
【PR】寺本自動車商会 文:栗田晃
バイクメーカーが開発した市販車には、さまざまなシチュエーションで不満を感じることのない性能が盛り込まれている。だがそれはあくまで万人向けであり、すべてのユーザーが満足できるとは限らない。長年にわたるレース活動を通じて「多くのライダーが簡単に気持ちよく操れるパーツ開発」をコンセプトとするTERAMOTOのEZ+plusとT-REV mini SPは、高負荷状態で走行することが多い小型二種を中心とした小排気量モデルの実用性能を引き出すオリジナルパーツである。
エンジン性能と環境問題を天秤に掛ける難しい市販車開発

【EZ+plus ホンダCT125ハンターカブ(JA55)/スーパーカブC125(JA48) 39,600円】
ブルーアルマイトのケースを採用したメインユニットとメインハーネス。O₂センサー用ハーネスなどがセットされた車種別キット。
他のラインナップは以下の通り。
モンキー125【JB02】/GROM【JC61(13000001~1399999)/JC75/JC92】
スーパーカブ110【JA44】/クロスカブCC110【JA45】
PCX【JF56/JF81/JK05-100】/PCX150【KF18/KF30】
ADV150【KF38】/PCX160【KF47-100】
シグナス【16~19】
GSX-R125【DL33B】
パワーと燃費の両立はもちろんだが、世界的に重要視されている環境問題に対応するため年々厳しくなる排気ガス規制値に適合させることがニューモデル開発の大命題となっており、そのあおりは大排気量車より小排気量車に対してより重くのしかかっている。
排気量の小さいバイクはビッグバイクに比べてスロットル開度が大きくなりがちで、本来であれば負荷が大きな領域ではガソリンを多く噴射したいのだが、排気ガス規制に適合させるため燃料を絞らざるを得ない。
そのためツーリングで荷物を多く積んだり長い坂道を上り続けるようなシチュエーションではトルク不足を感じてしまい、スロットルをさらに開けてしまうことになる。
スロットルを開けることで確かにエンジン回転数は上昇するものの、上昇した回転数に対して噴射されるガソリンの量は少ない状況が続く=ECUによって空燃比は薄い状態が維持されるため、トルク感がアップするわけではない。
ビッグバイクは排気量のアドバンテージがあるからまだ救われるが、ベースとなる排気量に余裕のない小排気量車はトルク不足がまともに影響してしまい、ストレスを感じる場面も少なくないのが実情だ。
純正ECUの補正でトルクアップを実現するイージープラス
TERAMOTOのEZ+plus(イージープラス)は、メーカー純正のセッティングを補正してトルクをアップさせるオリジナルパーツである。システム的には、スロットル操作によって開閉するスロットルバタフライの開度を電気信号に変換するスロットルポジションセンサー(TPS)と排気ガス中の残存空気濃度を測定するO₂センサーの間にイージープラスを接続することで、電気的に補正を行い燃料噴射量を変更する。
具体的な変化としてはノーマル状態よりも燃料を増量することでトルクアップが実現する。もちろん、やみくもに増量しても空燃比が濃くなるだけで有効なトルクアップにはつながらないため、車種ごとにセッティングを行って補正量の最適化を図っている。
ただ先に述べたように、概してノーマルモデルの燃料セッティングはガソリンが少なく空燃比が薄い傾向にあるので、増量補正を加える方向で仕様を決定している。
イージープラスが実用的なのは、スロットル開度が小さい領域でのトルク特性を重視している点にある。エンジンチューニングパーツというと、ともすればスロットル全開時に最高出力がどの程度アップしたかに注目しがちだが、実際の街乗りでは125ccクラスでもスロットルを全開にする機会はさほど多くない。
またメーカーや車種によって異なるものの、一般的な排気ガス対策燃料補正はスロットル開度90%以下の領域で行われており、全開時には補正が掛からないエンジン本来のパフォーマンスが発揮できる噴射量となっている。
そこでTERAMOTOではスロットル開度10%領域で約11.8%、20%領域で約12.2%、40%領域で約7%、60%領域で約8%パワーアップする燃料マップを作成(ホンダCT125ハンターカブの場合)。
この数値から明らかなように、イージープラスの狙いは実際の街乗りで多用するスロットル低開度領域のトルクアップであって、ピークパワー追求型のパーツではない。だが低開度における10%以上のパワーアップによって坂道などで負荷が増してもシフトダウンせずに登りきれたり、パーシャル状態から加速する際にもスロットルを開けるだけで速度がグングン上がるなど、ノーマルセッティングとの違いは明確に感じられる。
また排気ガス規制値をクリアするために空燃比を薄くすると、エンジン負荷の状況によっては異常燃焼気味になって振動が発生する場合もあるが、イージープラスの補正によって適正なガソリンを供給することでエンジン振動が軽減するメリットもある。
イージープラスはスロットル開度と空燃比に対して補正を加えるシステムであるため、車種ごとに最適なセッティングを行った専用品となり、純正TPSとO₂センサーに割り込ませるためのカプラーも純正部品と互換性のあるカプラーオン仕様となっている。
さらにイージープラス本体内部のディップスイッチ操作により、ガソリン噴射補正量を2段階に調整できるとともに、接続状態のままメーカー純正セッティングを選択できるのも、違いを実感したいユーザーにとっては嬉しい仕様と言えるだろう。
カプラーオンで装着できる上にいくつものメリットが得られるイージープラスは、普段使いでチューニング効果が分かる実用性の高さが大きな魅力である。
車種専用取り付けステーとホースキットがセットになったT-REV mini SPキット

【T-REV mini SPキット ホンダCT125ハンターカブ(JA55/JA65) 23,100円】
新製品のT-REV miniにステーやホースなどを加えた車種別専用キット。
他のラインナップは以下の通り。
DAX125【JB04】
モンキー125【JB02】【JB03】
GROM【JC61】【JC75】【JC92】
クロスカブCC110【JA45】【JA60】
スーパーカブC125【JA48】【JA58】
TERAMOTOを代表するパーツのひとつが、エンジン内部の圧力を下げることで抵抗を減少させるT-REVである。
過度なエンジンブレーキの緩和やスロットルON/OFFによるギクシャク感の軽減、スロットルレスポンスや燃費の向上など、空気密度を下げることで物体は軽く動くという物理現象を利用したT-REVは特許製品であり、多くのライダーが装着しているという実績が確かな性能の証となっている。
リードバルブを用いたワンウェイバルブであるT-REVをクランクケースとエアクリーナーボックスをつなぐブローバイホースに割り込ませることで、ピストンがシリンダーを下降してクランクケース内部で高まった圧力はエアクリーナーボックスに流しながら、ピストン上昇時にブローバイホースを通じてクランクケースに逆流しようとする空気を止めることができる。
これによりクランクケース内の空気密度が減少して空気重量が減少、軽い空気は動きやすいためエンジン回転時の抵抗が減少して先に挙げたような変化が生じ、ライダーはそのメリットを得られるのだ。
スタンダードタイプのT-REVが3枚のリードバルブを内蔵しているのに対して、4ミニ専用の新製品であるT-REV miniはリードバルブを1枚としたのが特徴である。この仕様変更により25%の小型化(全長)と43%の軽量化(本体重量)を実現し、車体がコンパクトな4ミニ車にも無理なく装着できる。
汎用品であるT-REV miniに対して、車種別ボルトオンキットと言っても過言でないほどの充実した内容となっているのがT-REV mini SPキットだ。構成部品はT-REV mini本体、専用ステー、ステー取り付けボルト、カラー、キットホース、シリコンホースからなり、車種ごとに詳細な取り付けガイドも添付しているので、それに従えば誰でも間違いなく装着できる。またT-REV miniは専用ステーによりエンジンやカウルの外側に装着でき、CT125ハンターカブに装着したゴールドの他にブラックとチタンカラーもあるため、カスタムパーツとしてのアピール度が高いのも魅力的なポイントだ。
エンジン内部の減圧による過度なエンジンブレーキの緩和やスロットル操作によるギクシャク感の減少は、ビッグバイクに比べてボディサイズが小さく車重も軽い4ミニモデルにとってもメリットが大きく、街乗りでもツーリングでも効果を実感できる。本体のコンパクト化に加えてリードバルブのシングル化によって価格面での魅力もアップしたT-REV miniと車種別専用設定のT-REV mini SPキットが、4ミニユーザーにとって要注目アイテムとなるのは間違いない。
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T-REV mini SPキットのシールテープ巻いてる①の写真、あそこ逆ネジなんですかねぇ…?まぁ逆ネジならいいんですけど…