コスパに優れるHJCが送る、内蔵バイザー付きフルフェイスがi71。ソリッドカラーで3万円を下回る価格ながら「基本性能に優れるオールラウンダー」との触れ込みだ。その実力をさっそくチェックしてみた。

内蔵バイザーや専用インカム装着システムが特徴、ピンロックも標準だ

HJCは韓国に本社を置く二輪ヘルメット専用メーカーで、1971年に創立。年間100万個以上のヘルメットを世界60か国以上で販売し、モトGPライダーなどのレースへのサポートでも有名だ。日本にはRSタイチが正規代理店として輸入販売を行っている。

低価格帯のエントリーモデルから高額なレーシング仕様まで幅広くラインナップしており、いずれも高いコスパが魅力だ。今回取り上げる「i71」は2024年に国内登場した内蔵サンバイザー付きのフルフェイスで「基本性能に優れるオールラウンダーモデル」と紹介されている。ソリッドカラーで3万円を下回る価格ながら、スタイリッシュな外見をはじめ、専用設計インカムをビルトインできる機構などが特徴だ。

i71(HJC)は、シャープな外観を持つ内蔵サンバイザー付きフルフェイス。帽体は軽量かつ耐衝撃性に優れたポリカーボネート製だ。曇り止めのピンロックシートが付属する。写真はLサイズで、セミフラットブラック。

●価格: 2万9920円~
●サイズ:S、M、L、XL
●規格:JIS
●メーカーサイト:https://www.ec.rs-taichi.com/hjh247.html

正面から見ると丸い帽体と、鼻先までしっかり覆うサンバイザーが目立つ。内蔵サンバイザーやインカム用スペースがあるためか、帽体はやや大きめ。UV(紫外線)99%カットを謳うHJ-38シールドを採用する。

各部に配置されたシャープなリブと前後に長いエアロフォルムが特徴。HJCでは実際のテストに加え、空力、ベンチレーション、騒音などをテストする最先端の風洞実験施設で開発されている。

リヤビューも凝ったデザイン。整流効果を高めるスポイラー風の造形が後頭部に設けられる。

エッジが効いた、前頭部のエアインテーク。ワイドな設計で効率的に走行風を取り込む。中央のスイッチでオンオフが可能だ。

口元のエアインテークも2段階開閉が可能。走行風をシールド内側に流してシールドの曇りを緩和する。アゴ下には逆スラント形状のスポイラーも装備。

後頭部のエアアウトレットは、前部のダクトと対になるデザイン。スイッチは備えず、常時開放式だ。

内蔵バイザーの開閉スイッチはチンガード左下に装備。後方にスイッチを引くとバイザーが下りてくる。ワイヤーによる直動式で、スプリングは採用していない。

内装ボトム部にはリフレクターとハニカム模様を施し、質感が高い。着脱式のチンカーテンが標準装備される。アゴ紐の締結方法はDリング式。

シールドは全閉時にスプリングで圧着度を高める設計。全開にして手前のレバーを引けばワンタッチで取り外せる。

両サイドと後頭部裾に、別売の専用インカムの「SMART HJC 21B」(3万30円)と同「50B」(4万9500円)をビルトインできるスペースを設置。

帽体にはスピーカーホールと配線のルートを装備。耳元のパッドを外すとスピーカーホールが現れる。

チンガード裏側にはマイク用ホールとルートガイドも装備。

SENA製の専用インカムHJC 21Bをビルトインした状態。取付スペースにピタリと収まり、外観、使い心地とも申し分なし。装着もカンタンだった。

専用インカム以外への対応も万全。別売の「インターコムホルダー」(2860円)を装着すれば、他社製インカムをカンタンに取り付けできる。

この価格帯にしては質感、被り心地、換気性能とも十二分

実物はかなりスタイリッシュ。3万円前後の価格帯としては各部の質感もしっかり高い。

被り心地はリラックスした印象。普段SHOEIでLサイズを被る筆者の場合、頭部を柔らかくホールドし、頬の締め付けもソフトだ。

海外のヘルメットは頭の形が日本人に合わないケースも往々にしてあるが、RSタイチが国内販売しているHJCのヘルメットは、日本人向けのオリジナル内装を装備しているので安心。なお、センターおよび頬の調整用パッドがオプションで用意され、フィット感をアジャストできるのが嬉しい。

走り始めると、40km/h程度から頭頂部に風を感じる。頭部のエアインテークは1か所のみだが、換気効果は非常に高い。

サンバイザー内蔵モデルは帽体が大きくなり、風切り音が発生しやすいが、本作はバイザー内蔵にしては静かな部類。80km/h程度からやや風切り音が目立ってくるが、気にならないレベルだ。

空力性能も上々で、100km/h巡航でも帽体が押し戻されたり、煽られる感覚もなかった。チンガードが標準装備され、アゴ下からの巻き込み風は全くナシ。快適にクルージング可能だ。

メガネやサングラスのツルが収まる部分のスポンジを薄くしたメガネスリットを装備。ツルが柔らかいメガネは入れにくかったが、ツルが丈夫なタイプはスムーズに着脱できた。圧迫感も少ない。

アゴ紐カバー以外の内装を着脱可能。速乾生地を採用し、サラッとした触り心地だ。

サンバイザーは明暗差が少なく、実に視界良好

眩しい日差しを防ぎ、瞬時にクリアシールドに戻せる内蔵サンバイザーはやっぱり便利。歪みがなく視界が良好で、開閉スイッチに指がかけやすいのもマルだ。とりわけ素晴らしいのは、ノーズガードとの隙間がほぼない点。ここまで隙間がないモデルは珍しく、周囲との明暗差が少ない。真面目な話、バイザーをしているのを忘れるほど視界が自然。また、メガネに干渉することもなかった。

シールドを開ける際、やや力が必要で微開状態にもできないが、全閉でロックでき、スイッチを押して引き上げるシールドロック機構が使いやすい。また各種スイッチの操作性がいいのも好印象だった。

内蔵バイザーはロングタイプで、ノーズガードとの隙間は約10mmと狭い。明暗差が少ないため、視界良好だ。写真は最も下まで下げた状態。

サンバイザーは高さ調整が可能。インカム用カバーを外した内部にストッパーがあり、鼻の高さに合わせて3段階に調整できる。

写真はサンバイザーを最も上にセットした状態。最大で4mmほど上に移動する。

少し気になったのは、帽体がやや重いということ。筆者実測で重さは1719g(Lサイズ チンカーテン含む)。サンバイザー内蔵タイプの上にポリカーボネート製帽体のため、ある程度の重さは仕方ない。ただし、その分、ガラス繊維のFRP製ヘルメットより価格が抑えられているのはメリットだ。

[まとめ] 性能・デザイン・価格のバランスが良好、インカム派にオススメ

i71は、コスパのいい内蔵サンバイザーヘルメットを探している人にオススメ。「性能」「デザイン」「価格」の三者のバランスが取れており、3万円未満の価格帯では優れた性能&デザインを持つヘルメットと言える。スポーティなバイク全般に似合うのもポイントだ。

そして、当然ながら別売の専用インカムとのマッチングが抜群。性能の高いヘルメットとインカムの組み合わせを6万円以下で揃えられるのは魅力だ。特に、インカムをまだ持っていない人で、スマートにインカムを使いたい人へ強く勧めたい。

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