今回は、ヘルメットメーカーのHJCから販売中のビルトイン・インカム「SMART HJC 21B」「SMART HJC 50B」の2モデルをテスト。インカム専門メーカーであるSENA(セナ)が製造を手掛けたインカムなだけに期待度は高まる一方だ。

専用設計モデルなだけに取り付けも簡単だった!

HJC i71に取り付け予定のSMART HJC 21B本体と同梱品。メインユニット+ボタンユニットはひとつ。

 

HJC i71
軽量かつ耐衝撃性に優れたポリカーボネートシェルに、熱気を排出するベンチレーションや鼻の高さに合わせて角度調整可能なサンバイザーを装備した、基本性能に優れるオールラウンダーモデル。

 

HJC RPHA60に取り付け予定のSMART HJC 50B本体と同梱品。メッシュ接続が追加となるので、ボタンユニットは左右2個となる。

 

HJC RPHA 60
空力性・安全性・快適性を追求したRPHA(アルファ)シリーズのオンロード・オフロードに対応する、プレミアムデュアルスポーツヘルメット。

 

インカムをヘルメットに取付け感じたのは、さすが専用設計だけあってか、配線の取り回しやマイクホールの穴の大きさ、深さ、位置、スピーカーホールの大きさ、深さ、位置まで、完璧なまでに計算し尽くして作り込まれているということだ。おかげで、ハメ込んでハイ終了と言わんばかりのスピード感で、2台のSMART HJCは、いとも簡単にヘルメットと一体化してしまった。

 

SMART HJC専用ヘルメットに元々付いているサイドカバーの取り外しとボタンユニットの取り付けはいたって簡単。

 

取って付けた感はなく、ヘルメットと一体化したそのフォルムの美しさに、ただただ感動するばかりだ。

 

ヘルメット後部にメインユニットを六角ネジで固定。ちなみに充電方法は付属のUSBタイプCで行う。(充電時はどちらもインカム使用不可)

 

21Bはボタンモジュールがひとつだけなので、右側のサイドカバーはそのまま取り付けておく。

SMART HJC のボタン操作は グローブ装着時でも違和感ゼロだった

i71+21Bでグローブを装着した状態でボタン操作を試みたが、電源のON/OFF、ボリューム操作ともに、ボタン中心部にある突起のお陰で、押し間違いもなくスムーズに行うことができた。

 

HJC RPHA 60+50Bでも同じくストレスフリーで操作可能だ。

SMART HJC 21BはBluetooth接続オンリーで50Bはメッシュ&Bluetooth接続両方可能

21Bと50Bのスペックを見比べると、違いは通信手段の違いとFMラジオの有り無しくらいだ。

 

2機種の大きな違いのひとつに、接続方法の違いがある。
21BはBluetooth接続のみであることに対し、50Bはメッシュ接続、もしくはBluetooth接続の両方が使える。
Bluetooth接続の場合は一台ずつペアリングし、最大4台までという制限が付くが、それに対しオープンメッシュ接続は、9つのチャンネルから自由に選択ができ、同じチャンネルであれば、人数無制限で誰とでもつながることができる。
グループメッシュ接続の場合、特定のユーザーのみと通信ができ、最大24人まで参加可能だ。
ちなみに21BはFM電波の受信ができないが、個人的にはさほど重要視することではないと思う部分だ。

 

メッシュ接続とBluetooth接続のイメージ図

SMART HJC 50Bは音声コマンドでインカム操作が可能!

SMART HJC 50Bのもうひとつの特徴として、音声コマンドをマイクに話しかけることにより、ハンズフリーでインカムの各操作ができる音声認識機能が備わる。例えば、「ヘイ セナ 音楽再生」と言葉を掛ければ、直近で聞いていた音楽が流れだし、電話がかかって来ても、「ヘイ セナ 応答」でつながり電話の相手と会話が可能。どうしても手が離せない場合などに重宝する機能だ。試しに高速道路を走行中にテストしてみたが、かなりの風圧や風切り音の中でも、正確に音声を認識していたのには正直驚いてしまった。
※使用する言語はアプリで設定可能

SMART HJC BTアプリでペアリングや接続設定ができる

2機種ともにSMART HJC BTアプリをダウンロードすることにより、スマホとのペアリング、インカム同士のペアリング、各種設定など、スマホで素早く簡単に操作できるのはうれしい機能だ。

SMART HJC 50B+ SMART HJC 21Bでインカムテスト走行

今回は、21BがBluetooth接続のみということなので、50Bと21BをBluetooth接続し、実際に会話をしながら走行テストを試みた。

・使用してみた率直な感想

①Bluetooth接続でペアリングを一度行えば、2度目からワンアクションで簡単につながるので、出発前に接続できなくて慌てることが無い。
②音楽をバックに相手と会話できるので、ツーリングそのものが楽しくなる。(オーディオマルチタスク機能)
③オーディオイコライザーで好みの音質に変える事が出来るので、走行中の楽しみが倍増する。
④インカム&電話の音質がクリアで聞きやすいので、聞き直しが減少。
⑤ノイズコントロール機能があり、周囲の雑音が減り会話に集中できる。

・通話距離に関して

気になる通話距離だが、今回はBluetooth接続を使い2台でテスト。場所が市街地と言う事もあり、約300m走った所で通話が途切れてしまった。最終的に完全に切れてしまったが、インカム同士が近づくと自動復帰し通話も再開した。
見通しが良い場合は更に伸びる可能性もあるが、小電力が故に物理的に考えても電波の届く範囲は期待できないが、良く届いた方だと考える。

・ユニバーサル接続(他社インカムとの接続)

ユニバーサル接続は2台とも可能で、普段使用しているインカムと問題なく接続でき、会話もできたので、ツーリング相手が他社製インカムの場合でも安心。(できない場合もあり)

・バッテリーの持ちについて

通話時間は最大22時間の連続使用が可能で、今回は4時間ほどBluetooth接続したままテストをしたが、バッテリー残は100%のままだった。

ビルトインの強みを生かしたヘルメットと一体化したスタイリッシュな外観

今回、2台のビルトイン・インカムをそれぞれ試してみたが、どちらとも音質はよく、会話も距離が離れる場合を除き途切れたことはなく、ストレスもほぼ感じずにテストを終了することができた。
ひとつ心残りだったのが、「メッシュ接続の実力」を試せなかったことだ。

私たちライダーが、インカムに求める「ニーズ」を具現化したSMART HJC ビルトイン・インカム。ヘルメットと一体化したスマートな見た目と、信頼できるSENAの技術が導入された、とてもおススメな一台だ。
価格は「21B」が税込3万30円、「50B」が税込4万9500円となる。
使用したヘルメットは、RPHA 60 SOLIDが税込56,980円、i71 SOLIDが税込29,920円。
i71 SOLIDとSMART HJC21Bのセットで購入すれば税込59,950円となり、5万円台で購入可能となる。

ヘルメットのHJCとインカムのSENAが共同開発!ビルトイン・インカム徹底レビュー ギャラリーへ (13枚)

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