
夏のバイクライディングに欠かせないメッシュジャケット。しかしメッシュと言っても「フルメッシュ」と「ハーフメッシュ」があり、どちらを選ぶべきか悩むライダーは少なくありません。
「とにかく涼しい方が良いから、全面メッシュのフルメッシュ一択?」
「ハーフメッシュは中途半端じゃないの?」
あまり知られていませんが実はこの2つ、得意とする「速度域」と「涼しさの質」が全く異なります。その秘密はハーフメッシュジャケットに隠された「流速効果」。この記事では、それぞれの特徴を解説し、あなたのライディングスタイルに最適な一着を見つけるお手伝いをします。
さらに、2025年におすすめの最新モデルもご紹介!
目次
「涼しさ」の仕組みが違う!ハーフメッシュの”流速効果”とは
まず、ハーフメッシュジャケットがなぜ涼しいのか、その秘密に迫りましょう。それは「ベンチュリ効果」と呼ばれる物理現象を応用しているからです。
この物理現象、実は多くのライダーが(特にキャブレターに詳しい方なら)「ファンネル効果」としてご存知のはずです。
吸気効率を高めるためのカスタムパーツであるファンネルは入口が広く、キャブレターに向かって流路が狭まる構造をしています。空気がこの狭い部分を通過する際、流速が上昇します。
同じように、ハーフメッシュジャケットは「空気は広い場所から狭い場所に流れる際にスピードが上がる」という原理を意図的に作り出すように設計されています。
・風の入口(広い流路): 前面の広範囲なメッシュ部分
・風の通り道(絞られた流路): ジャケットとライダーの体の間の空間
・風の出口(狭い流路): 背面に設けられた排気口
走行風がジャケット内に入り、絞られた出口から排出される際に流速がアップ。この速い風が汗を効率的に気化させ、その気化熱で体を涼しく保つのです。
【シーン別】主な走行シーンはどっち?
この「流速効果」が活きるかどうかは、走行速度がカギとなります。
主な走行シーンを思い浮かべながら、どちらが最適か見ていきましょう。
1:低速域メイン:街乗り・通勤・渋滞路なら【フルメッシュ】
信号の多い都市部や、ストップ&ゴーが続く渋滞路ではジャケット内に十分な走行風を取り込むことができません。
この状況下ではハーフメッシュの流速効果は発生しにくく、それどころか風が通らない布地部分は断熱材のように機能し、熱を溜め込んでしまうため、かえって暑さを感じる原因になります。
低速域メインのシーンでは、流速に頼らずともジャケット全体で熱気を放出し、わずかな風でも涼しさを感じられるフルメッシュジャケットが圧倒的に有利です。停車中でも体の熱がこもりにくいメリットがあります。
2:中〜高速域メイン:ツーリング・高速道路なら【ハーフメッシュ】
ツーリングや高速道路など、一定の速度で走り続けるシーンでは状況が逆転します。十分な走行風がジャケット内を駆け巡り、流速効果が最大限に発揮され、気化熱による冷却効果で快適さが持続します。
また、肩や腕など、風圧を最も受ける部分が丈夫な布地でできているため、高速走行時のジャケットのバタつきが劇的に減少します。この不要な抵抗と振動がなくなることで、長距離走行での疲労度が大きく変わります。
ツーリング・高速道路のシーンでは、安全性、快適性、疲労軽減の全ての面でハーフメッシュジャケットに軍配が上がります。
番外編:「メッシュ」に頼らない【パワーエイジのベンチレーションジャケット】
「夏=メッシュ」という固定観念を覆すのが、「通気性」に特化したパワーエイジのジャケットです。
大胆なメッシュ生地は使わず、「通気性に優れた生地」と、「効果的に配置されたベンチレーション」の組み合わせで快適性を生み出します。
オプションの防風インナーを組み合わせれば、真夏から春・秋まで対応できるオールシーズンジャケットとして活躍します。メッシュジャケットを夏以外で使うのが抵抗ある方にも理想的な選択肢と言えるでしょう。
おすすめ「メッシュジャケット」5選
ROUGH&ROAD:ラフ&ロード|ダイレクトエアメッシュジャケットFP
コストは抑えたいけど安全性は譲れない。そんな堅実なライダーの「わかってる!」に応えてくれるのがラフ&ロードのこの一着。驚くほどコスパに優れており、さらに肩・肘・脊椎パッドまで全部入りのフルパッド仕様。買ってすぐに安心して走り出せる、まさに“質実剛健”なジャケットです。
デザインも変に飾らないザ・スタンダードだからどんなバイクにも合わせやすい!初めてのメッシュジャケットや、気負わずガシガシ使えるセカンドジャケットを探しているなら、これ以上の選択肢はないかもしれません。
KUSHITANI:クシタニ|フルメッシュジャケット
どうせなら夏もカッコよく走りたい。そんな「違いのわかるライダー」が最後にたどり着くのがクシタニのジャケットです。袖を通した瞬間にわかる異次元の上質さ。しなやかなメッシュ生地と体に吸い付くような立体裁断は、まさに職人技・・・!高速走行でも不快にバタつかず、まるで自分の体の一部になったかのようにライディングに集中できます。
所有欲と長く使える安心感は他では絶対に味わえない価値があります。本物志向のライダーにこそ着てほしい、最高の夏用ジャケットです。
YeLLOW CORN:イエローコーン|YB-5121 ライトメッシュジャケット
夏のツーリングは誰よりも目立ちたい!そんなアツい魂を持った方が選ぶべきは、イエローコーン以外にありえません!ワイルドでレーシーなデザインと、デカデカと入ったロゴ。これぞイエローコーンの真骨頂!好きな人にはたまらないこの雰囲気が魅力です。
もちろんプロテクターは標準装備で安全性も抜かりなし。「フツーのジャケットじゃ物足りない」ライダーに超オススメの一着。
IXON:イクソン|M-PARK AIR A
日本のブランドは落ち着きすぎてる・・・。そう感じるならフランス生まれのIXON(イクソン)がぴったりです。MotoGPもサポートするブランドならではの安全性とデザインのバランス感覚が絶妙。無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインなのに絶妙に漂うスポーツ感。このさじ加減が本当にお洒落!
安全性は欧州の厳しいCE規格をクリア済み。「人とは違う、洗練されたスポーツスタイルが好き」「安全性は絶対条件だけど、野暮ったいのはイヤだ」そんなスマートなライダーにピッタリな大人の選択です。
elf:エルフ アパレル|EJ-S121 エオリアメッシュジャケット
「elfのロゴに今でも胸が熱くなる。」そんな世代のライダー多いんじゃないでしょうか!!レースシーンの興奮を色濃く受け継いだ一着。印象的なカラーリングはサーキットの魂そのもの。見た目だけじゃない、”本気の走りに応える機能性”が詰まっています。
特にレプリカやスーパースポーツとの相性は格別。「走るからには、気分もアゲていきたい!」そんな情熱を忘れないライダーへオススメの一着です。
おすすめ「ハーフメッシュジャケット」5選
RS TAICHI:アールエスタイチ|RSJ354 エアー パーカ
いかにもなバイクジャケットは気恥ずかしいけど、パーカだとカジュアルすぎる…。そんな絶妙なライダー心に応えてくれるのが、このタイチの「エアーパーカ」です。一見するとスタイリッシュなパーカですが中身は本気のライディング仕様。
効果的な部分にメッシュを配置したハーフメッシュ構造が高速走行でのバタつきを抑え、適度な通気性を確保。「普段着のような気軽さ」と「ライディングウェアの機能性」を両立させたい、欲張りなライダーにこそ試してほしい一着です。
RS TAICHI:アールエスタイチ|RSJ334 エアーフリップ パーカ
「ハーフメッシュの安心感は欲しい。でも、真夏の涼しさは絶対に妥協したくない!」そんなライダーの熱い想いに応えるのがこの一着。広範囲に大胆なメッシュ生地を採用し、フルメッシュに迫る圧倒的な通気性を実現。それでいて肩や腕の外側は強度の高い生地でしっかりガードした、まさに“いいとこ取り”のハイブリッド構造です。
パーカならではのカジュアルなスタイルで、街乗りからツーリングまでシーンを選ばない。涼しさも安全性も、そして見た目も全部欲しい!というライダーにこそ選んでほしい、夏の決定版ジャケットです。
alpinestars:アルパインスターズ|FACTION-A PARKA ASIA
MotoGPの世界でトップライダーがその身を託すアルパインスターズ。その最先端のスタイルと安全性を、ストリートで気軽に味わえるのがこの一着。脇、側面にメッシュパネルを採用し通気性を確保。都会的でエッジの効いたデザインはもちろん、アジア人の体型に合わせた「アジアフィット」なのも嬉しいポイント。
世界基準のプロテクション性能をスタイリッシュなパーカに落とし込んだこのジャケット。「どうせ着るなら、世界一流のブランドがいい」そんな本物志向のライダーに絶対オススメです。
KUSHITANI:クシタニ|リーテストブルゾン
ネオクラシックやカフェレーサーに似合う、”品の良い”ジャケットが欲しい・・・。そんな悩める大人ライダーに、クシタニが最高のジャケットを用意してくれました。上質なテキスタイルと、サイズ調整と大型エアインテイクを兼用したフロントダブルファスナーを組み合わせてバイクジャケットとは思えないほどの高級感と落ち着いた雰囲気です。
バイクの持つクラシカルな魅力をさらに引き立ててくれる、まさに「作品」と呼びたい一着。スタイルにこだわる大人なライダーなら、手に入れて後悔はありません。
IXON:イクソン|BURNING AIR A
「ハーフメッシュの安心感は欲しい。でも、見た目はもっとアグレッシヴじゃなきゃ!」そんな攻めの姿勢を忘れないライダーの魂を揺さぶるのがIXONのジャケット。シャープな切り返しとタイトなシルエットは、もはやハーフメッシュの皮を被ったレーシングスーツ。
ワインディングで積極的にバイクを操るのが好きなライダーにこそ着てほしい。その熱い走りに応えてくれる最高のジャケットです。
おすすめ「パワーエイジのジャケット」2選+インナー
POWERAGE:パワーエイジ|PJ-24108 アーバンサマーライダース
「夏でも、シュッと引き締まったライダースタイルで走りたい」そんな思考のライダーへ。メッシュジャケットのカジュアルさとは少し違って都会的でシャープな一着です。素材は高い通気性を持ち、まるで高級オーダーメイドスーツのよう。効果的に配置されたベンチレーションを開ければ、ジャケット内を風が駆け抜け驚くほど快適です。
風を通しすぎないから春や秋にも使いやすく、バイクを降りて街を歩く姿もサマになる。スタイリッシュなライディングを追求するライダーにこそ選んでほしいジャケットです。
POWERAGE:パワーエイジ|スムースライダース
「結局、一年で一番長く着るジャケットって、こういうのなんだよな」
多くのベテランライダーが最後にたどり着くのが「スムースライダース」です。メッシュでもなく、かといって冬物でもない。この絶妙な立ち位置が日本の四季に驚くほどマッチするんです。
その秘密は、ストレッチ性に優れた軽量なソフトシェル素材と、効率よく配置された8つのベンチレーション。暑い日中は胸・腰・袖のベンチレーションを全開にして、ジャケット内にフレッシュな空気を循環。特に袖のベンチレーションは、ライディング姿勢でガバッと大きく開くように設計されていて効率的に腕を冷やしてくれます。
軽くて動きやすいから長距離ツーリングでもストレスフリー。初めての一着としてもベテランの買い増しとしても、あらゆるライダーに自信を持っておすすめできる究極のジャケットです。
POWERAGE:パワーエイジ|PI-23370 ウインドストップインナージャケット
「パワーエイジのジャケット、本当にオールシーズン使えるの?」その疑問に完璧な答えをくれるのがこのインナー。ジャケットの下にこの一枚を重ねるだけで、あっという間に高性能なオールシーズン対応に早変わり。インナー本体は手のひらサイズにたためるから携帯もラクラク。
パワーエイジのジャケットのポテンシャルを120%引き出し、真のオールシーズンジャケットへと進化させる最強の相棒。
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【まとめ】もう迷わない。「街ならフル、旅ならハーフ」
夏のジャケット選びの答えは、驚くほどシンプルです。
ストップ&ゴーを快適にするならフルメッシュ
巡航速度の風を味方につけるならハーフメッシュ
その選択の裏には、「流速効果」という明確な科学的根拠があります。賢いジャケット選びで、最高のバイクシーズンを手に入れましょう!
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ダイレクトエアメッシュジャケットFP
¥13,695(税込)
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KUSHITANI
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¥33,000(税込)
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YeLLOW CORN
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¥17,164(税込)
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ジャケット M-PARK AIR A
¥32,780(税込)
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EJ-S121 エオリアメッシュジャケット
¥20,163(税込)
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¥21,912(税込)
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RSJ334 エアーフリップパーカ
¥19,081(税込)
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¥23,375(税込)
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リーテストブルゾン
¥39,600(税込)
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ジャケット BURNING AIR A
¥31,900(税込)
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PJ-24108 アーバンサマーライダース
¥25,107(税込)
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POWERAGE
スムースライダース
¥21,912(税込)
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PI-23370 ウインドストップインナージャケット
¥6,342(税込)