サイン・ハウスは2月27日、バイク用インターコム「B+COM」シリーズの新たなフラッグシップ「7X EVO(セブンエックス・エボ)」の発表会を東京・汐留で開催した。新たな通信システムやパイオニアと共同開発のオーディオ技術を搭載し、8年ぶりのフルモデルチェンジをとげた本機はサイン・ハウスの気合いも満載。当日の模様をレポートしよう。

8年ぶりの刷新に込めた思い

B+COM 7X EVO 価格:5万9400円(税込) 発売予定日:3月27日

発表会の冒頭では、サイン・ハウス代表の新井敬史社長が登壇。2008年に初代モデルを発売して以来、ライダーが楽しく安全に走れるよう開発を続けてきたB+COMの歴史を振り返った。

新井氏は2017年に「B+LINK」という接続方式とともに登場した前作・SB6Xシリーズから8年の歳月が流れたことに触れ、「その間、研究開発を続けてきて、ようやく、もっと楽しく、もっと便利で、皆様に喜んでもらえるモデルを新たに発表できる」と挨拶。最新技術を惜しみなく投入した「7X EVO」への自信を覗かせた。

サイン・ハウス 新井敬史社長

最大20人&オンライン通信を備える「B+FLEX」

フルモデルチェンジにおける最大のトピックは、新世代の通信方式「B+FLEX(ビーフレックス)」の採用だ。7X EVOの商品企画を担当したサイン・ハウスの柴原浩志氏によれば、従来「B+LINK」の数珠繋ぎ方式から、網の目状に通信網を構築するメッシュ通信へと進化し、最大通話人数も6人→20人へと一気に拡大した。

この「B+FLEX」には大きく2モードがあり、「オープンチャンネル」はペアリング操作が不要で、人数無制限でグループ通話が可能なモード。もう1つの「プライベートチャンネル」は専用アプリのQRコードを読み取るだけで簡単にグループ編成でき、最大20人が通話可能となるモードだ。

さらに距離が離れたり、障害物などでメッシュ通信が切断した場合も、スマートフォンのネットワーク回線を利用した「オンライン通話」に自動で切り替わり、通信圏内に戻れば再びメッシュ通信へシームレスに復帰する「アクティブスイッチ機能」を新搭載。携帯圏内であれば理論的には“通話が途切れない”仕組みを実現している。

新通信方式「B+FLEX」の採用で、最大通話人数は6人→20人へと大幅増。接続もよりスムーズに。

メッシュ通信とオンライン通信をシームレスに切り替えることで、物理的な距離があったり、遮蔽物に遮られても途切れない通話を実現。

サイン・ハウス 製品本部 企画部 企画課 柴原浩志氏

既存B+COMとの接続ももちろん可能

となると気になるのが従来の「B+LINK」搭載モデルとの接続だが、「ユニバーサル接続」という機能を用いれば、7X EVOにB+LINKモデル1台を接続できるため、同じグループで会話することが可能だ(下のようなイメージ)

例)6台通話(7X EVO:3台/B+LINKモデル=SB6XR:3台)


7X EVO - 7X EVO - 7X EVO
  |    |    |
 SB6XR  SB6XR    SB6XR

ユニバーサル接続は1台の7X EVOに対し、1台のみとなる点は注意が必要だが、B+LINK搭載モデルであればグループ最大6台までは安定接続が可能だという(詳細はサイン・ハウスのWEBサイトを参照)。

パイオニアと開発の2輪専用「ライドオーディオ」を搭載

続く7X EVOのポイントが音質だ。これはカーオーディオ「カロッツェリア」ブランドを展開するパイオニアとの共同開発により、バイク専用の音響「ライドオーディオ」を実現している。

バイク走行時は風切り音やロードノイズといった環境騒音で音楽の低音がかき消されやすく、100km/hを超えるとほぼ聞こえなくなってしまう。

これを克服するために、ヘルメットという環境(特定の音が強調されたり濁ったりする)を踏まえた専用デジタルフィルターによる音響補正や、走行音でぼやけがちな音を明瞭化する技術(写真の解像度を上げるようなイメージとのこと)、低音域を人工的に付加し、脳に疑似的な低音を感じさせる技術などを採用。騒音下でも輪郭のはっきりした、迫力あるサウンドを実現しているという。

スピーカーの特性を補正することで周波数特性をフラット化し、ヘルメット内という特殊な条件下でも聞きやすい音響を実現。

再⽣するオーディオ信号から輪郭強調成分を抽出、元信号に加算することで、ぼやけがちな音の明瞭度を高めている(画像はイメージ)。

ヘルメット内だと再生に限界のある低音域を、仮想的に増強する技術を投入(左グラフ)。さらに波形の立ち上がりを制御することで、低音域のメリハリも強調している(右グラフ)。

当日は音響面を共同開発したパイオニアの小川和也氏(左)も登壇。

デザインはよりスマートに。着せ替えプレートも継続設定

さらにデザインを担当したサイン・ハウスの田村晴己氏からは、歴代B+COMが培ってきた「1面1ボタン」などの直感的な操作性を踏襲しつつ、本体下部に向けて絞り込まれた「逆テーパー形状」を採用し、ヘルメット装着時により薄くスタイリッシュに見える工夫や可倒式だったアンテナの固定化など、外観デザインについても解説が行われた

さらに好評の着せ替え用フェイスプレートは従来モデルよりデザイン面積が拡大され、ソリッドカラーやメッキ調に加え、新たに和柄やカモフラージュ柄などを含む全8種類がラインナップされる。

上:7X EVO/下:従来モデルのSB6XR。

従来モデル・SB6XRと比較すると、7X EVOは本体が逆テーパー形状となり、面構成もよりスッキリさせることで力強くスマートで、かつ新しさと先鋭感も演出。

従来から好評のフェイスプレートは全8色を用意。価格は1980円(税込)。

サイン・ハウス 製品本部 企画部 プロダクトデザイン課 田村晴己氏

徳井義実氏、風間晋之介氏、SSP青木治親氏も進化に期待

また、今回の発表会の目玉となったのが豪華なゲスト。まずは1995〜96年の世界GPチャンピオンで、現在は障害者のバイク乗車を支援する「サイドスタンドプロジェクト(SSP)」の代表理事を務める青木治親氏が登壇。

SSPの活動ではインカムによる的確な指示が不可欠で、すでにB+COMは欠かせないツールだと語る治親氏、特に全盲の方の乗車支援ではインカムが「目」の代わりとなるため、7X EVOのよりクリアな音質と途切れない通信システムには大きな期待を寄せているとコメントした。

SSP代表理事・青木治親氏

 

続いてお笑い芸人・チュートリアルの徳井義実氏と、ダカールラリー完走経験も持つ俳優の風間晋之介氏が登壇。徳井氏は芸人仲間でのツーリング中、インカム越しにボケると「面白くないのに異常にウケる」という芸人ならではのエピソードで会場の笑いを誘った。

また両名とも、ペアリング不要で通信も格段に安定した7X EVOの新機能に対し「長押しの煩わしさがないのがいい」「(通信が途切れない)この機能は本当に画期的」と性能向上を称賛した。

会場ではピンストライパーのビートン氏が制作したオリジナルフェイスプレートが徳井氏にプレゼントされるサプライズも。会場にはYouTuberやインフルエンサーなども詰めかけて、バイク用品の発表会とは思えないほどの華やかさだった。

徳井さんと風間さんはトークショー形式で登壇。

チュートリアル・徳井義実氏

俳優・ダカールラリーフィニッシャー 風間晋之介さん

徳井さんにはビートンさん作成のオリジナルフェイスプレートもサプライズプレゼント。

 

      

サイン・ハウス:https://sygnhouse.jp/

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    つまりグループの半数以上が新型じゃないと全員と会話できないってことだろ?
    「直では繋げないけど取り敢えずつなぐことは出来ます」じゃ色々制限もありそうだし
    いくら言い訳しても既存ユーザーを蔑ろにしてることは変わりない。

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