ヤマハ発動機は、同社の純正エンジンオイル「YAMALUBE(ヤマルーブ)」に対する模倣品被害に対処すべく、インドネシアで模倣品の摘発を強化している。現地警察と連携し、過去5年間で約30件の摘発に成功。新たにQRコードによる真贋判別システムも導入し、信頼のブランドを守る活動を本格化させている。
粗悪な“偽物オイル”からユーザーの愛車を守る――ヤマハの強い決意
オートバイの血液とも言えるエンジンオイル。潤滑、冷却、密封など重要な役割を担うだけに、品質が低ければ車両への悪影響は計り知れない。ヤマハではオイルを「液体パーツ」と定義し、車両ごとに専用開発を行っている。「YAMALUBE」を模倣した粗悪品が市場に出回れば、ユーザーの安全にも直結する問題となる。
とくにインドネシアは、ヤマハ二輪車が約800万台普及する重要市場。その約4割となる年間4,000万リットル以上のオイル需要が「YAMALUBE」で占められており、模倣品の脅威は無視できないレベルだ。現地では販売店を装った調査員による成分検査や証拠収集を行い、模倣が確認されれば直ちに警察へ被害届を提出。捜査協力のもと販売中止や廃棄処分、流通経路の情報提供を促す法的対応も取られている。
QRコードでユーザー自ら真贋判定、信頼性と事業性を両立するモデルケースに
ヤマハは模倣品対策を販売店だけでなくユーザー自身にも拡大。ボトルラベル下部にQRコードを隠し、購入者がスマホで読み取ることで真贋を確認できる仕組みを導入した。これにより、知らずに偽物を手に取ってしまうユーザーも自衛できるようになる。
この取り組みは、単なるブランド保護ではなく、正規製品の収益性を守るという事業面でも重要な意味を持つ。インドネシアでの成功例をモデルに、今後は中国など他市場への展開も進められており、地域ごとの事情に応じた識別技術(ホログラムなど)も検討されている。
信頼性、性能、そして安全を支えるYAMALUBEの品質。その影には、知財・法務・現地販売網が連携した、見えない努力のネットワークがある。なお、現在のところ日本国内でのYAMALUBEオイルの模倣品は発見されていないが、他ブランドではヘルメット、点火プラグ、各種カスタムパーツなど多岐にわたって粗悪な模造品問題が起こっており、メーカーは注意喚起を行っている状態だ。ユーザーも個人間取引や法外に安い製品には十分気をつけ、自己防衛をする必要があるだろう。
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