スズキ伝説2台体制
57歳になり、オンロードマシンは、空冷カタナ1100と初期型油冷1100という組み合わせで落ち着いてしまった。ちなみに、カタナはこのマシン以外は借りモノだけで過去に所有したことがなく、油冷マシンは3台目。昔から新しい物好きを自称していた。過去においては最新型マシンで高性能を嗜んだこともあるが、何だかんだと「骨董趣味」に落ち着いてしまった。その理由は後でまとめて語ることにする。また、いわゆる「スズ菌」なのかと聞かれることが多いが、自覚がないのでよく分からない。
まず空冷カタナ1100であるが、これまで幾つかのメディアやYoutubeなどでも語っているが、このカタナは元々そこそこきれいだった個体をエンジンオーバーホールとカスタムを施した。エンジンはガンコート新塗装を含めて、中身も完全オーバーホール済。仕様を変えたりしながら計3回も開け閉めした。もちろんショップではなくセルフ施工、プロの指南も混じっているが、基本的には自分で行っている。自画自賛であるが、内燃機屋さんにシッカリと加工してもらったノーマル+アルファのエンジンは、圧縮比も結構良い具合に出ていてしっかりとした感触がある。
初期型油冷に関しては、3年間もカバーをかけたまま放置されていた個体を譲り受けたことから御縁が始まる。下取り不可能な状態で、前オーナーからは、バラバラにして売ってしまっても良いと言われていた。しかし持って帰ると、その「つぶらな瞳」が私を静かに見つめながら「ボクは、まだ走りたい」と言っているような気がした。そして気がつくと全てをバラバラにしていた。
もちろんパーツをバラ売りするためではない。無意識のまま、フルレストアを始めていた。まさに北斗の拳の奥義「無想転生」である。そこからの苦労話は、幾つかのメディアやYouTubeでアップしているので今回は割愛するが、結局2年がかりの楽しい地獄絵図となった。積み重なった費用も、普通にフルコースの領域となった。
油冷エンジンはオーバーホール+ライトチューニングコースで、現在はナラシも終わり、サーキットでの全開走行も4回ほど経験した。ほぼレーシングスペックのケイファクトリー製の極太フルエキを活かすセッティングに苦労したが、とある方面から指南された「秘技」を施すと驚くほどにスムーズにパワーが出るようになった。
旧車、廃番とリプロダクト
旧車レストアやチューニングを経験すると、金属部品よりも樹脂やゴム関係の施工や再生で苦労することが多い。金属部品なら大抵のものは削り出してしまえば何とかなるのだが、複雑な樹脂やゴム類はそうはいかない。実際に初期型油冷エンジンの、純正負圧キャブを使う場合に必須である純正インシュレーターはメーカー廃盤。4気筒それぞれ形状が違い、ゴムの中に金属の骨が入っている構造でプライベートレベルではリプロダクトは不可能。流用できる他社パーツもなく、ebayなどを探しても良品に出会うことはまずない。
FCR・TMRなどのレーシングキャブを装着するならば、それに必要なインシュレーターはヨシムラから発売されているので問題ない。だが純正キャブにこだわる方も少なくはない。私のインシュレーターは、目立ったヒビ割れ等はないが、微妙に痩せてきていて、二次エアトラブルになるのも時間の問題だ。噂では、ヨシムラが「油冷ブーム?」を起こそうとしているのか、リプロダクト部品をすでに幾つか作り出しているので期待するしかない。
旧車の電気関係は、意外にも安泰
80年代マシンというのは、言わば私たちの青春時代であり、それは40年近い年月が経っていることになる。その電気部品や点火関係のレストアというのは、あの時代に使っていたラジカセや電子レンジをレストアするようなものだ。そんなものに期待ができるはずがない。しかし旧車の電気関係は意外にも安泰で、人気のある旧車なら、ウオタニをはじめとする国内外何社から良い点火システムが揃っている。それらを丸ごと移植してしまえば最新性能を享受できる。
またウオタニのフルパワーキットは強力な火花飛ばすが、リチウムイオンバッテリーの安定した高出力特性と相性が良いとされている。私は空冷カタナ1100と初期型油冷1100共に、ウオタニとSHORAI製のリチウムイオンバッテリーの組み合わせだ。圧縮の高い大型4気筒でも始動性が良く、真冬でなければチョークを引かなくとも一発始動。乗り味も、当然ノーマルとは別物レベルにシッカリとしたものになる。「虎に翼」というやつだ。
林道のR35GTR
林道遊びを覚えたのは16歳の春。当時、トレール最速を標榜していたヤマハDT200Rで、今は神奈川県の宮ケ瀬湖の湖底になってしまった、丹沢林道群で仲間たちと毎週のように追いかけっこをした。あの当時から考えると、今の大型アドベンチャーバイクというのは、当時のパリダカールレースを走っていたメーカーワークスマシンを超える性能を持っている。この令和では、オジサンたちがそんなもので林道を走り回っているのだから凄い時代だ。
とくに私が所有しているKTM 890ADVENTURE Rというマシンその最右翼のモンスターであり、私は「林道のR35GTR」と呼んでいる。もちろん、それを使いこなす腕が揃っての話なのであまり偉そうなことは言えないが、このマシンはあの昭和の時代には想像もできなかったフル電子制御を駆使して、林道から獣道までを自由自裁に走り回る。
また林道遊びと言うのは、走るステージによっては「遭難」の文字が頭を過ることがある。マシンの状態が完璧でない限り、私は絶対に山奥に分け入ることはしない。また電気関係というのは分かり易く目に見えないということもある。とくに昨今のインジェクション車は、バッテリートラブルなどは絶対に御法度であり、絶対の信用があるSHORAI製のリチウムイオンが最適なのは言うまでもない。
大鶴義丹×スズキ伝説2台×林道のR35GTR×SHORAIバッテリー ギャラリーへ (9枚)この記事にいいねする
































