HJCの「RPHA12」は、MFJ公認でモトGPライダーのレプリカカラーも設定するレーシングモデル。空力フォルムの帽体に加え、スモークシールドや防曇シートを標準で同梱するなどレースへの備えも万全だ。興味津々でテストしてみた。

MFJ公認、レプリカカラーもラインナップする高性能モデル

世界最大級のシェアを誇るヘルメットメーカーのHJCは、2万円台の安価なジェットから10万円超のレーシングフルフェイスまで幅広くラインナップしている。中でも今回テストする「RPHA12」は、最高峰のRPHA1Nに次ぐハイパフォーマンスモデル。クアルタラロらモトGPライダーのレプリカモデルも設定されている。

2025年1月に登場したRPHA12は、エアロダイナミクスを追求した帽体に、充実したベンチレーションを搭載。従来のRPHA11からアイポートを拡大し、シールドロック機構や一部のエアダクトを改良している。

さらに日本のMFJ規格を取得したほか、緊急時のチークパッド着脱機構、ダークスモークシールドの同梱などで、即レースに参戦できるモデルとなっている。

デザインもスタイリッシュながら、単色は4万9500円と5万円を切るプライスを実現。スピーカーホールも備え、ツーリングにも対応している。

RPHA(アルファ)12は、レース対応フルフェイス。帽体はカーボン&グラスファイバーや有機繊維を組み合わせた複合素材のP.I.M. EVOシェルで、軽量かつ高い衝撃吸収性を持つ。写真のクリアシールドに加え、ダークスモークシールドを同梱。曇り止めのピンロックシートも付属する。

●価格: 4万9500円~
●サイズ:S、M、L、XL
●規格:SG、JIS、MFJ
●メーカーサイト:https://www.ec.rs-taichi.com/hjh255.html

海外のレーシング系は前面投影面積が大きいタイプが多いものの、RPHA12はコンパクトな部類。従来のRPHA11よりアイポートが拡大され、より広い視界を確保している。

前後にはやや長く、後方に向かって滑らかにスラントしていく空力フォルムを採用。シールド上部にも角度をつけ、空力特性を意識している。ピンロックシートに加え、レース用のティアオフフィルムにも対応。

整流効果を高める大型のスポイラーを装備。後方には誇らしげな「R」のエンブレムと小型のリブをあしらう。

円形にデザインされた特徴的なトップベンチレーション。中央は2段階開閉のワイドタイプで3つの吸入孔を設置。サイドのスイッチはゴム付きのダイヤル式だ。立体エンブレムも豪華。

中央のシャッターは3段階開閉。両サイドのダクトは常時開放式で口元の熱気を排出する。シールドは従来のセンターロックから左側ロックに変更。ボタンを押すとロックが解除される。

スポイラーは前後に貫通した設計。内側にスリットと2つの大きな排気ダクトがある。ダクトは常時開放式で、効果的に内部の熱気を排出する。

シールドの着脱は非常にカンタン。全開にして下部のレバーを手前に引くだけでシールドが外せるラピッドファイヤーシールド着脱システムを採用。装着もワンタッチだ。

合皮やスエード調の素材で高級感があるボトム部。着脱式のチンカーテンも凝った造りだ。緊急時の頬パッド着脱機能のほか、リフレクターも備える。アゴ紐の締結はDリング式。

カーボン帽体仕様のほか、レッドブル アメリカズGPロゴやクアルタラロのレプリカといったモトGP系、マーベルのキャラをイメージしたモデルなども選べる。

高い質感&デザイン性とリラックスした被り心地が特徴

自宅に届いた段ボールを開け、箱を目にして「高級感があるな」と思った。ツヤ消し黒の箱に、ツヤのある黒いHJCおよびロゴがあしらわれている。箱を開けても仕切りが黒で統一されていて、思わず胸が高鳴ってしまう。

ヘルメット袋も一味違う。触るとヒヤリとした伸びる生地で、ヒモにはコードストッパーまでついている。

そしてヘルメット自体も質感が高い。近頃ありがちなエッジの立ったデザインではなく、丸みを帯びて落ち着いた“大人”な印象。各部の仕上げも上々で、額の立体的かつメタリックなロゴも高級感がある。お借りしたパールホワイトは、品よくラメが輝きを放つ。

高級感があるツヤ消しブラックの箱。国産ヘルメットにはなかなかない、こういう演出はワクワクする。

ヘルメット袋は、接触冷感&伸縮素材。高級サングラスに付属し、メガネ拭きを兼ねる袋のようだ。

 

筆者実測で重量は1709g(Lサイズ ピンロックシート込み)。レーシング対応のヘルメットはLサイズ1600g程度が標準的で、わずかにRPHA12は重い。ただし被った感覚は、とても軽快だ。

着用した印象は、頭をやさしく包み込む感じ。全体的にソフトなホールド感で、レーシング系にありがちなタイトさがなく、リラックスできる。なお、私の頭では頬のホールドがやや甘かったので、別売の調整用チークパッド(6820円)で調整するとシックリきそうだ(筆者はSHOEIのLサイズがほぼジャストで、アライはLとXLの中間程度)。

メガネスリットを備え、ツルの着脱がスムーズ。圧迫感も少ない。

安定感と換気性能が上々、特にスイッチの操作性が素晴らしい

走り出すと、周囲の音がわりあい聞こえるものの、風切り音はあまり目立たない。100km/h走行でもさほど気にならず、不快な音も発生しなかった。

そして空力性能が優秀。100km/h+αの速度域では、押し戻しや浮き上がりがほぼなく、実に安定している。

ベンチレーションも効果的だ。全閉状態でムレた状態から、ダクトを全てオープンにすると即ムレが解消し、快適に。その後もムレは感じなかった。直接風を感じるタイプではないものの、換気効果は非常に高い。特に口元中央のダクトからシールドに向けて風が吹き抜け、顔まわりが涼しかった。

大型チンカーテンのおかげでアゴ下からの巻き込み風は皆無。また、ダクトを閉じた状態でも口元サイドにあるダクトの恩恵か、口元の息苦しさが少ないのが特徴だ。

そしてスイッチの操作感が良好なのが印象的。操作がシブいヘルメットもある中、本作はグローブをしていてもスイッチの位置がわかりやすく、スムーズに開閉できる。特に頭頂部サイドのエアダクト開閉ダイヤルはゴムを配置して滑りにくい上に、カチッと動くクリック感があるのがいい。

同梱のダークスモークシールドを装着した状態。シールドが2枚付属するのは珍しく、ストリートもサーキットランを見据えたモデルだ。

耳元の丸いスポンジを外すと、スピーカーホールが出現。深さは約7mmで、圧迫感がほぼない。

内装はアゴ紐カバーを含めてフル脱着式。生地は速乾タイプだ。RSタイチが国内で正規販売しているHJCヘルメットは日本人向けのオリジナル衝撃吸収ライナーと内装を装備する。

[まとめ] この内容ながら価格が魅力的、レース系で個性を出したい人にもマル

基本性能は及第点以上のRPHA12。被り心地がやさしい上に、スピーカーホールを備え、スポーティな用途にも日常使いにもOKだ。また、レーシング系で他人とカブらないモデルを探している人にもオススメできる。

そして何より5万円を切る価格が大いに魅力的。この性能でいて、太っ腹なことにスモークシールドとピンロックシートが付属して5万円未満なのはコスパ優秀だ。ちなみに国産のMFJ公認モデルでは、アライのRX-7Xが7万4800円〜(ピンロックシート別売)、SHOEIのX-Fifteenが7万9200円~(ピンロックシート同梱。9月30日受注終了)、カブトのF-17が5万9400円~(ピンロックシート同梱)。

HJCの最高峰ではないものの、デザイン性や質感、性能が十分でコスパの高いモデルを探している人にぜひ勧めたい。

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