「バイク人気は下火になりつつある」と聞いていたハズなのに、蓋を開けてみれば会場は外の寒さなど嘘のような熱気でむせ返るような混雑ぶり!新型バイクのお披露目や跨れるバイクも数多くあり、それぞれに楽しまれていたように思います。
筆者としては正直、すでに乗っているバイクにはさほど興味が無く、日常の整備で使うケミカル用品に興味津々。今回はそんな新新たにリリースされていた気になるケミカル用品をピックアップ!

大々的な発表があった【ProHonda】

直近で大きな発表だったといえるのはホンダから販売されていたエンジンオイル、ケミカル用品類が4月から【ProHonda】というブランド名になり、全てが一新される事ではないでしょうか?

今後は徐々にになるとは思いますが、ウルトラシリーズからこのデザインに変わっていくはずです

今回のモーターサイクルショーのホンダブースでも大々的なトークショーが行われたくらいです。
Astemo Pro Honda SI Racingチームの伊藤真一監督と野左根航汰選手も登壇。

伊藤真一監督と野左根航汰選手の登場の時点で会場のファンはヒートアップされていました!

そしてエンジンオイルの開発にも関わっているという、MotoGPマシン開発ライダーの中上貴晶氏も登壇。
モーターサイクルショーには初めて来たという事でした。

MotoGP現役当時に今の時期にはテストなどで忙しく、モーターサイクルショーに来る事はできなかったでしょうね…

とても豪華なメンバーでProHondaのエンジンオイルに関しての裏話なども聞く事ができました。
ちなみにブース内には野左根選手がレースで乗る”本番車”(CBR1000RR-R)がそのまま展示。

今シーズン全日本ロードレース選手権を走るマシンにもProHondaのロゴが入っています

グリップカバーにも野左根選手の名前が入っていました!

グリップカバーは不意にオイルなどを付けてしまわないようにできるので、整備をする際に便利です

伊藤真一監督曰く、ProHonda立ち上げ当初はエンジンオイルのグレードとして【STANDARD】しか無かった故、心配ながらもレース車両にも使っていたようですが、問題は無かったそうです。
トップグレードである【RACING】がリリースされてからはそちらを使用しているとの事でした。

現状ではサテライトチームにカストロールのロゴが入っていますが、ゆくゆくはどうなるのか?楽しみですね

まだ店頭の製品が入れ替わるまでに時間はかかると思いますが、ホンダが威信をかけて一新するくらいですから楽しみな製品です。
ホンダのMotoGPマシンにも大きくロゴが入るかもしれませんね!

ラベルデザインがイケメン?【シルコリン】の新製品

超音速旅客機コンコルドのマークで有名だったメーカーですが、すでにコンコルドは飛んでいないためか、今はロゴデザインとしては見かけなくなりました。
発祥としてはイギリスのメーカーになりますが現在はドイツのフックス傘下のメーカーです。ただ、製造拠点はまだイギリスにあるようです。
日本でもエステル系エンジンオイルとして老舗といえるほど歴史は長く、ちょっと”ワケ知りそうなショップ”では好んで使われる事が多かった印象です。

シルコリンの長らく定番として販売されてきたPro4には一定のファンが居ますね

シルコリンのエンジンオイルの代表的なグレードといえるのは【Pro4】です。
他のグレードにも粘度10w-30の物が新たに加わる事となり、主にホンダ車のユーザーにはちょうどいい粘度が選べるようになりました。

メーカー希望小売価格:¥4,236~(税込)

昨年の鈴鹿8時間耐久レースにSSTクラスで出場していた、TONE RT SYNCEDGE 4413 BMWの車両(BMW M1000RR)も展示されていました。

シルコリンがレース現場でも活躍しているのはうれしいですね

2024年度の全日本ロードレースでもサポートをしていた実績があり、性能の高さを裏付けています。

そしてエンジンオイル以外にもシルコリンにはケミカル用品が多く存在します。
バイク用品店では残念ながら見かける事が少ないのですが、信頼のおける製品群です。

店頭で見かける可能性があるとすればこのあたりの商品になるとおもいます

店頭などで見かる確率が比較的高い製品としてはエステル系チェーンルブとGR2グリスです。
以前は大容量のカップに入ったグリスしか存在しなかったのですが、最近はチューブ入りの使い勝手がいい製品が手に入るようになりました。

と、目線を移していくと見覚えのあるロゴが…?

なんか黒すぎない?と思ったのですよね

なんとシルコリンと同じくイギリスのバイクメーカー、トライアンフのロゴ入りデザインの製品が…!
ちょっとカッコよすぎて興奮してしまいました!日頃からケミカル用品ばかり眺めてる筆者にも初見でしたので…(笑)

エンジンオイルも最近シルコリンでは見かけるようになった詰め替えのボディソープみたいな物にもトライアンフのロゴが…

カッコイイボディソープの詰め替えパック…

概ね中身は通常品と同じらしいのですが、エンジンオイルに関しては幾分成分が違うようです。
ちなみにトライアンフとしてはカストロールを推奨しています。

でもトライアンフオーナーの方でガレージにこんなラベルデザインのケミカル用品を並べられたら素敵ですよね…

阿部商会さんのブースで扱われている商材は全て素晴らしいと思っております

日本での代理店である阿部商会様にはこれからも末永く扱っていただきたいメーカーです。

なぜかメカニックから勧められる事が多い【elf】に新製品

フランスに古くからあるelf、日本でも実績のあるメーカーです。どういうわけか、バイク用品店のメカニックの方から勧められる事の多い気がするのですが筆者だけですかね…?
現在はトタルルブリカンツ傘下にあり、堅実なメーカーといえます。

派手さは無いながらも存在感は流石です

新たにラインナップに加わったエンジンオイルは【MOTO 4 RACE 10W-40】です。

新たにラインナップに加わったMOTO 4 RACEの粘度が10w-40の製品

今までこのグレードには10w-60の粘度設定しか無く、日本の主要バイクメーカーの車両ユーザーにはelfの市販車向けエンジンオイルの中ではトップグレードながら手の出し辛い製品でした。
これでelfの公道市販車向けのスポーツ指向のエンジンオイルとしては使い易くなったといえます。

メーカー希望小売価格:¥2,761(税込)

elfのエンジンオイル群を丁寧に展示されていました

elfのエンジンオイルには所謂鉱物系のオイルが多い事が気になっていたので聞いてみたのですが、鉱油はベースオイルとしての性能は良いとお聞きしました。
一概に合成油が良くてエステルが良いわけではないというのはこの手の製品が好きな人たちには薄ら知っているかもしれませんが…

ラインナップに所謂グループ3のオイルが多いのはベースオイルである鉱物油の良さを生かし、さらに分子構造を均一化する事で性能の高いオイルにする事を目指しているとの事でした。
ちなみにグループ3といっても一括りにはできず精製方法としてはピンからキリまであるので、非常に手間のかかる精製方法で作られている製品も存在しています。

MotoGPでのサポートでお馴染み【リキモリ】

リキモリといえばMotoGPでの公式サポートで有名なメーカー。実はオフロードバイクの方でも海外ではBetaへのサポートで有名です。
エンジンオイルを思い浮かべる方が多いとは思うのですが、筆者としてはケミカル用品の使い勝手の良さ、低価格である事などから使用する事が多いです。

某有名なモトブロガーさんのポップがお出迎え

今回はリキモリからの新製品という事で、3つの製品が紹介されていました。

ケミカル用品ではこの3つの製品がお披露目となりました

チェーンルブとヘルメットケア製品です。
いずれもまだ日本に入ってきたばかりなので見かける事は少ないと思います。

まずは【チェーンスプレー レース】です。

総容量が多いながらもコンパクトなスプレー缶なところがリキモリ製品らしいです

新たにセラミック潤滑剤を配合し、さらにルブの飛び散りを抑えた製品だという事です。

通常ラインナップ?である【チェーンルブ】を使った事がありますが、リキモリの製品は飛び散り辛いと思います。
ただ揮発タイミングが早いためか、注油した直後に拭き取るくらいの方が作業としては正解のような気がしました。

そして【バイザークリーナー】。

小さなサイズの製品なので、ちょっとしたカバンに入れておき易いと思います

100mlも入っているようですので、けっこうな回数を使う事ができると思います。
これから気温が上がってくると虫などがヘルメットのシールドに付く事が増えるので、ちょうどいいと思います。

あと、【ヘルメットインテリアクリーナー】。

写真では伝わり辛いかもしれませんが、細長くてかさばり難いのが特徴のスプレー缶です

ヘルメットの内装クリーナーのようですが水とアルコール溶剤という事ですので、いろいろな個所に使う事ができるかもしれませんね。
これらクリーナー類も長期のツーリングに携行して行くと便利に使えると思います。

リキモリのケミカル用品全般にいえる事ですがサイズが小さい故、野外整備などで持ち運びが多いユーザーには使い易いと思います。
今回の新製品も含め、長期ツーリングへの携行にも向いているのでは?と感じます。

昨今は海外メーカー製品の値上がりが気になるところですが、代理店である谷尾商会様には頑張っていただきたいところです。

テレビでもおなじみの?【ベルハンマー】

ベルハンマーで有名なスズキ機工さんのブース。
東京モーターサイクルショーに出展されるようになってからはいつも人で賑わっている印象が強いです。それだけ注目度が高いという事なのでしょう。

トークショーが行われる度に多くの人が集まっていたのが印象的でした

契約のスタントライダー小川裕之選手とバイクメディアでの活動をよくお見かけする美環さんがMCのトークショーが頻繁に行われていて、その度に人垣ができるほどです。
小川選手のYoutubeチャンネル「OGAチャンネル」が非常に人気で、そこでベルハンマーの事を知って興味を持たれる方が多いのではないでしょうか?

スタントライドで使用されているトライアンフのスピードトリプルもこのイベントではよくお見かけます。

けっこう以前からお見かけするマシンですが、何台か部品取り車もあるようですね…

他にもティムケンテストで製品のテストができるブースなども。

ティムケンテストの機械がたくさん置かれていたのが印象的でした

かなりの自信を伺わせますね。

あとはこのイベントではおなじみの?即売もかなり売れていた様子。
店頭で見かける価格よりも安いようでしたので、欲しい方には願ったり叶ったりでしょう!

東京モーターサイクルショーではいつも見かける即売会です

ベルハンマーといったら今は【ベルハンマーゴールド】のスプレータイプが代表的な製品かもしれませんね。

メーカー希望小売価格:¥4,290(税込)

今回は新製品という事で、【シリコングリス】にも注目が集まっていました。

メーカー希望小売価格:¥1,940(税込)

ブースでの集客を見ている感じではこれからも一定のファン層の方たちは居続けると思いますので、今後の更なる躍進に期待ですね!

1955年創業の歴史あるメーカー【エーゼット】

エーゼットといえば、モーターサイクルショーでチェーンルブを配って認知度が上がった印象があるのですが、1955年に創業という事で企業の歴史としては長く、ホームセンターでも以前からよく見かけるメーカーだと思います。
元々は産業機械向け製品から成り立ち、自動車やモーターサイクル分野には約20年ほど前から本格的になってきたようです。

今回は旧車向けエンジンオイルをリリースされるという事で、空冷Zが置かれていました

今回の目玉としては、【旧車向けのエンジンオイル】(MEV-104)をリリースするという事でした。

デザインがどのエンジンオイル製品も似ているので正直、見分けは付き辛いですね…

6月からの本格販売を前に4月4日から公式オンラインショップで数量限定での先行販売が行われるようです。

クルマ用の旧車向けエンジンオイルも発売になったばかりです

エーゼットの製品は産業機械菜など幅広い分野での供給が多いためか、比較的安価で製品の性能に対しても一定の評価が得られている事からユーザーとしてはありがたい存在なのではないでしょうか?
いかんせん宣伝広告がほぼ無く店頭で見かける事も少ないため、ネットでの情報が頼りな部分もありますが、それ故の低価格実現というのもあるのでしょう。

さらに歴史の長い1947年創業の三和化学の【ベリティ】

最近は自転車業界でもチェーンルブなどの人気があるベリティ。堅実な製品作りに揺るぎないものを感じるメーカーさんです。
意外と旧車、大型空冷エンジン車のユーザーに鉱物油が人気だったりもします。今どきは部分合成油は多いのですが完全な鉱物油となると以前ほど簡単には手に入らなくなったので…

正直、派手さは無いブースに見えますが、要点が抑えられている雰囲気です

ブースの作りもどことなく真面目さを感じさせられるような、シンプルさに好感が持てます。
製品ラインナップも大きく変わった様子は無い様です。

製品ラインナップに大きな変更なく長らく営業をされている印象です

でも見る人が見ればマニアックな商品群なのです…

RB150という、スズキがアジアロードレース選手権で使用していた150ccのオートバイを使用したレースシリーズにも協賛されているようですね。

RB150で使われているスズキのマシン

レンタルバイクで手軽にレースに参加できるという事で、こういうところにサポートをする姿勢にも好感が持てます。

個人的にはベースオイルにグループ3を使い、添加剤としてエステルを使っているというオイルにも好感が持てるのですが、
このオイルを扱っているお店がほとんど無いのが悔やまれますね。他のグレードはそこそこ見かけるのですが…

でもウェビックなら買えるので大丈夫です!

メーカー希望小売価格:¥2,770(税込)

メーカー希望小売価格:¥2,459(税込)

最近はエンジンオイルにどういった種類のオイルが使われているのか?表記されている製品が増えてきましたが、ベリティには以前から表記されていたので、その点にも好感が持てるブランドですね!

【まとめ】ケミカル用品メーカーの出展は減ったとお聞きしていましたが…

今回の東京モーターサイクルショーでの筆者が気になったケミカル用品は以上となります!

事前のお話でチラッとケミカル用品のメーカー出展は減ったというのをお聞きしておりました。たしかに減っているとは思いましたが、必要な情報は一通り得られたという感想です。
昨今の物価高の件もあってか、用品の価格が一定にならないところが気になりますが、扱いをしていただいているメーカー様にはなんとか堪えていただきたいものですね!

【東京モーターサイクルショー2025】見つけた!気になるケミカル用品をピックアップ! (60枚)

この記事にいいねする

今回紹介した製品はこちら

コメントを残す

今回紹介したブランドはこちら