HJCから今春発売された「i91」はシャープなデザインが特徴の内蔵サンバイザー付きシステムヘルメット。3万5860円~という買いやすい価格帯ながら機能満載だ。その実力をさっそくテストしてみた。

内蔵バイザーにマイクロバックル、インカム内蔵機構などツーリングに役立つ装備が充実

韓国発のHJCはコスパ優秀なヘルメットメーカーとして世界的に人気を獲得している。今回取り上げる「i91」は2025年4月に発売されたツーリング向けのシステムヘルメットだ。

HJCでは、レーシング対応のRphaシリーズ、スポーツフルフェイス&システムタイプのiシリーズなどをラインナップしており、基本的に数字が大きいほど新しい製品となる。i91はシステムタイプでは同社の最新モデル。単色で3万5860円という手頃なプライスながら、ニューモデルらしい洗練された機能性を備えているのが特徴だ。

デザインはシンプルながらスタイリッシュ。内蔵サンバイザーをはじめ、ワンタッチ式のマイクロバックル、速乾内装、専用設計のインカムをビルトインできるSMART HJC 対応など、ツーリングに便利な装備が軒並み揃っている。

インカムは、専用設計のSENA製「SMART HJC 21B」(3万30円)または同「50B」(4万9500円)をビルトイン可能だ。

i91(HJC)は、システムタイプのツーリングフルフェイスで、内蔵サンバイザーを搭載。帽体はポリカーボネート製だ。ピンロックシートが標準で付属する(写真は装着状態)。

●価格: 3万5860円~
●サイズ:S、M、L、XL
●規格:JIS、SG
●メーカーサイト:https://www.ec.rs-taichi.com/hjh270.html

内蔵サンバイザーや左右にインカムの内蔵スペースがあるためか、帽体はやや大きめ。チンガードは長く、左右にやや広がっている。シールドのタブが両側にあるのは地味に便利だ。

風洞実験施設と実走テストから形状を導き出した、前後に長いエアロフォルム。各部にエッジの効いたリブが入る。

後頭部には整流効果のあるスポイラー状のリブを設置し、シャープなイメージだ。

頭頂部のエアインテークも凝ったデザイン。ダクト自体が動く設計で2段階開閉式。内部に二つの通気孔を備える。

口元のエアインテークもダクト自体が動くタイプで2段階開閉式。走行風をシールド内側に導入し、シールドの曇りを和らげる。ノーズガードは着脱式だ。

V字型の排気ダクトはスイッチのない常時開放式。前頭部のインテークから気流を生み出し、効率よく内部の熱気を排出する。

チンガード左下にあるスイッチを後方に引くと、内蔵サンバイザーが出現。スプリングを使用しない直動式だ。

アゴ下の赤いボタンを上げるとチンガードをフリップアップでき、しっかりロックされる。

シールドの着脱は簡単。最大までシールドを上げ、ベース部のレバーを下げるだけで取り外せる。

左右に専用インカム、後部にバッテリーを装着でき、スマートな外観と使い勝手を実現している。ボトム部のパッドは頬から首を覆う設計。スエード調のチンカーテンはベルクロで着脱できる。

カラーラインナップは豊富。単色のホワイト、グレー、ツヤ消し黒のほか、グラフィック(3万9930円)も選べる。

重さはあるが抜群のフィット感で気にならず、静かさと空力もマルだ

実物は、シンプルながら洗練されたデザインがいい。お借りした白はパールカラーで高級感がある上に、チンカーテンがスエード調だったりと細部の質感も高い。

手に持った感じはかなり重く、筆者実測で1917g(Lサイズ ピンロックシート装着状態)。内蔵バイザー付きのシステムヘルメットは1800g超が一般的なので、i91はやや重い部類となる。

その一方で、被ってみるとフィット感が秀逸。自分の頭の形状やサイズに合っているのはもちろん、後頭部を含めて満遍なく適度にホールドしてくれる。HJCを含めて多数のヘルメットを被ってきた筆者だが、これほど標準状態でピッタリフィットするヘルメットも珍しい。

このフィット感と重量バランスの恩恵で、しばらく被っていても数値ほどの重さは意外と感じなかった。HJCのヘルメットは、RSタイチが日本国内で正規販売しており、快適な被り心地を追求した日本人向けのオリジナルEPS(発泡ライナー)と内装を装備。この恩恵が如実に表れているのだろう。

そして静粛性と空力性能も良好。システムヘルメットは帽体が大きくなり、風切り音や押し戻しが発生しやすくなるが、i91はエアロフォルムなどのおかげか、100km/hでも静かな部類。高速走行時に横を向くと押し戻しを感じるが、直進安定性は非常に優秀だ。

ベンチレーションは直接風を感じるタイプではないものの、気温30℃で帽体内がほとんどムレていなかった。なお、チンカーテンを外すと風切り音が増えてしまうが、盛大に巻き込み風が顔に流れて涼しい。

メガネスリットを備え、こめかみの圧迫感が少ない。ツルが柔らかいメガネはやや入れにくかったが、ツルが丈夫なタイプはスムーズに着脱できた。

衝撃吸収ライナーには前後に各2つの大きな通気孔を設け、後方に4つの孔が設置されている。

帽体に深さ10mm程度のスピーカーホールと、配線用のルートを設置。ホールの上は薄い内装が覆っている。

内装はフル着脱式。頬パッドとアゴ紐カバーは一体タイプだ。表面に速乾生地を採用する。

ここまで隙間が少ない内蔵バイザーはレア、各部の使い勝手も素晴らしい

刻々と変わる天候に対応でき、瞬時にオンオフできる内蔵サンバイザーは、通勤通学やツーリングで役立つ装備。i91はスプリングを使用していないが、スルッとスムーズに開閉できる。

感心したのは、内蔵バイザーとノーズガードの隙間がほとんどないこと。この隙間が大きいと外部との明暗差が激しくなり、視界が悪化してしまうが、i91ではほぼ心配なし。内蔵バイザーは3段階の高さ調整が可能で、最も下げればノーズガードとの隙間はわずか約6mmだった。これほど隙間が少ないモデルは筆者が知る限り初めてだ。

他にもシャッター自体がスイッチを兼ねる上に、動きがスムーズなので操作性が抜群にいいのが気に入った。また、チンガードをオープンするとしっかりロックされ、頭を傾けてもチンガードが降りてこないのも便利だ。

内蔵バイザーはロングタイプで、ご覧のとおりノーズガードとの隙間は約6mmと極めて狭い。明暗差が少ないため、視界良好だ。

チンガード左側のカバーを開けると、内蔵バイザーの高さを調整できるスイッチがある。鼻の高さに合わせて3段階に変更でき、最大で6mmほど移動可能。

[まとめ] 重さはあれど、これを補って余りあるトータル性能

やや重いけど、被り心地や静粛性などの基本性能が優秀なi91。この性能とピンロックシート付きで3万円台中盤なのは、やはりコスパ優秀だ。デザインもクセがなく、スポーティなモデルならジャンルを問わず似合うのもポイントだ。

ちなみにシステムヘルメットではなく、フルフェイスがいい人には同じHJCのi71という選択肢もある。i91とやや似た外観で、こちらもスマートHJCや内蔵バイザーを採用しつつ、i71の方が 2万9920円~と安価(ただしアゴ紐はDリング締結)。コスパ良好な製品が多く、様々なラインナップから選べるのもHJCのメリットだ。

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