電子的にシールドの明るさを変化できるSHOEIの「e:DRYLENS(イードライレンズ)」が発売開始。手動で2段階に色を変更できるほか、周囲の明るさに応じて自動調光するオートモードも備えている。その使い勝手を徹底レポート!
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曇り防止に加え、色も変更。コントローラーは販売店での装着が必要だ
SHOEIは、ヘルメットのシールド内側に取り付ける防曇シートに“電子調光”機能を持たせた「e:DRYLENS 304」を1月9日から発売した。
ピンロックシートの曇り防止に加え、液晶フィルムを用いた調光機能を搭載しており、瞬時に「ライト」(光線透過率約65%)と「ダーク」(同約20%)に切り替えられるのが最大のポイントだ。
シールド左側にコントローラーを設置し、手動でライトとダークに変更可能。また、外光センサーを備え、最適な明るさに自動調整するオートモードもある。
対応しているヘルメットは、CWR-F2およびCWR-F2Rシールドを採用するX-Fifteen、Z-8、WYVERN Ø(ゼロ)の3モデルだ。
SHOEIに製品をお借りしたところ、コントローラー取り付け済みのシールドが送られてきた。使用するには、e:ドライレンズ 304(2万7500円)と別売のコントローラー(6600円)が必要。コントローラーは、販売店での装着&取り外しが推奨されている。そのため、SHOEIから装着状態で送られてきたというわけだ。
コントローラー単体(シールドに装着していない状態)での販売はしておらず、手持ちのシールドに取り付けたい場合、購入時にシールドを持参して販売店で装着してもらう必要がある。
シールドにe:ドライレンズとコントローラーを装着した状態での重さは筆者実測で175g。シールドと通常のドライレンズを装着した状態は158gなので、重量増はわずかだ。

リチウムイオンバッテリーを内蔵し、下側にUSB-C端子を設置。充電仕様は5v/50mA。ゼロからフル充電までは約3時間。ダークの状態で連続約20時間、ライトの状態(待機状態)で約1か月稼働するという。
手動モードでは気持ちよく切り替わる、視界や風切り音への影響も皆無
さっそく手持ちのZ-8に装着して使ってみた。通常時の「ライト」は透過率約65%なので、標準のクリアシールド(同85%以上)より少し暗め。なお同社のメロースモークは透過率56~62% なので、こちらよりはやや明るい。
スイッチを押すと瞬時にスパスパと「ダーク」に切り替わる。タイムラグがほぼなく、実に気持ちよく変更可能だ。ダークは透過率約20%のため、一般的な内蔵サンバイザーより少し明るく、冬場で太陽を正面に見るような状況だと少し眩しかった。
当然ながら、好きな時に即シールドの色を変更できるのは実に快適だ。手持ちのヘルメットにサンバイザーを後付けしたようなものだし、内蔵バイザー付きのヘルメットと比べて重量や空力、安全性の面においても電子調光シールドの方が有利。内蔵バイザー付きのヘルメットは帽体が大きく重くなりがちだからだ。また、アウターバイザー仕様より空力の面で利点がある。
加えて、物理的なレバーで上げ下げするのではなく、ボタンをワンタッチするだけですぐ色が変更できるのはやはり使い勝手がいい。なお、コントローラーが増設されるが、100km/h走行でも風切り音への影響は感じられなかった。
ただ、ボタンが直径約6mm(筆者実測)と小さいため、押す位置を迷う場面も。また、分厚い冬用グローブだと少し押しにくかった。ちなみにスイッチが見つからず一刻も早くライトに戻したい場合は、センサー部分を手で覆えばOK。センサーが暗くなったと判断し、ライトに戻るという裏技(?)だ。
オートモードは周囲の光に敏感すぎず、基本的には快適
続いて、オートモードを試してみた。ライトの状態でスイッチを約1.5秒長押しするとシートが3回点滅しオートモードに。外光センサーが周囲の明るさに応じて、ライトとダークを自動で切り替えてくれる。オートモード中にスイッチを短押しすれば、オートモードが解除され、手動モードに戻る。
日が射した日中で、建物や街路樹などの影が連続するような状況だと「頻繁に色が切り替わって煩わしいのでは?」と心配したが、結論から言えば全くそんなことはなかった。晴れや曇りに関わらず、日中の屋外では基本的にダーク。走行中に陽光下から断続的に影に入ったり、影に停車した場合もダークのまま。トンネルや高架下などよほど暗い場所でない限り、ライトに切り替わることはなかった。
リリースによると「テストライダーが様々な環境で徹底的に走行試験をし、最適なセンサー感度に設定している」とのこと。敢えて、ある程度センサーが光を感知していれば切り替えしない、マージンを持たせた設定なのだろう。
この加減は確かになかなか適切だったが、時にはダークだとちょっと暗いなと感じる場面もあった。例えば、高架下における交差点の右折待ちで、こちらは明るいものの、相対する先が暗いといったシチュエーションだ。
こんな時は手動モードに戻すか、シールドを開ける、もしくはセンサー部分を手で覆ってライトに戻せばいいだろう。とはいえ、ダークでも極端に暗いわけではないため、(個人差はあるだろうが)見えないことはない。
オートモードでのレスポンスはマージンを設けているせいか、さほど敏感ではない。暗い場所から明るくなった場合(ライト→ダーク)のタイムラグは体感で約0.5秒ほど。逆の場合(ダーク→ライト)もほぼ変わらないが、もう少しタイムラグを感じた。なお、外光センサーの感度は固定され、調整不可となっている。
自分だったらオートモードを基本に、見づらい場面があったら手動で操作したいと思う。
バッテリーの持ちは十分、ダークの状態で連続23時間以上使えた
リリースによると、バッテリーはダークの状態で連続約20時間稼働できるとのこと。実際に稼働時間を試したところ、約23時間15分ダークの状態を維持できた。使っているうちにバッテリーが劣化するだろうが、十分な稼働時間を確保している。なお気温は10~15度程度だったので、暖かい時期ならもっと伸びるかもしれない。
マニュアルモードでライトの状態にすればバッテリーの消費を抑えられるため、1泊2日程度のツーリングなら十分持つだろう。
なお、急速充電器だと充電器側の過充電防止機能によって充電完了前に充電が停止することがあるので、ご注意。またバッテリーは完全放電した状態で保管すると劣化するため、使用しない場合でも2~3か月に一度充電することが推奨されている。

ヘルメットに装着した状態でも充電可能。ケーブルを挿し込むと充電確認LEDによって電池残量がわかる。消灯状態だと電池残量90~100%、点灯50~90%、低速点滅(1秒間隔)20~50%、高速点滅(0.25秒間隔)0~20%。
[まとめ] メリット満載、値段に納得できるならオススメ
既存のモデルに、シールドの切り替え機能を追加できるのは快適の一言。前述のとおり、重量、空力性能、使い勝手を考えても電子調光シールドはメリットばかりだ。
光に反応して化学的に着色するフォトクロミックシールドも販売中だが、こちらは任意に色を変更できない。その点、e:ドライレンズは自由に変更できるのがメリット。コントローラーとの合計価格は3万4100円と決して安価ではないが、フォトクロミックシールドが2万9700円と考えると、十分選択肢に入る。
ちなみにCWR-F2 シールドは8250円。2色を揃えても1万6500円と安価ながら、当然着脱したり持ち運ぶ手間がかかる。
対応する3機種を持っているユーザーにとって、e:ドライレンズは購入を検討するに値する製品だろう。普段Z-8を使用する筆者も価格が悩ましいところだが、ぜひ欲しいと思っている。
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