「始動性が少し悪くなった気がする」、「以前はもう少し吹け上がりがよかったような」など、オーナーだからこそ気付くレベルのエンジン不調。その改善に効果を発揮するのがガソリン添加剤だ。今回試してみたのは、数ある製品の中で唯一、排気系まで洗浄効果を発揮する「FPx3 フューエルポーション3」だ。
⚫︎文:大屋雄一
目次
車両メーカーも取り扱うガソリン添加剤とは
ガソリン添加剤とは、その名のとおりガソリンに直接添加するタイプのケミカルだ。目的は主に三つ。一つは燃料系統の洗浄で、ガソリンを噴射するインジェクターや吸気バルブに付着したカーボン(燃料の燃え残りであるスス)、デポジット(頑固な燃焼生成物であり、カーボンとは別物)などを徐々に落とすというもの。二つめは燃焼室の洗浄で、ピストン頭頂部を含む燃焼室全体のカーボンやデポジットを除去する。そして三つめが燃料系統の防錆効果で、ガソリンタンクや燃料ポンプなど、各パーツのサビや腐食の発生を抑制する(この成分が入っているものはあまりないようだ)。
ガソリン添加剤にはこれらの効果が一定レベルで認められることから、さまざまなケミカルブランドがラインナップしている。さらに、各車両メーカーも純正品として取り扱っているほどメジャーな存在であり、すでに使ったことがあるという人も多いことだろう。
FPx3 フューエルポーション3は排気系まで効く!

FPx3 フューエルポーション3。2スト/4スト/ロータリー/ターボ/ハイブリッドなど、ガソリン車であれば新車から旧車まで幅広く使用可能だ。内容量は300mlで、1年または1万km毎に1回の添加が推奨されている。希望小売価格は1本税込2970円。
今回紹介するのは、株式会社ヤザワが取り扱う「FPx3 フューエルポーション3」だ。先に説明したように、一般的なガソリン添加剤は主に燃料系統から燃焼室までで効果を発揮するが、この製品は独自の酸化セリウムが配合されており、その先の排気系にまで効くというのがポイントだ。具体的には、排気バルブや三元触媒、O₂センサー、マフラーなどで、4輪であればEGR(排気再循環システム)、ターボ車ならタービンまで洗浄効果が認められるという。
【PEA】ポリエーテルアミン
ほとんどのガソリン添加剤が含有しているのがこのPEAであり、燃焼系カーボンの除去に優れた効果を発揮する合成系洗浄成分だ。デポジットの再付着を防ぐ特性もある。
【PIB】ポリイソブチレン
燃料系統の洗浄と再汚染防止を両立する成分。洗浄効果と同時に保護膜を形成し、インジェクターや吸気バルブをクリーンに保つ効果がある。
【CeO2】酸化セリウム
FPx3 フューエルポーション3の特徴である排気系で威力を発揮する成分。燃料補助材として作用し、未燃焼成分を燃やし切ることで、燃焼効率を高める金属酸化物だ。
使い方は簡単! ガソリンに対し添加量は1%以内で
テスト車両は、筆者の愛車であるスズキ・Vストローム250SXだ。2023年12月に新車で購入し、2年2か月で約1万2000kmを走行。これまでにガソリン添加剤を注入したことは一度もなく、今回のテストのため事前にエンジンオイルとオイルフィルター、スパークプラグを交換した。

筆者のVストローム250SX。いわゆるチョイ乗りで使用することはほとんどなく、首都高を含む高速道路を利用してガッツリ移動することが多い。これまでに使用したガソリンはレギュラーオンリー。つまり、合成清浄剤が添加されているというハイオクガソリンを入れたことはない。
このFPx3 フューエルポーション3は添加量が定められており、ガソリンに対して1%が上限とされている。濃度が高いほど威力を発揮しそうなイメージだが、そんなことはなく、逆にガソリンが燃えにくくなり燃焼の妨げになるという。よって、この規定値をしっかり守ってほしい。

Vストローム250SXの燃料タンク容量は12Lなので、メスシリンダーでその1%=120mlを正確に量る。缶の中に120ml残るように180mlをメスシリンダーに注いだ。尚、残ったFPx3 フューエルポーション3はしっかりと蓋を締めて保管すれば、1年後でも劣化することがないので安心して再使用できる。
注入後、すぐに千葉県北西部の自宅を出発し、茨城県の大洗町まで移動。ほとんどの区間が高速道路であり、洗浄効果がきっちり発揮されることを狙い、常に制限速度の上限で走行した。往復で268kmを走り、ガソリンは9.39Lを消費。これでとりあえずの施工は完了した形だ。
体感はできずとも燃焼室内の変化を確認
施行から6日後、その効果を確認するために、今度は横浜方面へと移動する。
正直に告白すると、走り始めてすぐに「おっ!」と感じられるほどの変化は体感できず、これは自宅に戻るまで同様だった。ただし燃費については、102kmを走って2.67Lを給油し、38.2km/Lという結果が出た(同じような走り方をしたツーリング時は37km/L前後)。見せかけのデータを良くするために、スロットルを緩めてペースを落とすといった小細工は一切なし。これまでの燃費と比べてもほぼアベレージ内の上位にあり、オーナーとしては「うん、悪くないじゃん!」という印象だ。
テスト車両のVストローム250SXは、燃焼効率に優れた油冷SEPエンジンが特徴だ。加えて、トップ6速、100km/hでのエンジン回転数は、メーター読みで6,500rpm、120km/hなら8,000rpmと、250ccの単気筒だけあって高めである(レッドゾーンは10,000rpm)。そんなバイクを、2週間と空けずにガンガン乗り回していることから、燃料タンク内のガソリンは常に新鮮な状態にある。よって、コンディションとしては非常に良好な状態にあり、だからこそガソリン添加剤にとって「仕事をする余地が少なかった」のかもしれない。
さらに、燃焼室内では確実に変化が起きていた。撮影した画像を見比べてみると、ピストンの頭頂部に付着していたデポジットの表面が、注入後はわずかとはいえ融解していたのだ。定期的に添加すれば確実に効果が表れる、そう確信できるテスト結果となった。
友人にCT125ハンターカブと車でテストしてもらった
車種や乗り方によって効果の差は必ず出るだろうと考え、友人にもテストをしてもらった。原付2種クラスでトップクラスの売れ行きを誇る高い人気のCT125ハンターカブだ。現行型のJA65ではなく、一つ前のJA55で、走行8000kmほどの車両だ。
燃焼室内をファイバースコープで確認すると、Vストローム250SXとは比較にならないくらい、カーボンがたまっていた。投入前と投入後を比較してもらったところ、かなりの効果があったと報告を受けた。
気になるパワー感、燃費の結果は?
テストは土日の二日間。同じ経路を往復し、同じ時間帯に同じ時間をかけて走行(気温もほぼ同じ)。燃費が良くなる走行に徹することなく、だらっと走ったり、ひとつ低いギアでメリハリある走りを楽しんだりしたそうだ。
投入後、すぐの変化は感じられなかったようだが、道中で色々と走り方を試してみたところ差が現れた。アクセルをがば開けしたときのエンジン回転数が上昇するスピードが早くなったという。アクセルを閉じエンジン回転数を落とす、そこから、すぐに開けても回転数の上昇が早いので、もたつくことなくスピードが乗るとのことだ(CT125にはタコメーターが備わっていないが、テスト車両にはタコメーターを装着済み)。
添加剤投入前は118.9kmを走り、2.1Lの給油。つまり56.62km/Lを記録。投入後は114.5kmを走り、1.7Lを消費。つまり67.35km/Lと格段に向上した。FPx3 フューエルポーション3の仕様書を見ると、燃費は1.2%向上(車両や状況により異なる)という記載があるが、18%もの向上を果たす結果となり、テストした友人も驚きを隠せない。
さらに、添加した分の燃料を使い切り、その後は添加せずに試したところ、アクセル操作によって回転数が上下するスピードが比較的緩やかとなり、言い換えればもたつくようになり、改めてその差を実感したという。
燃焼室の変化
燃焼室の変化も明らかだった。下の写真を見てもらうとその差は歴然だ、と言いたいのだが、使用前の写真の画角が少し違うのでわかりづらいかと思う。ファイバースコープで見たときは、ピストン上部はすべて真っ黒だった。
テスト後は、右の写真のように金属の地肌が見えるほどにカーボンが落ちていたのだ。INという文字はインテーク側、つまり燃料が入ってくる側なので、FPx3 フューエルポーション3を添加したガソリンを含む混合気が最初に当たる場所だ。その剥がれ具合から、効果が高かったことが窺える。
バイクだけではなく自動車でもテスト
また、別の友人が三重県鈴鹿市まで自家用車で出張することになったので、テストをしてもらった。千葉県船橋市から三重県鈴鹿市まで片道おおよそ420kmで、帰りのみFPx3 フューエルポーション3を投入したという。そのほとんどが高速道路ではあるがどのような違いが出たのだろうか。
尚、車はハイエースレジアス。平成12年式で走行52万kmの個体。ヘッド交換後3万kmを走行しているが、しっかりと定期整備やオイル交換をしている車両だ。
自動車でのテスト結果は?
高速道路でのパワー感の違いは感じられなかったという。しかし、下道ではトルクアップを感じたとのことだ。
テストした友人曰く、「具体的には信号発進でアイドリング上の1200〜2000回転のスピードの乗りがイイ感じに。重い車体の動き出しは高負荷状態になると思うので、そこに効いてるかも。街中で早めに速度が上がるとアクセルを抜き気味で走ることになって燃費が上がるのかもしれない」ということだ。
一方で燃費の方はというと、行きは505.7kmで49.49Lを消費。つまり燃費は10.22km/L。一方で帰りの燃費は10.99km/Lと若干の燃費向上を伺えた。ただし付け加えておくと、帰路は首都高での渋滞がひどく、それがなければ燃費はもっと伸びたに違いない。
数値だけを見るとCT125ハンターカブだけ如実に燃費が良くなったが、車もVストローム250SXも高速道路をメインに走行、CT125ハンターカブはストップ&ゴーが多い下道でのテストだったので、その差が現れたのではないかと考察する。
今回手伝ってもらった友人2人は、再度考察したいので、引き続きこの燃料添加剤を購入しテストしてみるとのことだ。
排ガス検査でNGになった車両が合格するレベルまで回復した例も
FPx3 フューエルポーション3は、今回のデポジットの減り具合からも分かるように、静かにかつ確実に仕事をするタイプの添加剤であり、コンディションが穏やかに回復するであろうことは明白だ。
加えて、防錆フィルムによる長期的なエンジン保護効果も期待できる。なお、販売元に聞いたところ、車検時の排ガス検査でNGが出ていた車両が、FPx3 フューエルポーション3を注入したことで、基準値を大幅に下回った例もあるという。つまり、排気系にまで確実に効果を発揮しているということだ。
チョイ乗りが多い、保管期間が長いといったバイクにこそ、お勧めしたいガソリン添加剤だ。
速報!ディーゼル専用も登場
ガソリンエンジン車であれば、4ストローク、2ストローク問わず添加OKのFPx3 フューエルポーション3。残念ながら軽油を燃料として使うディーゼルエンジン車には使用できなかった。ユーザーからの要望が多く、開発を重ねた結果この3月についに販売を開始することとなった。
狙う効果はガソリン用と一緒だが、エンジンが違うのでそれに伴い成分も異なっている。しかし、共通の成分であるCEO2「酸化セリウム」のおかげで、ディーゼルの最大の問題箇所であるDPFやEGRなどの洗浄ができるという。
2026年2月12日〜14日に東京ビッグサイトにて開催された国際オートアフターマーケットEXPO 2026のヤザワブースにて初お披露目となり、トラックやハイエースなど商業車系を扱う会社やユーザーから注目を浴びていた。
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