【PR】岸田精密工業 文:栗田晃

2017年に累計生産台数1億台を達成し、世界で最も多く生産されたオートバイとして世界各国で親しまれてるホンダ・スーパーカブ。現行モデルの吸気系はフューエルインジェクションとなったが、それ以前のキャブレターモデルもまだまだ現役だ。キャブ時代の最大排気量モデルである90ccのC90にも40年近くに渡る歴史があり、時代によってキャブレターの仕様も変化してきた。キャブレター燃調キットを開発製造するキースターにはC90用だけで5種類のキットがあり、幅広い年代に対応している。

ロングセラーのキャブレターいじりに重要な「キャブ号機」確認

営業回りや配達といったビジネスユースはもちろん、街乗りやツーリング、カスタムベースとしての人気も高いホンダスーパーカブ。CT110ハンターカブを除けば、C90はキャブレター時代のスーパーカブの最大排気量モデルとなる。

燃調キットにはセッティングやオーバーホールなどキャブいじりに必要な部品が「すべて」入っている。パーツリストから一点ずつピックアップして注文しなくてはならないメーカー純正部品との大きな違いだ。

車両に装着されているキャブと燃調キットの適合を確認する際に最も重要なのが「キャブ号機」である。キャブレターに刻印された記号と一致していれば、キットのパーツがすべて使用できる。

1950年代末にデビューしたホンダスーパーカブは市場の拡大と共に排気量のバリエーションが増え、50ccや70ccに比べてトルクとパワーに勝るC90はビジネスでもホビーユースでも余裕の走りを見せ、多くのユーザーに愛されてきた。
ノーマル仕様はもちろん多様なカスタムやチューニングにも対応できる懐の広さも持ち味で、スーパーカブをはじめモンキーやダックスなどに搭載された「ホンダ横型」と呼ばれるエンジンシリーズは今も高い人気を維持している。

C90だけに的を絞っても、1968年に発売されたC90から最後にマイナーチェンジされた2002年モデルまで時代によって仕様変更があり、キャブレターも細部が変わっている。キースターが開発製造する燃調キットは、純正キャブレターのセッティングやオーバーホールができる便利な製品として好評だが、キットを購入するには装着されているキャブレターの属性を明確にする必要がある。

スーパーカブはエンジンとともにキャブレターにも互換性があるため、フレームやエンジンがC90用でも、キャブレターは別モデルの部品を流用している可能性もある。特に中古車やカスタムされたカブを手に入れた際には「純正キャブか社外品か」だけでなく、キャブレター本体に刻印されている「キャブ号機」の確認も必須。

キースターは1968年に発売されたC90用、1976年のK3(キャブレター号機PB25A)用、キャブレター号機PB25D用、キャブレター号機PB48用、2001~2002年型(キャブレター号機PB5KA)用と、一般的にカブ90と呼ばれるモデルだけで5種類の燃調キットを開発している。

これらはキット内容がそれぞれ異なるため、まずはキャブ号機を確認して、それに適合する燃調キットを入手することが重要なのだ。

キャブいじりで重要なのは入念な洗浄

始動性が悪い、中速でボコつく、高速で伸びないなどエンジン不調には様々な症状があり、原因もまちまち。キャブレターが怪しいと推測してセッティング変更で対応しようという気持ちも分かるが、キャブレターを取り外して分解した際には、まず最初に入念に洗浄することが先決だ。

ガソリンが足りなければジェットサイズの拡大が必要だろうが、元のジェットが汚れてガソリンが流れづらくなっていないか? 混合気が濃いからジェットを絞りたいと思う前にキャブのエアー通路がカーボンやワニスで狭まっていないか? といった全般的なコンディションにも目を向けるべきだ。

これはセッティングだけでなくメンテナンス要素にも当てはまる。フロートチャンバー内の油面が高くなりオーバーフローした際に、フロートニードルバルブを交換するのは定石だ。だがニードルバルブが接するバルブシートに汚れが付着した状態では、新品のバルブが閉じても隙間が生じてガソリン漏れが止まらないかも知れない。

こうした状況を回避し二度手間にならないよう、メンテナンス時はもちろん、セッティングのための分解であってもしっかり洗浄を行うことが重要だ。

キャブ本体の燃料コックを通過したガソリンは、コック下部のストレーナーでゴミを濾過した後、フロートバルブを通ってフロートチャンバーに入る。濾過されたゴミはカップに溜まるのでオーバーホール時は外して洗浄する。

フロートピンを抜いてフロートとニードルバルブをセットで取り外す。フロート側に油面調整板がないので、フロートゲージで測定する油面が規定値から外れている場合、フロートとニードルバルブをセットで交換する。

ニードルバルブを外したら、綿棒の先に金属研磨ケミカルをつけてバルブシートの当たり面を磨く。綿棒先端の丸い筋がバルブシート周辺の汚れだ。清掃後にバルブシートを覗き込んで打痕や傷がないことを確認しておこう。

ジェット類を取り外したらキャブレタークリーナーで洗浄する。ジェット類を外した小さな穴からも吹き付けてボディ内部の汚れを溶かしながら落とし、クリーナー使用後はパーツクリーナーでよくすすいでエアーを通して詰まりがないことを確認する。

燃調キットがあればキャブセッティングやメンテナンスに必要な部品がすべて揃う

燃調キットのメインジェットホルダー(奥)とニードルジェット。ニードルジェットはジェットホルダーに押されてキャブレターボディに固定されていて、ホルダーを外すと簡単に抜ける。長期放置車両ではワニスが接着剤代わりになって張り付いている場合もあるので、その際はスロットルバルブを引き抜いたキャブ上部からピンポンチを挿入して押し出す。

取り付け時は先にニードルジェットを入れておいてメインジェットホルダーのネジを締めながらベンチュリー内に押し出す。ニードルジェットは取り付け方向が決まっており、先端が凹状の端部がベンチュリー内に出るようにする。

キャブレターボディのトップキャップからピストンバルブを外すと、ジェットニードルを取り外すことができる。画像にはないが、スロットルスプリングでニードル右側のM字型の金具を押さえることで、ニードル抜けを防いでいる。

ジェットニードルはスロットル開度1/4~3/4あたりの混合気に影響する。スロットル開度1/2あたりで走行した際にカブリ症状があればストレート系の太いニードル(SからLに)に変更し、パンチ感がない場合は細いニードル(SからRまたはRR)に変更する。

キースターの燃調キットは、純正キャブレターのセッティングやオーバーホールに必要なパーツをパッケージ化して、機種ごとに設定しているのが特長だ。具体的にはメインジェットとパイロットジェット、ジェットニードルとニードルジェット、ジェットホルダーやフロートチャンバーガスケットなど、分解整備やセッティングに必要な要素を一度ですべて手に入れることができる。

一般的な手段でキャブレターの内部パーツを購入する際は、パーツリストからメインジェットやフロートチャンバーガスケットなど必要なパーツの部品番号をピックアップして注文しなくてはならない。そのためには、まず最初に自分が乗っているバイクのパーツリストを入手しなくてはならない。だが先に述べたように、フレーム番号を頼りにパーツリストを用意しても、実際の車両に装着されているキャブレターが車体とマッチしているかは分からない。

これに対して燃調キットはC90という車種名に加えてキャブ号機で識別できるため、より正確に必要なパーツを入手できるのも大きなメリットである。

ジェットやニードルはもちろん旧車用キャブにとってありがたいゴムパーツ

キースターの燃調キットは、純正パーツには設定のないスタンダードサイズと異なるジェットやニードルが入っているのが特長だが、同時にパイロットスクリューやOリングなどオーバーホールの必需パーツが揃っているのも見逃せないポイントだ。

フロートチャンバーはもちろん、燃料コックやストレーナーやインシュレーターなど、スーパーカブ90のキャブレターは、多くの部分にガスケットやOリングを使用している。

それらは経年変化によって硬化し、一度外した部品を再使用すると気密性が確保できず不調の原因になることもある。それだけに燃調キットでそれらのゴムパーツを新品に交換するメリットは大きいのだ。

また作業を行った2001~2002年型は当時のホンダ車が多く採用した、国内の排出ガス規制に適合させるため頂部がD型になった独特なパイロットスクリューを使用している。これはユーザーが安易に調整できないようにするための対策だが、パイロットスクリュー自体はアイドリングからスロットル低開度領域のフィーリングを左右する重要な役割がある。そこでキースターでは、燃調キット内のパイロットスクリューの頭部をマイナス溝とすることで、一般的なドライバーで容易に調整できるようにしている。

こうした点も、キャブレター車のコンディションを良好に保つためにありがたい配慮と言えるだろう。

パイロットスクリュー調整はキャブセッティングにとって重要であるとともに、排気ガス中のCO/HC値への影響も大きいため、高年式モデルではユーザーがむやみにいじらないよう通常のドライバーが使えない頭部形状を採用した例もあった(左)。キースターでは一般的なマイナス溝のパイロットスクリューにすることで(右)、必要に応じたセッティングを可能にしている。

燃調キットのパイロットスクリューにはワッシャーとOリングが付いているので、それらを組み込んだ上でスクリューを取り付ける。スロットルバルブ全閉のアイドリング時はエンジンの吸入負圧が最大になる。パイロットスクリューは吸入負圧の影響を受ける場所にあり、ネジ部分を通じて外気を吸う二次空気吸い込みの原因となることもある。そのため、スクリューの先端部分のOリングでシールするのだ。

先端のテーパー部分がロックするまで軽く締め付け、そこから戻して調整する。戻し回転数は1・1/2~2回転の間で設定されていることが多い。それより締めるとアイドリング時の混合気が減少し(混合比が薄くなる)、緩めると増加する(混合比が濃くなる)。3回転以上戻さないとアイドリングしないようなら、現状のパイロットジェットが小さすぎる可能性があるので、番数を大きくする。

フロートチャンバーとキャブレターボディの合わせ面からのガソリン滲みや漏れは、旧車や絶版車でありがちなトラブルだ。その理由は経年変化によるガスケットの痩せ。燃調キットには弾力充分のガスケットやOリングが付属しているので、ガソリン漏れをシャットアウトできる。

キャブの不調を感じたら燃調キットを用意してから作業を開始しよう

エンジンや吸排気系がノーマルなら、まずはスタンダードサイズのジェットやニードルを装着してテストしてみよう。パワーフィルター装着やマフラー交換をしていても、セッティング変更が必要か否かはエンジンを含めた全体のバランスで決まるので、スタンダードセッティングで始動、走行してスパークプラグの焼け具合を確認してからジェット類の交換を行う。

バイクメーカーが新車を開発する際は、エンジンはもちろんエアークリーナーボックスからマフラーまですべて純正状態でキャブレターのセッティングを行っている。しかし経年変化や吸排気系のカスタムにより新車状態からバランスが変化すれば、本来ならキャブレターの再セッティングも必要だ。

ただ、新車を開発するバイクメーカーでは使用過程で発生する変化まで想定していないため、交換用のジェット類は用意していない。

そのため、キースターの燃調キットがキャブセッティングの必需品であるパイロットジェットやメインジェット、ジェットニードルのサイズ違いを揃えているのは、大きな特長であり魅力となる。

スパークプラグを外して焼け具合を確認し、きつね色から外れた「くすぶり」や「焼けすぎ」だった場合にはエアークリーナーやキャブ本体の洗浄を行った後に燃調キットで現状に合ったセッティングを追求してみよう。

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