
文/Webikeバイヤー:yasuo
ミシュランのスポーツ系ラジアルタイヤ『POWER』シリーズが刷新されました。
2020年デビューの新作『POWER 5』をWebikeスタッフyasuoが愛車MT-09に導入し、約400kmのツーリングに行ってきたので感想をレポートします。
目次
POWERという冠ネームはミシュランのスポーツラジアルの代名詞
初代『パイロット パワー』は2000年頃に登場し、当時のバイク仲間の多くが使っていました。グリップ、ライフ、デザイン、軽さ、乗りやすさ。このバランスが良い傑作タイヤですね。今でも同じパターンの後継パイロットPOWER "2CT"は現役でラインナップしているほど。指名買いが多いのでしょう。
その流れと歴史を噛みしめて、発売したてのPOWER5を装着してみました
2017年に登場したPOWER RSのデビューから3年。「MICHELIN POWER EXPERIENCE」シリーズとして早くも世代交代がありました。POWER RSの後継として、ストリートでの多彩なシチュエーションでも安定した性能をめざしたPOWER 5と、サーキットユースのタイムアップにも配慮したPOWER GPに分化してきています。どっちもハイグリップタイヤの分類に入りますが、わざわざ細かくしてきたあたり、ミシュランの本気度を垣間見ることができますね。
POWER 5に交換 『これは軽量!』
毎度のことながら自分で組んでいます。タイヤ交換DIYの記事もご興味があればご覧ください。
組み換え作業を通じて、タイヤの構造上の特徴…具体的にはケーシングの柔らかさ/硬さ・サイドウォールの厚みやラウンドRの付き方・実寸の太さなどを感じとることができます。同じサイズでも銘柄によって驚くほど作りの違いを感じるものです。
ミシュランのPOWERシリーズは昔から軽い印象ですが、POWER 5の装着作業では、まずその軽さが印象的です。
作業ガレージには体重計しか無いためザックリな感じですが重さを測ってみました。
▲旧タイヤ(国産ブランドのスポーツツーリング系 6部山程度)→約10.0kg
比較対象が新品同士だと、その差はもっと大きいでしょう。
バネ下重量の、しかも回転慣性の大きい外周部分にあるタイヤの軽量化はハンドリングに大きな影響・効果があるのではないかと期待が膨らみます。
デザインもモダンになりました
パターンやデザインも公道での使用では重要でしょう。トレッドパターンはリアビューの顔です。
前作POWER RSをルーツとしながらも最近流行りの装飾パターンも入ってイケメンになっています。
また、エッジ部分にディンプル模様のような細かい窪みが入っています。機能的な効果は分かりませんが、アマリングが目立ちにくいかもしれないのと、雨天走行時に視覚的な安心感がありますね。
サイドウォールのデザインもMOTOGPみたい。走る前からワクワク感が盛り上がってまいりました。
テストランという名目のツーリングに行ってきた
高速道路~ワインディングを中心とした約400kmのスポーツツーリングでのテスト使用のインプレをお届けします。
過去にタイヤメーカー試乗会には多数参加してきましたが、今回の公道ツーリングがこのタイヤPOWER 5の初走行になります。
一般道
交差点でくるっと曲がるような操作に対してフロントタイヤの安心感があります。
サーキットユースを想定しているようなグリップ至上主義なプロダクションタイヤでは、交差点などでふわっと倒れる感覚があって構えてしまうのですが、このタイヤはROAD5のようなツーリング主体のタイヤに近い感覚です。
今は夏ですが、路面温度が低い季節でもタイヤ温度を気にしないで走れそうです。
高速道路
乗り心地の良さとレーンチェンジの軽さ。
従来のタイヤ(国産系ツーリングスポーツ)と比較するとクッション性が良く、継ぎ目での突き上げが抑えられています。組付け時に感じた柔らかさを持つ構造なのでしょう。
3時間ほど高速道路を走りましたが、お尻や腰の負担が少し軽減しています。MT-09オーナーなら分かる、あのお尻の痛みが軽減します!
直進性は軽め。タイヤの軽量化によるジャイロ効果の減少が、バイク自体の軽快さに貢献しているのでしょうか。
レーンチェンジも軽快な部類です。ルーツとなるパイロットPOWERに似た印象ですね。
ワインディング
怖くないのです。愉しい。
一般公道のためタイヤのパフォーマンスを使い切ることはできませんが、ちょっと元気なツーリング。というペースで走ってみました。
狭くて路面が悪くて1-2速を多用するような県道では、前述した交差点の印象の通りフロント接地感の安心が印象的です。バネ下の軽量化によるハンドリングへの相乗効果はここでも発揮されています。←誰でも感じ取れると思いますコレ!
また、グワーっとスロットルを開けていけるような気持ち良い中速域の国道系ワインディングでは、高速道路で感じたリアタイヤの柔軟さが、タイヤを潰している感に繋がってとても心地よいのです。
いわゆるハイグリップタイヤにありがちな、あのベッタリ感の良い面が現れます。充分な(充分すぎる)ドライグリップです。デュアルコンパウンド2CT(リアは2CT+)やフロントのケーシングも変更されていますので、機会があれば前作POWER RSとハンドリングの比較をしてみたいものです。
なお、個人的にはMT-09では指定空気圧よりも低めのほうが、このタイヤの良さである柔軟性が光るように感じました。
重量級のマシンでは少し違う印象があるかもしれません。
雨
今回のツーリングでスコールにも見舞われまして、しっかりウェットテストにもなりました。。
1世代前のツーリングタイヤ ROAD4に近いぐらいのWET性能がありそうです。
接地面に対する溝の面積の割合:ボイドレシオ(接地面に占める溝の割合)11%というデータがあり、
これは決して高くありませんが、その数値よりも溝の深さやシリカなどの配合の効果なのか、
愛車MT-09に以前履いていたツーリング系タイヤよりもABSの介入頻度が下がっています。
耐久性
まだ分かりません。
夏の高速道路を常識的なペースで走った後のセンターの荒れはサラッとしていました。
とはいえスポーツタイヤですので、峠ばっかり走り続けると、さすがにサイドから減っていくのではないかと思います。
まとめ:こんなライダーにおススメ!
- 長距離ではなく週末のワインディングツーリング主体
- 高速道路を経由して郊外の峠を積極的に堪能したい
- グリップは高いほど良いけど季節や気候の許容性や安全性も欲しい
- 硬質な突き上げが気になる方
- 過去のPOWERシリーズが好きだった方
- ツーリングで疲れにくいタイヤをお探しの方
そんなライダーにお勧めします。
年間1万㎞以上走るかたはツーリング向けのタイヤをチョイスしてくださいね。
サーキットを走る方は、タイムアップを狙えるプロダクションタイヤをチョイスしてください。
POWER5は、公道メインでワインディングを積極的にコントロールしながら駆け抜けたい。
そんなライダーにピッタリです。
私自身のバイク指向にはベストな選択だと感じましたので、少々熱めのレポートとなりました。
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