イタリアが誇るブレンボは、世界を代表する一大ブレーキパーツメーカーである。1961年の創業以来、F1、MotoGP、WSBKといった世界最高峰の舞台で鍛えられた技術は市販車用製品にも惜しみなく注がれ、高性能ブレーキの代名詞として多くのファンを獲得。制動力とコントロール性の高さという技術力はもちろん、機能美を追求したデザインもブレンボの大きな魅力であり、すべてを高次元で融合させることでブレーキの世界を牽引する存在となっている。新たにリリースされた2つのキャリパー、「GP4-MotoGPキャリパー」と「HYPURE」は、ブレンボの確かな技術と美的センスを実感できる革新的な製品だ。

GP4シリーズの最新モデル「GP4-MotoGPキャリパー」がいよいよリリース!!

【ブレンボGP4-MotoGPキャリパー 価格未定 5月発売予定 30mm同径4ピストン 取付ピッチ 100mm/108mm】
約70年の歴史があり、世界で最も栄誉あるデザインコンペティションの1つである、ドイツの「レッドドット・デザイン賞」で2024年Best of the Bestを獲得したGP4-MotoGPキャリパー。

 

2023年に開催されたミラノモーターショー(EICMA)での初公開以来、世界中のユーザーが心待ちにしていたGP4-MotoGPキャリパー。創業以来モータースポーツと深く関わってきたブレンボのブレーキキャリパーとブレーキディスクは、2016年以降MotoGPに参戦するすべてのチームに採用されている。

そこから得られる知見をベースに開発されたGP4シリーズはまさにMotoGP直系であり、ストリートユーザーが体験できる世界最高峰キャリパーと言っても過言ではない。

ニッケルメッキコーティングに輝くモノブロックボディには、ブレンボならではの数々のテクノロジーが内包されている。

●強力な制動力を生み出すパッドアバットメントと専用パッドスプリング

2枚のパッドの端部とキャリパーボディの接触部分が斜めになっていることが分かるだろう。これがGP4-MotoGPの特徴である斜めパッドスライドだ。

ブレーキを掛けるとボディの傾斜に沿って斜めにせり上がるパッドが、ローターに食い込むように作用して大きな制動力を発揮する。

ブレーキ動作をリリースすると、専用の特殊スプリングがパッドを戻し引きずりを防止する。

 

キャリパーピストンに押し出されたブレーキパッドがブレーキディスクを挟み込んで制動する。ディスクブレーキの開発以降このメカニズムは不変だが、GP4-MotoGPは画期的な技術で制動力向上を実現している。それが「斜めパッドスライド」である。

ブレンボは、キャリパー開発時にブレーキパッドが正しい位置や姿勢を保つための設計思想(パッドアバットメント)を重視してきた。パッドを均等な力で押し出すために、キャリパーピストンの数を増やすのは典型例だ。

GP4-MotoGPで採用された斜めパッドスライドはMotoGP用キャリパーでは既に標準的な技術で、ブレーキパッドの上下端面とキャリパーボディの接触面を斜めにデザインしているのが特徴である。この傾斜により、ディスクに触れたパッドはクサビが食い込むように僅かにスライドして、ブレーキレバーに加わる力が同じでもより大きな制動力を発揮する。

その一方で専用の特殊パッドスプリングを組み合わせることで、ブレーキ動作がリリースされると同時にパッドはディスクから素早く離れるため引きずることはない。

●ボディのフィンと穴あきピストンによる放熱効果アップ

細かなフィンは走行風に加えて、タイヤの回転によって発生する空気の流れも計算して設計されている。

MotoGP用ブレーキも採用するラジアルドリル加工が特徴的なキャリパーピストンも、放熱効果アップに貢献する。

 

運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減速するのがブレーキの本質であり、スクーターでもビッグバイクでも制動時に熱が発生する。MotoGPのマシンが装着しているカーボンディスクは性能を発揮する温度帯が高い特性があるが、温度が上がりすぎればフェードやベーパーロックなど制動力低下につながる現象が発生する。

GP4-MotoGPはキャリパーボディとピストンで冷却機能向上を図っている。ボディには表面積を増やすためのフィンがあり、4個のアルミ製キャリパーピストン端部には全周に放熱用の穴加工(ラジアルドリル加工)が施されている。この穴あきタイプのレーシングピストンはMotoGP用ブレーキにも採用されている最先端の技術である。

●モノブロック設計による高い安定性と耐久性

ひとつのアルミニウム合金の塊から削り出されるモノブロックには、ボディの合わせ目がなく機械加工の美しさが際立つ。表面のニッケルコーティング処理も抜群の質感だ。

 

1個のアルミビレットから機械加工によって削り出されたモノブロック構造は、鋳造で製造された部品をボルトで締結する2ピース構造のキャリパーより剛性が高く、ハードブレーキング時の安定性や耐久性に優れている。
これはレーシングキャリパーでは共通認識であり、ブレンボではMotoGPやSBK、さらにストリート用キャリパーでも早くからモノブロック構造を採用してきた。

GP4-MotoGPに施された高度な切削加工によるリブは、さらなる剛性アップに寄与するとともに、シャープなイメージを強調するアクセントにもなっている。

軽さと強さを両立した新機軸の非対称デザインを採用した「HYPURE」

【ブレンボHYPUREキャリパー 価格未定 2026年発売予定 30mm同径4ピストン 取付ピッチ 100mm】
非対称設計とともに、シルバー・レッド・イエロー・ブラックのカラー展開も印象的なHYPUREキャリパー

 

GP4-MotoGPと同じく2023年に開催されたミラノモーターショー(EICMA)で初公開されたのがHYPURE(ハイピュア)である。デザイン上のアクセントのようにも見える非対称デザインが印象的な対向4ピストンキャリパーは、軽量化と高剛性を両立することでパフォーマンスとハンドリングの双方に貢献する。

●同グレードのキャリパーより10%も軽量な非対称設計

強度と軽量化を両立するシャープなラインが特徴。

 

ハードなブレーキングに必要な剛性を維持しながら、運動性を左右するバネ下重量の軽減のため採用された非対称設計は、機能性と同時にHYPUREの顔となる独創的なデザインを実現。スーパースポーツモデルにとってキャリパー単体で10%軽くなるのはとても魅力的だ。

●ブレーキング性能の安定性に貢献する高度な熱伝導性能

キャリパーボディ後部の開口部もボディ強度と放熱性を考慮して設計されている。

 

制動時に発生する熱をキャリパー全体から素早く放熱する高度な熱伝導性により、ハードな走行を繰り返しても安定したブレーキ性能が持続し、安心してライディングに集中できる。

●特許取得済みスプリング・パッド・ピンシステムを採用

キャリパーボディとパッド、スプリング、ピンの接触部分にもブレンボならではのノウハウがある。

 

パッドアバットメントを重視するブレンボならではの発想により、ブレーキ操作時の残留トルクを最小限に抑制するスプリング・パッド・ピンシステムを装備。パッドピンやスプリングはどんなキャリパーにも組み込まれているが、HYPUREのそれは特許を取得した独自設計を採用している。

世界限定500セットの「17 RCS Corsa Corta RRブレーキマスターシリンダー」にも注目

ブラックアルマイトがハンドル周りを引き締める。

レバーレシオの切り替え(18mmと20mm)に加えて、チタン製ピン奥のダイヤルでブレーキレスポンスを3段階(N/S/R)に調整可能。

 

MotoGPで鍛えられたブレンボの技術は、ブレーキキャリパーだけでなくマスターシリンダーにも盛り込まれている。ブレンボ創立50周年を記念して限定生産された17 RCS Corsa Corta RRは、硬質ブラックアルマイト仕様のアルミ鍛造CNCボディとゴールドのレバーピン(素材はチタン!!)のコントラストがゴージャス感を演出。ブラックキャップにゴールドのブレンボロゴが入ったリザーバータンクも特別仕様だ。

なにより世界限定500セットのみの生産で、ボディに刻み込まれたシリアルナンバーのスペシャル感がたまらない。
このマスターシリンダーはWebikeで購入できるので、気になる人は是非チェックしていただきたい。

2月のIAAE会場にて初お披露目に

お台場のビッグサイトにて開催された国際オートアフターマーケットEXPOにブレンボが出展。その会場で今回紹介した新型キャリパーの2モデルが日本国内で初展示となった。自動車のショーではあったが、高品質な最新キャリパーには常に人だかりができていた。

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