今年春の大阪モーターサイクルショーで初公開され、大きな話題をさらったアライの新モデル「TX-STRADA(TXストラーダ)」。7月下旬の発売日も近づく中、現物を借りることができたので一足先にレビューさせてもらった。

“道”の名を冠するアライの新定番! 高い機能性を備えたストリートヘルメット

「ツアークロスV」からバイザーを取り払った「TXストラーダ」。バイザーは別途取り付け可能で、専用のホルダーやバイザーを別途購入すれば「ツアークロスV」にもなる

すでにご存じの方も少なくないと思うが、今回アライから新登場した「TXストラーダ」は完全新作、というわけではない。ベースは同社アドベンチャーヘルメットの人気商品「ツアークロスV」となっており、バイザーを取り払ったものがこの「TXストラーダ」だ。ちなみに“ストラーダ”とはイタリア語で“道”という意味で、「ライダーを最高のツーリングへと導く」という願いが込められている。

バイザーが無いこと以外の変更点としては、シールドの可動部分に使用する「TX-V2ホルダー」が採用された点。バイザーが無いだけでかなり印象が変わり、ロングツーリング向けバイクにはもちろん、ストリートファイターやモタードといったアクティブなバイクにもよく似合うデザインとなる。個人的には「ツアークロスV」より、ネオレトロチックに仕上がっている「TXストラーダ」の方が外観は好みだ。また、バイザーが無い分価格も抑えられており、¥69,300(税込)の「ツアークロスV」から¥4,400ダウンの¥64,900(税込)という点も嬉しい。

正面から見た印象は「ツアークロスV」と全く異なる。前頭部のフロントロゴダクトは「アストロGX」に採用されているものと同様だ

アライといえば“かわす性能”で知られるが、「TXストラーダ」ではより丸みを帯びたフォルムが強調され、転倒時に抵抗となる部分が少ないこともメリット。これは「ツアークロスV」の時からの仕様だが、前作と比べるとチンガードの突き出しが減り、曲面フォルムを重視している。さらに2軸構造のVASシステムによってシールドベースの位置を下げ、衝撃をかわす帽体面積を拡大。より卵型のフォルムに近づいており、「TXストラーダ」となることでより安全面での恩恵を受けられるというわけ。

チンガードはそこまで突き出ておらず、全体的に曲型フォルムで“かわす性能”の高さを感じられる

リアスポイラーは排気ダクトと一体型。頭部の熱気を負圧で引き出して内部の快適性に寄与する

またバイザーで隠れてしまっていたフロントロゴダクトも遮られることなく、空気流入量のアップにも寄与。重量もバイザー分の100gほどが軽減して1600g程度になるので、ストリートでの使用を想定するならば機能面、安全面に於いてメリットが非常に多いのだ。

そんな「TXストラーダ」を実際に使用した感想をお伝えしていこう。

「TXストラーダ」から導入された「TX-V2」ホルダー。より“アライらしさ”が強調されるパーツでもある

取り外した状態。シールドベースは「ツアークロスV」と同様のため、オプション品を追加すればバイザーも装着できる

ライダーが事故などに遭った際、スムーズにヘルメットが着脱できるエマージェンシータブを標準装備

後頭部には“道”を表す“STRADA”の文字が。文字のデザインも洗練されていて非常にクールだ

圧倒的な開放感でストレスフリー! 静粛性の高さでライディングに集中できる

まず被ってみた最初の感想としては、とにかく「視界が広い!」というもの。ベースがデュアルパーパスでゴーグルの使用も想定しているため、アイポート自体が非常に広く作られているのだ。しかも曲面フォルムになっているとは言え、口元のスペースが通常のフルフェイスよりも広く、全体を通して開放感が素晴らしい。何も“邪魔するモノがない”と言えばいいだろうか。

筆者の頭のサイズは58なので、今回は57-58サイズを使用。頭全体が包まれる感覚が強く、シールドを閉めてしまえばしっかりと外界と遮断される感覚もある。インカム用のホール部分がしっかり“開いている”と把握できるあたり、頭部から頬部分までガッチリとホールドされていることが実感できた。

インカムホールは深めに設定され、大きめのスピーカーでも耳に接触しづらい

実際に走行すると、まず感じたのはしっかりとした換気性能。特に頭部と口元に多くの空気が流入してくるのが分かる。前述の通り口元のスペースが広いため、アゴ下から空気が巻き込まれているかと思えばそうでもなく、風の巻き込みを軽減するエアロフラップと、アウター・インナーマウスシャッターが非常に良い仕事をしてくれる。

大容量エアーインに進化したマウスシャッター。写真は開いている状態

コチラは閉じた状態。寒い時期には閉じてしまえばかなり風の侵入を防げる

インナーシャッターを開けるとかなり空気が流入してくる。激しい走行時でも息苦しさは感じないだろう

自らの呼気によってシールドが曇ってしまうことを防ぐノーズディフレクターを装備

頭部に関しては前頭部・天頂部・後頭部に配置されたダクトとエアアウトベンチレーションによって常に新鮮な空気に入れ替わる感覚。特に「アストロGX」でも採用されているアライロゴ付きのフロントロゴダクトの効果は絶大で、前傾姿勢になっても空気流入量が変わらず、常に涼しいのだ。レビューしたのは7月上旬の蒸し暑い日だったものの、帽体内の“蒸れ感”はほとんど感じなかった。

フロントロゴダクトは上部のツメをスライドさせることで開けたり閉めたりできる。下部から空気が流入する仕組み

頭頂部の「デルタダクト6」はコンパクトなエアーインベンチレーションであると同時に、高さを抑えることで“かわす性能”にも寄与している

「アストロGX」の「GTスポイラー」を基とした「ARスポイラー」。高速域での安定走行性能を高めると同時に、エアーアウトベンチレーション機能も兼ねる

続いて実感したのは高い静粛性で、外界からの音を程よくシャットアウトしてくれる。ある程度の風切り音はするものの、内部の快適性の高さに見合わないほど余計な雑音がしない。広い視界と高い静粛性、内部の快適性が高次元で融合し、素直にライディングに集中することができた。

そして気になる高速走行性能だが、約80km~100kmのスピードで走行したところ、直進安定性の高さも申し分ない。排気ダクトを兼ね備えるリアスポイラーの効果で乱流が抑えられ、上下左右共に風流が安定していた印象。走行中に顔を左右に向けても乱流は起きず、非常に優れた空力性能を持っていることが分かった。

全体の重量バランスも良く、長時間の使用でも首が疲れない。まさに全ての要素を満たす“オールラウンダー”という言葉が相応しく、特に気軽にストリートを楽しみたいというライダーにはうってつけのシリーズと言えるだろう。

内装を取り外したシェルの内部。いくつかの空気穴が設置されている通り、かなり風通しは良い

システムパッド、システム内装、システムネックを採用。快適性の高さに定評がある

TXストラーダ 評価

おすすめ度
評価:★★★★★
良かった点
・圧倒的な視界の広さ
・高性能なベンチレーションによる快適性
・高い静粛性
・直進安定性の高さ
・より強調された丸いフォルムによる安全性
・ストリート感の強いデザイン性

気になった点
・特になし

TXストラーダ 詳細

■発売日:2025年7月下旬
■価格:¥64,900(税込)
■カラー:グラスホワイト/グラスブラック/フラットブラック/ダークネイビー/レッド
■サイズ:54、55-56、57-58、59-60、61-62
■PB-cLc2(ペリフェラリー・ベルテッド・コンプレックス・ラミネート・コンストラクション・スクエア)
■スネル・JIS規格

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    実際買ってみたけど
    風切り音がすごくて
    インカム装備したけど聞こえないので
    走行中はボリューム上げして
    信号待ちで止まると音量下げして
    結構大変でしたね
    60キロ走行でまずまずの風切り音が
    します
    記事にある静かは実際安いホームセンターのと
    比べると になります

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