クルマに積んでバイクを運ぶいわゆるトランポ(トランスポーター)。
本来バイクは移動する乗り物なのに……、と思いつつも、一度やってみるとその便利さにトランポ無しでは居られなくなってしまいます。

今回はそんなトランポの世界を紐解いていきましょう!

トランポのメリット

所有車両がバイクのみの方は、トランポのメリットと言われてもピンのこない人が大多数でしょう。

自分も少し前までそうでした。
自由に使えるお金はバイクにつぎ込みたいですし、バイクや公共交通機関を利用すれば、都内で4輪をわざわざ所有する必要性はあまり感じません。

では何故購入に至ったか。答えはカンタン“安かったから”。
トランポに使える車両と言うと、ハイエースやトラックを想像しがち。
ハイエースは初期投資が高く。トラックも同様。メインの車にするのにはハードルがあり、トランポ用のセカンドカーとして購入する際にもメインと併せて投資額は高くなってしまいます。

そこで自分が目を付けたのが10年落ちのミニバンで、支払い総額たったの50万でトランポライフが始まりました。


トランポでキャンプツーリングへ出かけるという謎な活用

通常のバイクで行く日帰りツーリングの場合、どうしたって気持ちのいいワインディングに至るまでの道中には、信号ストップ&ゴーや渋滞といったセクションがあるもので、それら難関を超えられたとしても、家に着く頃には汗でインナーウェアはべっとり。
不快感極まりない姿になってしまいます。

目的地までワープができる!

その不快な一切合切が、トランポで全て解決できてしまうといったらどうでしょう?
ワインディング区間までは冷房が効いた車でワープでき、ライディングウェアだって着いてから準備すればいいんです。
走り終えたらラフな格好に戻って、帰りなんかに温泉へ寄っちゃったりなんかして。1日終えての疲労感もバイクオンリーツーリングに比べたら無いと言っても過言ではありません。

行程の選択肢が増える!

そしてもう素晴らしいポイントがもう一点。
選択肢に“前泊”という手札が増えます。

通常、日帰りツーリング程度のイベント毎で、前泊の選択肢はありえません。
というか家庭内稟議が通らないんです……。

それが、トランポライフでは車中泊での前乗りが可能になり、ツーリング行程の幅が広がります。
さらに良いのが前日に大雨が降っていても、気兼ねなく前乗りできるのがとても良い!

いかがでしょう?
筆者はこのようなメリットにより、トランポを買ってからというもの、車で出発するツーリングが増えましたよ。

これで準備OK!トランポ3種の神器

トランポに必要な物は車だけではありません。
ここではトランポで必要なアイテム達をご紹介していきます!

ラダーレール

バイクを車へ積み込む際に必要なラダーレール。
トランポの荷室開口部に引っ掛けて、バイクが登れるスロープを作ります。

荷室高が高い車の場合は、人の昇降用レールも用意してサイドに設置しておくと積み込み安全性がアップします。

タイダウンフック

車両によっては最初から備え付けられていたりしますが、ない場合は予め荷室に設置しましょう。
バイクは4点で固定するため、フックは荷室の四隅にあるのがベストです。
一般的にはボルトオンタイプですが、レールタイプ、クランプタイプと種類も豊富なので、バイクをしっかりした固定できる最適箇所とフックを見つけましょう。

タイダウン

片方をバイクに、もう片方をタイダウンフックに引っ掛け利用します。
バイクの上部を渡して前後2本で済ます方法もありますが、フックにつき1本ずつしっかりと固定していくのが倒れにくくオススメです。

タイダウンにはバックルタイプとラチェットタイプがあり、ラチェットタイプはハンドルをガチャガチャして強いテンションを掛けやすいです。
自分はバックルタイプ×2本、ラチェットタイプ×2本を愛用しています。

あると便利:ブレーキロック

走行中バイクが前後移動しないように、トランポ中はフロントブレーキをロックさせる必要があります。
その際にあると便利なのがブレーキロック、リーズナブルプライスで取り付け方法もシンプルです。
“あると便利”枠なのは、結束バンドやベルクロなどで代用ができてしまうから。
しかし、専用アイテムがあると気分が上がること間違いありません!

あると便利:サブベルト

タイダウンの端部はフックとなっており、愛車に引っ掛けるのは気が引けます。
そんな方のマストアイテムといえるのがサブベルト。
愛車のハンドル、フレームなどに通してサブベルトの耳部分にタイダウンフックを掛けましょう。

あると便利:フロントホイールクランプ

サーキット専用車両をトランポする際にはフロントホイールクランプを使用しましょう。
クランプの受けに車両を突っ込むだけでバイクが自立します、その後リアスタンドで車体を上げ、タイダウンフックなどでしっかりと固定していきます。

あると便利:フォークサポート

フロントフォークを長時間縮こませたままにすると、フロントフォークスプリングやシールにとって大きな負担となります。
が、移送中はしっかりとフロント側タイダウンもテンションを掛けなければなりません。

そんな時に活躍してくれるのがフォークサポート。
必要以上にフォークがボトムしてしまうことを防いでくれます。
手頃な木材などでも代用が可能ですが、あると便利です。

積載方法

さあ、必要なものも揃った!
細かい積込み手順はバイク、トランポの車種によって差があるもの。
しかし大まかなポイントは、クレーン付き/パワーゲート付きトラックでない限りほぼ一緒でしょう。
ここでは一般的な積載方法をXRとハイエースを用いてご紹介していきます!

ステップ1.荷室にラダーレールを掛けよう

予めトランポ車両を車両後方含めて平坦となるような路面に移動しておきます。
そして、ラダーレールを荷室に掛けましょう。

ラダーレールを掛けたら、タイダウンを用意して荷室のフックとラダーレールを繋いでテンションを掛けます。
足場のズレ防止をしておくことで積み込み作業を安全に行うことができます。

ステップ2.バイクを突っ込もう

車両とラダーレールの直線上にバイクを用意して、あとは突撃あるのみ。
エンジンをかけての積み込みは、最悪の場合事故にも繋がりかねないため、オススメはしません。

また今回は荷室高の高いハイエースだったため工程を省きましたが、ミラーやウインドスクリーンが干渉してしまうケースがあります。
初めての積み込み時にはバイクのハンドル高と相談して、ミラーなどを外すか検討しましょう。

助走をつけて一気に積み込むか、2人で作業をしましょう。

サイドスタンドをかけてタイダウンで固定していこう

配置が決まったらサイドスタンドを下ろして、荷室四隅に設置してあるフックと車体をタイダウンで固定していきます。
今回はトップブリッジ付近にサブベルトをまわして固定しましたが、ハンドル、アンダーブラケットなど、しっかりテンションが掛けられる場所を選びましょう。

尚、フロントフォークが縮んだ状態になってしまう場合は、フォークサポートなどで遊びを残して下さい。

フロントブレーキをロックしよう

タイダウンのテンションが掛け終わったら、最後にブレーキレバーを握った状態で固定します。
ブレーキロックなど専用アイテムがあればベストですが、今回は結束バンドで縛って止めました。

トランポの選び方!一番注目すべきは〇〇!


出典:全日本スーパーモト・川留選手のトランポ

積載方法ではハイエースを用いましたが、トランポに適した車両は他にも、ミニバン、軽バン、トラックなど沢山あります。
トラックでも車中泊が可能で、筆者の知人にも軽トラ荷台に幌を取り付けて前泊している人がいます。

選ぶ際にまず重視したいのが荷室入り口の高さです。

幅や奥行きも重要ですが、斜め積みなどで対処のしようがあります。
ただ荷室高はどうしようもなく、フォークをフルボトムさせてもハンドルが当たってしまうようではほとんどアウトです(ハンドルをクルッと下向きにする最終手段はありますが)。


フロントフォークを縮めたらギリギリ入った

特に荷室入り口付近は、荷室の中でも特に低くなっていることが多く、メーカーカタログのスペックを鵜呑みにしていると痛い目を見ることになるかもしれません。
筆者のミニバンもそうで、普通にフルサイズのオフ車を積むことができません。
積み降ろしの際にフロントフォークを縮めて、荷室入り口を通過させています。手間こそかかりますが意外となんとかなるものです。

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