
【PR】丸中洋行 文:栗田晃
シートのコンディションはバイク全体の印象を左右する重要な要素のひとつで、ダメージを負ったシート表皮はなるべく早めに修理したい。そんな時に重宝するのが「規格部品」でお馴染みの丸中洋行が開発製造するNTBシートカバー。排気量や新旧問わず200種類以上のカバーは純正シートへのフィッティングが良く、クオリティの高さが大きな魅力だ。
目次
車種によっては修理費用がかさむこともあるシートリペア

ホンダGB250クラブマンは1983年に初期型が登場して以降、モデルチェンジを繰り返しながら1997年まで販売された。前後シートがセパレートタイプなのは初期型の特徴で、1987年のマイナーチェンジ以降は一体型シートとなった。
それだけでなく染み込んだ水分はスポンジを劣化させてシート自体の機能低下にもつながるため、できるだけ早く修理しなくてはならない。
純正部品としての設定はバイクメーカーや車種によって異なり、交換用表皮が設定されている車種がある一方で、シートボトムとスポンジ、表皮までセットされたコンプリート設定でしか販売しない車種もある。
後者の場合、カッターなどで切り裂かれた部分がほんの15cm程度でもシート一体での交換となるため、費用面の負担も大きくなってしまう。また表皮単品での部品設定がある車種でも、絶版車では純正部品が販売終了となっている例も少なくない。
シート張り替えを専門に行う業者に依頼することで補修も可能だが、バイク用のシートはデザイン的に凹凸が多いため費用がかさむ場合も多いのが悩みの種となる。
NTBシートカバーは新旧モデルや排気量に関わらず200車種以上製品をラインナップ

シートボトムが鉄板製の場合、「サメ歯」と呼ばれる鋭く尖った三角歯で表皮を固定する。経年劣化でボトムが錆びると歯が脆くなり、ドライバーなどで起こした際に折れてしまうこともある。複数の歯が折れると表皮を固定できなくなってしまうので要注意。
純正部品と同等の性能でプロメカニックからの信頼も厚い「規格部品」を開発する丸中洋行では、中古車の整備や補修に欠かせないシートカバーも独自製造している。
シートカバーというと純正シート表皮の上から被せる汎用品を想像するかも知れないが、NTBのシートカバーは純正表皮と交換するタイプで、すべて純正シートアッセンブリーから採寸と型取りを行い裁断縫製された専用品で、装着にはエアタッカーを使用する本格派。表皮素材も紫外線による褪色や硬化を起こしづらく、伸縮性の高い材料を吟味しており、多くのバイク販売店で活用されているのが特長だ。
製品ラインナップは原付からビッグバイク、絶版車から現行車まで含めて200種類以上で、さらに全商品を常時在庫しているのでタイムラグなく修理が可能。
シートボトムが樹脂製(ポリプロピレン製)の車種はカバーを張り込む際にエアタッカーが必要で、このタッカーはコンプレッサーのエアで作動するため、相応の設備が必要となるので、DIYユーザーにとってこの点はネックになるかも知れない。
だが表面にシワが出ないよう、四方に引っ張りながらシートボトムに固定するにはエアタッカーが不可欠なので、この点は事前に知っておきたい。
ここで紹介する2台の作業実例のうち、ホンダGB250クラブマンは1983年に発売された絶版車で、純正部品はとうの昔に販売終了となっている。また当時の純正部品はシートコンプリート販売で表皮だけの設定はそもそも存在していなかった。
だが丸中洋行のNTBのシートカバーなら現在でも新品表皮を購入することができる。実際に作業を行ったGB250E型(前後シート分割タイプ)だけでなく前後一体となったGB250J、GB250L/P型用もあり、この点でもラインナップの充実ぶりが理解できる。
丸中洋行には独自のバイクパーツ検索システム「N.T.Bオートパーツサーチ」があり、自分が所有するバイクの型式や車種名、フレーム番号などのキーワードからNTB製パーツを検索できるので、シート補修の際には是非検索してもらいたい。
劣化したスポンジを補修する専用スポンジと接着剤も販売
このGB250クラブマン用シートはタンデム部表皮の裂傷が原因でスポンジが劣化しており、新たにNTBシートカバーを装着した際に角部が凹む懸念があった。
そうした状況にも対応できるよう、丸中洋行ではシート補修用スポンジと専用グルー(接着剤)も用意している。スポンジはバイク用シートの反発力を考慮した汎用品で、劣化したスポンジ部分に合わせてカッターナイフで切断してグルーで貼り付けることができる。
貼り付けたスポンジの表面に多少の凹凸があっても、防水用のビニールをNTBシートカバーを張り込む際の張力でなじむので、表面を均すことに神経質になりすぎる必要はない。
このGB250クラブマンの場合、ライダー用シートのシートボトムが樹脂製でタンデムシートのボトムは鉄素材の板金部品を使用しており、タンデム側のシートカバー固定は鉄板ボトムの一部を三角形状に尖らせた通称「サメ歯」を使用している。
鉄板ボトムにタッカーの針が打ち込めないためだが、1980年代以前の絶版車では鉄板ボトムが一般的だった。このサメ歯仕様のボトムの場合、サビによる腐食で歯が折れやすくなるのが弱点で、古いシートを剥がす際にサメ歯を折り曲げすぎないように慎重に作業することが重要だ。
張り替えたシートカバーは純正アッセンブリーから採寸しているだけあり気になるシワが出ずスポンジ角部のフォルムもきれいに再現できた。この仕上がりなら古い表皮を我慢して使い続けることなく、問答無用で張り替えることをおすすめしたい。

車種によって異なるが、GB250クラブマン用シートカバーの場合はスポンジ左右面の途中に縫製部分があり、表皮に左右方向の偏りがあると縫い目の高さが左右でアンバランスになるため、仮留め時点での確認が重要。ピンと張ったシートカバーでバイク全体の印象が大きく変化する。
エアタッカーで張り込む際は前後端部から先にカバーの位置決めを行う
もう一台の作業実例は、一人乗りの50ccモデル用ながらセミロングシートを採用したホンダジョーカー50で行う。1990年代に発売されたジョーカーは、カスタムテイスト溢れる堂々としたスタイルが現在でも人気の2ストスクーターで、NTBシートカバーは50cc用と原付2種仕様のジョーカー90用をラインナップ。これぐらいの年式になればシートボトムは樹脂製で、古いシート表皮もエアタッカーで張り込まれている。前出の通り、シート表皮が切られているとスポンジが水を吸っていることが多く、その場合にはNTBシートカバーを張る前にスポンジを充分に乾燥させることが重要だ。
また新しいシートカバーを張る際は、最初にシートボトムと表皮のセンターを合わせて前後の位置を決めた後に左右を交互に張り込んでいくのがコツで、NTBシートカバーの前後にはセンターを示すマークが入っており、これをシートボトムの中心に合わせることで左右どちらかに寄ることなく表皮を張ることができる。
表皮の縫製パターンはシート形状によって異なり、ジョーカー50の場合は3枚の表皮で構成されているが、前端と後端の位置を正しく決めることで縫製部分がスポンジ形状にフィットする位置に収まり、仕上がり後のシートフォルムは抜群。エアタッカーがあれば誰もが同様の品質に仕上げられることを思えば、シート補修にとって間違いなく有効なアイテムと言えるだろう。
ラインナップにないパーツは丸中洋行にリクエストできる
丸中洋行の「規格部品」はJASO規格(自動車技術会)やJIS規格(日本規格協会)に基づいて開発され、ISO認証取得工場で製造することで純正部品と同等の品質と性能を両立しながらリーズナブルな価格も実現。
さらに丸中洋行では、バイクメーカーが製造終了とした純正部品について独自に復刻するプロジェクトを展開している。一般的にバイクメーカーが一度廃番した純正部品が再生産されることはなく、汎用品で代用できない部品が販売終了となるとユーザーはお手上げとなってしまう。
ジョーカー50の場合、純正スロットルケーブルとリヤブレーキケーブルが販売終了で、幅の広い純正ハンドルが災いして他車種用パーツの流用もできない状況だ。
このような車種や部品で悩みがあるユーザーは、復刻を希望する部品を丸中洋行に送ることで、製品化が可能か否かの検討を依頼できる。
丸中洋行では一品物のワンオフケーブルの製造は行っていないため、実際に製品化を行う際は一定数以上の大量生産となる。そのため、市場での人気や現存台数によっては製品化のメリットがないと判断される場合もある。また形状や仕様を細かな部分を含めて純正部品同様とするため、構成部品の入手が難しい場合も製品化に至らないこともある。
しかしメーカー純正部品が販売終了となってしまった際には、絶版車ユーザーにとって丸中洋行の試みは最後の砦となるので、欠品部品で困った時には丸中洋行に相談してみると良いだろう。

スロットルケーブル(右)は雨水などが浸入して内部で錆び付き固着しており、リヤブレーキケーブル(左)は作動するものの潤滑不良でレバーの操作感はザラザラ。どちらも純正部品が販売終了でなので、現物を丸中洋行に発送して製品化の検討を依頼した。どのような回答が得られるかは今後の推移次第だが、廃番パーツに悩むユーザーにとっては大いに頼りになるはずだ。
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