
従来のスモールジェットにはなかった高効率のベンチレーション機構を備えたCLASSIC-AIRに、美しいラメフレーク塗装を施した「CLASSIC-AIR DX」が登場。発売されたばかりの本作をさっそく試してみた。
外側から見えない換気機能を備えたジェットに、特殊塗装を採用
シールドのない昔ながらのジェットヘルメットは、スモールジェットとも呼ばれる。シンプルなデザインと設計のため、ベンチレーション機構はななく、快適性には難があった。
そこでアライが2020年にリリースしたスモールジェットがCLASSIC-AIR(クラシックエアー)。レトロな外観はそのままに、換気性という快適機能を盛り込んだ。
ベンチレーションのためのエアダクトを設ければ、昔ながらのデザインが崩れてしまうが、アライは帽体内にエアルートを設置。帽体表面にエアダクトはないものの、内部3か所の通気孔から走行風の負圧で熱気を吸い上げ、後部ダクトから排出する仕組みだ。さらに、耳周辺にもスペースを設け、負圧で帽体下部のスリットから熱を逃がしてくれる。
このCLASSIC-AIRをベースにした豪華版が「DX」。6月に発売されたばかりのニューモデルで、特殊塗料によって通常のカラーでは表現できない“ラメ感”を作り出している。
カラーバリエーションは、ブルー、グリーン、レッド、ブラウンの4色で、いずれもシックな色味だ。

CLASSIC-AIR DX(アライ)。同社の特徴である「かわす性能」の象徴である丸く滑らかで強靭な帽体を採用したスモールジェット。帽体はスーパーファイバーなどを用いたcLc。規格はJISだが、高度な耐貫通性を確保し、スネル規格相当の安全性を謳っている。
●価格:4万6200円(写真はブルー)
●サイズ:55-56、57-58、59-60、61-62cm
●規格:JIS
●メーカーサイト:https://www.arai.co.jp/jpn/openface/classic-air_top.html
とにかく塗装が高級感抜群、ベンチレーションも効果アリ
実物は、塗装が実に美しい。帽体全体に施された微細なフレークが角度に応じて七色に輝き、思わず見惚れてしまう。地の色がダークトーンなので一層ラメが際立ち、上質さを増しているようだ。
被ってみると、後頭部を含めて全体をホールドする感覚で、まさにアライらしい被り心地。重量は筆者実測で1096g(59-60cm ブルー)と軽く、着用感もやはり軽快だ。
気温30度で走り出したところ、帽体内に熱気がこもりにくく感じる。直接的に風を感じるわけではないものの、特に額上~頭頂部と耳周辺の熱気が少ない。ベンチレーション効果のないジェットも参考に試してみると、熱気がこもり、徐々にムレが発生して不快に。ベンチレーションのあるCLASSIC-AIR DXとの違いは明らかだった。
サングラスを着用する人も多いと思うが、ツルが太くてもスムーズに着脱でき、違和感もなかった。一般的に固定式内装が多いスモールジェットながら、本作では着脱可能なのもうれしい。特に夏場はベンチレーションと相まって、快適さをキープできる。
[まとめ] STDの1100円高でこの塗装が手に入る! 快適性も安全性もポイント
CLASSIC-AIR DXは、旧車やネオレトロ、ネイキッドとの相性が抜群。中でもラメ入りのカスタムペイントを施したバイクと最高にマッチングするハズだ。
ちなみに、落ち着いたカラーが欲しい人には、ソリッドカラーのスタンダードモデルが用意されている。STDの価格は4万5100円。DXはわずか+1100円で、このカラーが手に入ると考えるとお得に感じてしまう。
安心感が高いのも本作の大きなポイント。低価格のジェットだと両手で帽体を押し込むと、たわんでしまうが、本作はしっかりとした剛性感がある。スタイル重視で安全性は二の次のスモールジェットが多い中、CLASSIC-AIR DXの安心感は大きなポイントとなる。
これにスモールジェットでは異例のベンチレーションと着脱式内装の快適性をプラス。このジャンルのヘルメットを購入する際には、避けては通れない選択肢になるだろう。
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