【インプレ】まさにアドベンチャーバイク用スーパーコルサ！？ PIRELLIの最新アドベンチャー用ツーリングタイヤ「SCORPION Trail III」をテスト

スポーティなタイヤを得意とするPIRELLI(ピレリ)より発売されたアドベンチャー用ツーリングタイヤの最新作「SCORPION Trail III(スコーピオン・トレイル3)」。スコーピオンシリーズで“最強”のスポーツ性能を持つという「3」をテストしたので、そのインプレをお伝えしたい。

峠で敵なし？ とにかくスポーツ走行に特化した最強のスコーピオン

アドベンチャーをスーパーバイクの様に走らせることができるスコーピオン・トレイル3

近年のスコーピオンシリーズといえば、アドベンチャー用のツーリングタイヤというイメージを持つライダーも少なくないだろう。事実その通りなのだが、元々はオフロードレースでの活躍から生まれたタイヤであり、徐々にオンロード寄りのタイヤへと変化したという経緯がある。そして今回新たに登場した「スコーピオン・トレイル3」はその最たるもので、オンロード95％、オフロード5％の設定で製造されたアドベンチャータイヤなのだ。

まだオフロードでの走行性能を完全に失ってしまったわけではないものの、近年のアドベンチャーユーザーがオフロードを走行することは稀。主な使用用途がツーリングになってきているため、その最適解を求めて誕生したのが「スコーピオン・トレイル3」というわけ。

製品説明会の会場でお目見え。トレイル2から大幅にトレッドパターンが変更され、ディアブロシリーズ由来の技術が投入されている

特徴はとにかく“スポーティ”であること。「トレイル2」から大きく進化したトレッドパターンにより、接地面積を増加させ、シーランド比を18％から15％に最適化。サイドのスリックエリアの拡大によって深いリーン角でもスポーティな挙動を可能にし、高いロードパフォーマンスを実現している。同社スーパースポーツタイヤである「ディアブロ スーパーコルサ」を彷彿とさせるパターンを持ち、実際にスコーピオン史上で最もスポーティなタイヤに仕上がっているという。ただでさえ峠に強いアドベンチャーが無敵のマシンに進化するというわけだ。

そんなトレイル3をサーキットで使用した感想をお伝えしよう。

ピレリの二輪車タイヤ部門 部長の児玉 秀人氏による製品説明の様子。新型スコーピオンの持つキャラクターを解説してくれた

速度が上がるほど笑みこぼれる！ ビッグアドベンチャーがどこまでもバンクする感覚は爽快

今回試乗車として選ばれたのは、世界的に人気の高いビッグアドベンチャー「BMW R1300 GS」だ。正直なところ、最初は「本当にコレでサーキットを速く走れるのだろうか･･･」と疑念が湧いたものだが、走り始めて驚愕することになる。

アドベンチャーの筆頭と言えるBMW R1300 GS。シート高850mm、車両重量237kgと大柄である

大柄なR1300 GSであってもトレイル3の鋭いトレッドパターンはアグレッシブな走りを予感させる

まずすぐに実感したのはその圧倒的な“旋回性能”の高さ。コーナーに差し掛かった際にフロントへ程よいトラクションがかかりつつ、想像していたよりも車体が勝手に深くバンクしていくのだ。巨大なGSがまさに羽の如く軽く感じ、ヒラヒラとコーナリングを楽しむことができた。

240kg近い車体が嘘かと思うほどヒラヒラと曲がってくれる。速度を上げれば上げるほど、その意志にタイヤが答えてくれるのだ

タイヤのグリップ力や接地感を意識するというよりも、とにかくクイックに走り抜けてくれる爽快感が印象的だ

特にバンクした際の姿勢維持が非常に楽で、タイヤが地面に対して鋭く刺さっているかのようでもある。“ここ！”と決めたラインに対して、タイヤがピッタリと息を合わせてくれるのだ。急なコーナリングでも深いバンク角のまま軽々と旋回でき、アクセルを開けるとすぐにタイヤが従うことで車体が立ってくれる。ストレートからコーナリングまでひたすら速度を上げてしまいたくなる、そんな特性があるように感じた。

正直、まさかビッグアドベンチャーでここまで走りが楽しめるとは思わなかった。素直に「トレイル3」が持つポテンシャルの高さに脱帽である。

アドベンチャーでスポーティな走りを楽しみたいライダーには全力でオススメしたいエキサイティングなタイヤだった。

自身のアドベンチャーバイクのスポーツ走行を最大限楽しみたいのであれば、トレイル3以上に適任なタイヤは思いつかない

SCORPION Trail III 詳細

SCORPION Trail III

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