の代名詞的商品のT-REV(クランクケース減圧バルブ)をPRするイベントを開催しているが、その際に展示だけではなくEZ+plusを装備したZ900RSを試乗車として用意している。2025年11月に愛知県の量販店、しゃぼん玉で開催されたイベントでは、多くのZ900RSオーナーが参加して同社のデモ車を試乗し、EZ+plusの効果を体感した。
「多くのお客様から『乗りやすくなった』、『操安性が向上している』といったお声をたくさん頂きました。弊社のZ900RSは乗りにくいと言われている初期型で、足回りやブレーキ周りも純正のままなんですが、中には『わからないところで足まわりもカスタムしているんでしょう』なんてことも言われました。操安性が向上した理由は、EZ+plusによって中低速域のトルクが向上し、アクセルによる加減速に対してスムーズにトルクが上がり、急な動きがなくなったからなんですね。そのためサスペンションがアクセル操作に正確に追従してくれるんです」(寺本代表)
エンジンの扱いやすさだけではなく、車体の動きをもスムーズにする効果にZ900RSオーナーらは驚き、その場で購入を決めた人も少なくなかった。同社のその日の売り上げは、これまでの実績を大きく上回る過去最高を記録したという。
Z900RS 2018年-2025年モデル用 EZ+plus(AFセンサー用)税込46200円
車体、サスペンションが持つ本来のポテンシャルを、EZ+plusが呼び起こす
幾度となく納得のいくまで実走行テストを繰り返す。さまざまな乗り方を試し、エラーコードがでないように入念に開発テストをする。
TERAMOTO代表の寺本幸司さん自身、長らく鈴鹿8耐をはじめとする著名なレースで活躍してきたライダーということもあり、エンジンのパワーアップよりも、その過渡特性(かどとくせい)が安定した速さ、そして疲労の軽減につながるということを熟知している。
過渡特性とは、加減速時、ギアチェンジ時など、回転数やトルクが一定ではない状況での性能、応答性を表す言葉なのだが、EZ+plusの開発において、同社はこの点を特に重視している。特に中・大排気量車の場合、もともとパワー、トルクが十分にあるために、発進時や低速時などは慎重にアクセル操作をしないと、ライダーの予想以上に唐突に加速するような症状が起こり、車体の動きもギクシャクし、コントロールをしづらい場面がある。
これはつまり過渡特性が悪い状況ということになる。しかし、EZ+plusは、アクセルの動きに対してエンジンはリニアに、かつスムーズに反応、結果、過渡特性が良くなったことで、車体の挙動も素直かつスムーズになり、乗りやすくなる。
「乗り心地が悪い」「疲れやすい」といった悩みを抱えているライダーは決して少なくはない。より乗りやすくて疲れないバイクにするために、中にはサスペンションの交換などを検討中という人もいることだろう。確かに足まわりの見直しで乗り心地は向上するだろうが、EZ+plusのみを装着するだけでも、乗り心地は驚くほど変化することも確実で、足まわりのカスタムよりも安価に変化を楽しめる。
少しの隙間があれば収まるほどの大きさで、取り付け位置に困ることはない。
Z900RSへの装着方法
全国を飛び回る、TERAMOTOのデモ車
開発中のクランクケース圧を電子ポンプで減圧するT-REVの新型
CT125ハンターカブ(JA65)用 EZ+plusなども続々と登場
現行モデルのハンターカブ(JA65)用のEZ+plusもすでに販売されている。他にも【JB04】DAX、【JA60】クロスカブ、【JB03】モンキー、【KF54】ADV160、CBR250RR用が発売されている。さらに話題のCB1000F用も開発中とのことだ。今後のさらなる車種展開に期待したい。
CT125ハンターカブ【JA65】。前モデルのJA55はO2センサーなので、すでにラインナップ済みだ(どちらも税込3万9600円)。
ハンターカブにもT-REVが装着できる。こちらは小型車専用のT-REV mini SPキットだ(税込2万3100円)。JA65用、JA55用の2種類がラインナップ。両方とも同じ価格だ。
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O2センサーから受けた情報をもとに燃料補正を行う純正システムの範囲内で補正量を増やす。補正量の変更も可能。まずは裏ブタを外してスライドスイッチにアクセスする。
製品左下にスイッチがふたつある。上の写真のように、2つのスライドスイッチが数字側だと純正状態。下の2つの写真のようにHi、LOWモードを加え3つのモードを選択可能だ。
Z900RSの場合、1のスイッチがON側、2のスイッチが数字側の状態がHiモード(補正量大)。この状態で出荷される。
こちらはLOWモード。それぞれのスイッチ位置が上下逆となる。両方のスイッチを数字側にすれば純正状態に戻すことができる。
取り付けは専用のハーネスをカプラーに差し込むだけ。ただし、タンクをとり外す必要がある。説明書が付属するが、バイクいじりに慣れてるライダー以外はショップに依頼する方が安心だ。
専用ハーネスを差し込むのはギアポジションハーネス。3つあるカプラーの一番下の6極カプラーだ。
ギアポジションカプラーにグレーの専用ハーネスを介入させる。さらに同製品の黒いカプラーをO2センサーの配線にも割り込ませる。
専用ハーネスをメインユニットに接続して取付完了。
TERAMOTOが体感試乗に用意しているZ900RS。EZ+plus、T-REV、クイックシフターEZ-SHiFTERを装着してあり実際に試乗し体感できる。エンジンに関してはフルノーマルだ。
デモ車のハンドルポストに注目してほしい。EZ+plusのON/OFFスイッチを配置し、その違いをワンタッチで体感できるように特別に改造してある。
もちろんTERAMOTOの代表製品の、クランクケースの内圧をワンウェイバルブで排出するT-REVαも車体右側に装着されている。さらに左側には電子ポンプで減圧する次世代T-REVを装着し、開発テストを行なっている。
マシニングセンターによって削り出されたT-REVのパーツ。
奥にある円筒を手前の状態にまで削り出し、さらにリードバルブやカバー側のパーツと組み合わせて完成となる。
TERAMOTOでは自社で開発から製造までを一貫して行っていて、工場内には切削用の大型機材も導入している。

































