外車を中心としたアルミ削り出しパーツの老舗である京都のAELLA(アエラ)がスズキのハヤブサ用のパーツを多数開発。元世界王者の北川圭一さんがテスト!

AELLAがいま改めてハヤブサ用のパーツを開発する理由とは?

1998年に登場したハヤブサはスズキのロングセラーモデル。2008年には第2世代に、2021年には第3世代となり、現在ベテランに愛される存在として揺るぎない強さを持っている。

1998年、スーパースポーツやクルーザーという枠にとらわれないバイクを作ろうとはじまったスズキのニューモデルのプロジェクトは困難を極め、なかなか答えは出なかった。しかし、ある時、開発陣の1人が空を飛ぶ隼を見た。

隼という鳥は普段は悠々と飛んでいるけれど、いざというときにスピードを出す。「300km/h出るバイク」「ゼロヨンで10秒切るバイク」をつくろうといってもいいバイクはできないが、隼みたいなバイクをつくろうとなったら様々な発想が出てきたのだという。

隼は普段は苦労してスピードを出していないはず。そのイメージで考え、スペックが決められた。隼が上昇気流に乗っているときは普段ライダーが使うところ。獲物を狙うときが300km/h を出すとき。隼はそれほど強い鳥ではないけれど、いざという時は本当に速い。

僕はハヤブサが誕生したこのストーリーがとても好きだ。

ハヤブサはまさにこのイメージが形になっているし、こうした物語があることがロングセラーの理由だと思う。ストーリーがあり、それをスズキとユーザーが育み続けているバイクがハヤブサなのだ。

「京翠(きょうすい)」と名付けられたマットグリーンのアエラのハヤブサ。京都らしいデザインと雰囲気はラッピングによるもの。

迫力のあるボディだけにラッピングの効果は絶大。マフラーはアールズ・ギア製のフルエキゾーストを採用。

 

ただ、それだけにハヤブサのカスタムはとても難しい。全方位で最高性能を目指し、進化し続けているハヤブサはまさに熟成の極み。ノーマルの完成度がとても高く、一方でカスタムシーンもそれなりに成熟しているからだ。

だからこそ、京都のカスタムパーツメーカーであるAELLA(アエラ)は考え、試行錯誤した。

ハヤブサを愛するライダーはベテランだ。社会的地位もあり、時間を捻出してハヤブサを楽しんでいる方も多い。だからこそハヤブサとの時間をさらに濃密にする必要がある。安全と快適性、他を圧倒する性能と優位性を追求しつつ、高級感を与えた。アエラはハヤブサの資質とも言える性能をさらに全方位で伸ばすためのカスタムに着手したのだ。

アルミ削り出しトップブリッジ&可変ハンドルバー/トップブリッジ(7万1280円)、可変ハンドルバー(7万9750円)
キャリアや体型、好みなど、多くのライダーにフィット。写真の無電解ニッケルめっきはプロトタイプ(今後、発売予定)。その他、全15色から希望のアルマイトカラー(1万3000円/1色~)を選ぶことも可能。詳細は要問い合わせ。
幅:665mm(純正628mm)
高さ:+47mm(純正 0mm)
垂れ角:4°(純正9°)
絞り角:19°±2°(純正35.5°)
重量:1.71kg(純正2.46kg)

アルミ削り出しパーツで構成された可変ハンドル。絞り角の調整やスペーサーの厚みを変えることで高さも調整可能。

京都の老舗であるアエラのハヤブサに、京都出身のライダー北川圭一さんが試乗

今回アエラは、改めてハヤブサの魅力を引き出すために北川圭一さんにテストをオファー。北川さんはTT-F1、スーパーバイクを戦い、2003年には全日本ロードレースのJSB1000クラスで、2005年と2006年には世界耐久選手権でチャンピオンを獲得している。

京都で物作りをするアエラと京都出身のプロライダーである北川さんがコラボ。走るのは京都の嵐山-高雄パークウェイだ。北川さんはレーシングライダーの印象が強いが、ハヤブサを2台乗り継ぎ、現在は第3世代のハヤブサオーナーでもある。

「レースを辞めたタイミングで、普段の乗るバイクが欲しいなぁと思っていたんです。そんな時にアメリカで2型のハヤブサの試乗会があったんです。それまで乗っていたGSX-R1000をストレートであっさり抜ける。凄いなぁと思い、2型を買い、3型が出たタイミングで乗り換えました、今もハヤブサ祭りに自走で行ったりしていますよ」と北川さん。

左からアエラの和田伸也さん、北川圭一さん、アエラの飴谷一浩さん。

ライディングステップキット/8万9100円(ポリッシュ)、9万4600円(ブラック)
ステップベースはワンピース構造。張り出しを抑えることで、操作性を向上させている。ポジションは、後10mm/20mm、上10mm/20mmの4つを用意。2024年式で適合確認済み。写真の無電解ニッケルめっきはプロトタイプ(今後、発売予定)。その他、全15色から希望のアルマイトカラー(1万3000円/1色~)を選ぶことも可能。詳細は要問い合わせ。

チェンジペダル側は同軸タイプとし、クイックシフターとの相性を向上。ダイレクトなシフトフィールが直感的で楽しいライディングを実現。

 

「ハヤブサマイスターの北川さんに乗って欲しいと思いました。製品のインプレッションや様々な意見を聞くことで、それがアエラの物作りを次のステップへと導いてくれると思ったからです」とアエラの和田さん。

「サーキットではなく一般のライダーにもっと楽しんでもらうのがアエラのコンセプト。多くのライダーにフィットするステップは複数ポジション、ハンドルもアジャストできるようにしています。ただスズキのバイクを触るのは初めてのこと。高速ツアラーも初めてのことなので、試行錯誤しました」とアエラの飴谷さん。

可変ハンドル&ステップで自分だけのポジションを追求

北川さんは様々なことを確かめるようにゆっくりと走り出す。初夏を思わせる薄いグリーンの山々に京翠と名付けられたマットグリーンのアエラのハヤブサが溶け込んでいく。嵐山-高雄パークウェイは様々なコーナーを繋いだワインディング。フルチタンマフラーからは心地よいハヤブササウンドが轟く。

様々なコーナーを優雅に駆け抜ける北川さんとアエラのハヤブサ。

 

身長173cm、スラッとした北川さんにアエラのハヤブサがフィットする。ハンドルはノーマルより47mmアップ、たれ角や幅も変更されている。ステップはノーマルよりも1cmアップ、1cmバックしている。リーンウィズで駆け抜ける姿は、とても優雅でハヤブサらしい。

「ポジションは本当に大切です。動きやすいか、荷重をかけやすいか、こういったことが乗りやすさや疲れにくさに繋がります。ハヤブサのノーマルポジションは万人向け。とてもよくできています。ただ少し前傾。長距離走行時にアップハンドル化は良いと思います。ステップは少し窮屈に感じる部分がありましたが小柄なライダーには良いかもしれません。ステップバーは、グリップがよく、動きやすかったです。

ただ、個人的にはハンドルはもう少しタレ角をつけたい。ステップもノーマルポジションでこのクオリティのものが欲しい。バージョン2に期待したいですね(笑)。よかったのはシフトホルダーの効果によるシフトタッチの良さです。アエラらしい質の向上を簡単に体感することができるのでオススメです」と北川さん。

アップハンドルに手を伸ばし、リーンウィズのままワインディングを駆ける北川さん。

シフトホルダー/9460円(ブラック、ホワイト)
ギアチェンジ時のシャフトのぐらつきを軽減し、シフト操作時に確実な操作を実現。本体はアルミ削り出しで、シャフト軸受け部にはフッ素樹脂を削り出したオリジナル部品でフリクションを軽減。2ピース構造で、簡単に取り付けできるのも魅力。2024年式で適合確認済み。写真の無電解ニッケルめっきはプロトタイプ(今後、発売予定)。

 

「可変できるハンドルって今までにありそうでなかったんです。絞り角を可変できるようにして、より多くのライダーにフィットするようにしました。ステップも同様です」とアエラの飴谷さん。

「アエラにハヤブサのイメージを持っている方はまだまだ少ないのが現状です。今後は様々なイベントに持ち込み、多くの方に見ていただきたいと思っています」とアエラの和田さん。

アエラの挑戦は始まったばかりだ。ハヤブサのようなハイスペックなバイクは「凄いバイクに乗っている」という優越感と、「そうは言いつつもっとフレンドリーに乗りたい」という要望が常に交錯する。

ある意味矛盾したその2つをアエラはバランスさせようとしている。その挑戦はとても難しい。しかし、とてもやりがいのあることだ。アエラは今後も様々なハヤブサ用パーツを手がけていくというから、ハヤブサオーナーはチェックしていただきたい。

様々なフィードバックをくれた北川さん。

カーボンハイスクリーン(スモーク)/4万8400円
純正より約75mm延長し、風防効果を高めた。カーボントリムを採用し高級感を演出。2024年式で適合確認済み。

ショートナンバーホルダー/3万7840円(ブラック)
ボルトオンで装着可能。高級感のあるアルミ削り出しで、リヤまわりをシャープに演出。写真の無電解ニッケルめっきはプロトタイプ(今後、発売予定)。

オイルフィラーキャップ/4620円(ブラック、レッド、ゴールド)
アルミ削り出し。6角穴タイプのため、手で簡単に回せず、盗難防止対策にも効果あり。ワイヤーロック用の穴加工も施されている。写真の無電解ニッケルめっきはプロトタイプ(今後、発売予定)。

フレームスライダー/3万5750円
転倒によるダメージを軽減し、自走率を高めてくれる。張り出し感が少ないすっきりとした印象だが、スライダーとしての機能を発揮。2024年式で適合確認済み。

フロントアクスルスライダー/1万4300円
転倒時のダメージを軽減。飛び出し感が少ないデザインが魅力。2024年式で適合確認済み。

レーシングスタンドフック/2万460円(ブラック、レッド、ゴールド)
V字タイプのリヤスタンド用フック。MFJの規格に準拠した6mm厚のアルミを使用。位置決めは偏芯カラーを使用し、ボルトの外周にジュラコン(樹脂)を装着し、スイングアームの傷つきを防止。写真の無電解ニッケルめっきはプロトタイプ(今後、発売予定)。スイングアームエンドに装着されたオーバーサスペンションは、イタリアのシュプリーム テクノロジー製。ハヤブサ用は絶賛開発中だ。

ブレーキレバーガード&バーエンドスライダーセット[内径16mm〜17mm対応]/2万6400円
アエラ製可変ハンドル用。ハンドルを変更することでアエラの様々なオプションを装着することが可能。

ハンドルバーエンド チタンカラー2枚セット[Φ30×3mm厚]/4620円
こちらもアエラ製可変ハンドル用。陽極酸化処理されたブルーのパーツ(6820円)はチタン製のカラーで防振効果のあるパーツ。

ラジエター&オイルクーラープロテクターセット/3万5200円(ステンレス)、4万700円(ブラック)
前輪や前車が巻き上げた小石などから、ラジエターとオイルクーラーをガード。

サーキットでなく一般道で扱うことの楽しさやスポーツ性を追求するアエラの物作り。今後の展開に期待したい。

元世界王者・北川圭一がAELLA スズキ ハヤブサ「京翠」に試乗!【成熟したハヤブサに、いま求められることとは?】ギャラリーへ (23枚)

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