【PR】岸田精密工業 文:栗田晃
空気とガソリンを混ぜて作る混合気は、ガソリンエンジンにとって不可欠な要素である。現在はフューエルインジェクションで供給される混合気だが、以前はキャブレターがその役目を担っていた。1941年の創業以来、自動車やバイクのキャブレターパーツを独自に製造し続けてきたのがキースターブランドで有名な岸田精密工業である。多岐にわたる製品群は絶版車や旧車ユーザーに頼られ愛用されている。
目次
フューエルインジェクションに取って代わった後も生き残るキャブレター
燃焼室内で圧縮した混合気にスパークプラグによる電気火花で着火し、爆発的な燃焼でピストンを押し下げてクランクシャフトを回転させて動力を取り出す内燃機関=エンジン。その一連の過程の先頭にあるのが混合気を作り出すキャブレターである。
現在では原付から大型車まで、ほぼ100%が電子制御によるフューエルインジェクションを採用しているが、それ以前はキャブレターが主役だった。キャブレターは、エンジンが発生する吸入空気がベンチュリーと呼ばれる通路を通過する際に生じる吸入負圧や空気流量によって、フロート室内のガソリンが吸い上げられて混合気を作っている。
新車で購入できる現行車種の吸気系はフューエルインジェクションになったものの、市場にはまだまだ数多くのキャブレターモデルが残存しており、多くのユーザーに愛用されている。
キースターの燃調キットがあれば純正キャブレターのセッティング変更ができる!!

ホンダスーパーカブ50用の燃調キット。パイロットジェットやメインジェット、ジェットニードルは純正のスタンダードサイズを中心に複数のサイズが入っており、混合気を濃くすることも薄くすることもできる。それ以外にフロートニードルやガスケット、Oリングなど整備やオーバーホールに役立つ部品も含まれているのが特長だ。

パイロットジェット3種類、メインジェット6種類、ジェットニードル4種類というのが燃調キットの標準的なセット内容。混合気を濃くするか薄くするかはスパークプラグの焼け具合や走行時のフィーリングで判断する。

パイロットジェットもメインジェットもガソリンや空気が通過する穴径はとても小さく、長期放置などで頑固な汚れや付着したり腐食すると穴径に影響が出ることがある。詰まったジェットの穴を針金などで強引に掘るとセッティングが変わってしまうこともあるので、燃調キットの新品パーツに交換した方が良い。

アイドリングやスロットル開度が小さな領域の混合気量を調整するパイロットスクリューには小さなOリングが組み込まれている。経年劣化でこのOリングが硬化してシール性が低下すると二次空気を吸い込みエンジンコンディション悪化の要因となる。燃調キットを活用すれば、キャブセッティング前の基本的なメンテナンスもできる。
キャブレターで混合気が作られる際にフロート室から吸い上げられるガソリンの量は、パイロットジェットやメインジェット、ジェットニードルなど「インナーパーツ」と呼ばれる部品によって決まる。
バイクメーカーが新車を製造する際は、新品のエンジンと新品のキャブレター、新品のマフラーを組み合わせて開発を行い、その組み合わせで最善のエンジンパフォーマンスが得られるようにジェットやニードルを設定してる。だが、走行距離が増えて経年変化が加わることで、エンジンのコンディションが変化することがあり、またカスタムの一貫としてマフラーを交換するとエンジンが吸い込める空気量や排気効率が新車状態から変化することもある。
そうした変化が生じた場合、本来であればジェットやニードルのサイズを変更してガソリンの量を増減させ、混合気の濃さを調整するのが望ましい。しかしバイクメーカーでは新車かつ純正状態でインナーパーツの仕様を決めており、大半の車種では「セッティング」のためのパーツを供給していない。
その点に注目し、独自にキャブレター燃調キットを開発しているのが岸田精密工業である。同社は長年にわたって自動車用キャブレターの補修用キットを製造し、主に海外市場で販売を行ってきた。そのノウハウと技術を元に、新たにセッティング要素を追加したのが燃調キット最大の特徴だ。
先述の通り、経年変化や吸排気系パーツの変更によってエンジンが吸い込める空気の量が増減することがある。例えば純正エアークリーナーケースを取り外してパワーフィルターに変更すると、吸気抵抗とともに吸入負圧も減少する。するとフロート室から吸い上げられるガソリンが減少するため混合気の濃度が薄くなりエンジン性能が低下する。
燃調キットに含まれるパイロットジェットやメインジェットやジェットニードルは、メーカーが設定したスタンダードサイズを基準に、混合気が濃くなるサイズと薄くなるサイズが入っているので、この場合はサイズが大きなジェットを選定することで薄くなった混合気を補正することができる。
エンジンチューニングを行う場合はキャブレター本体を交換することもあるが、純正キャブレターのままでセッティング変更をしたい時には、キースターの燃調キットはとても頼れる存在になるというわけだ。
絶版車や旧車用キャブレターにとってはオーバーホールキットとしても有効

燃調キットはキャブレター1個分で販売されている。従って4気筒車は4個のキットを購入することになる。この画像はカワサキZ900用キット。キットは車種ごとの純正キャブレターの仕様を元に設定されており、同系列とはいえZ1とZ900の純正キャブの仕様やセッティングが異なればキットも別物となる。
2010年、国内4メーカー合計100車種でスタートした燃調キットは、現在では500車種以上までラインナップを充実させている。その理由のひとつが、同キットが旧車や絶版車用キャブレターのオーバーホール作業でも使い勝手が良いことが挙げられる。
燃調キットはセッティング変更に必要なジェットやニードル以外にも、フロートニードルバルブやバルブシート、フロートチャンバーガスケットやOリングなどのゴム製パーツ、パイロットスクリューやエアースクリュー、スターターバルブやフロートドレンボルトが入っている(セット内容は車種によって異なる)。
旧車や絶版車のキャブはゴムの劣化によるガソリン漏れや二次エアーの吸い込みがトラブルや不調の原因となることが多い。そのため整備やオーバーホールの際にはゴムパーツの交換が必須となるが、メーカー純正パーツで購入する場合は個々のパーツをリストアップして注文する必要があり、そのためには車種ごとのパーツリストを手元に用意しなくてならない。また年式が古い車種では純正パーツが既に販売終了となっていることもある。
そのような場合でも、燃調キットなら分解時に交換しておきたいほとんどのパーツがあらかじめセットされているので、注文漏れやメーカー欠品の心配は無用。さらに車種によっては純正パーツで設定されていないパーツも含まれていることもある。
これらの点で、絶版車や旧車ユーザーからはオーバーホールキットとしても重宝されているのが燃調キットなのだ。
スペシャルキャブレター用燃調キットも好評

FCRキャブのインターミディエイト部分に組み込まれているゴム製ガスケットは、非分解設定のためメーカーでは販売していない。しかし現実にはケミカルなどで膨潤して使い物にならなくなっている場合も少なくない。キースターのFCR用燃調キットには、これらのガスケットも含まれているためフルオーバーホールが可能だ。
キースターの燃調キットはバイクメーカーの純正キャブレター用だけでなく、ケーヒン製CRスペシャルやFCR、ミクニ製TMRといったスペシャルキャブレター(レーシングキャブレター)用にも展開している。
スペシャルキャブレターはそもそも車両に装着した際にセッティングを行うのが前提となっており、ジェットやニードルのバリエーションも豊富に揃っている。
だがキースターではここにも燃調キットの前提条件を適用して、セッティング要素となるサイズが異なるジェットやニードルに加えてフロートニードルやバルブシート、さらにはキャブレターメーカーが非分解としている部分に組み込まれているゴム製ガスケットをも独自に製造。
ケーヒンFCRキャブのインターミディエイトボディ(キースター呼称)は非分解設定ながら、洗浄の際に使用するクリーナーケミカルの種類や相性によって内部のゴムパーツを膨潤させて細い通路を詰まらせたり、逆に硬化して気密性を低下させるなどの悪影響を及ぼすことがある。
キースターではここに組み込まれている複雑な形状のガスケットを独自に製造することで、FCRキャブレターの完全オーバーホールを可能にしたのが注目すべきポイントである。
またミクニTMRキャブレター用では、ジェットニードル、メインジェット、パイロットジェット、ニードルジェットのサイズをユーザーが個別に指定してキットを構成できる燃調キットを発売。
いずれのキットともメーカー純正キャブレター用燃調キットとは形態が異なるものの、やはり多くのユーザーから注目を集めている。
エアカットバルブ付きキャブレター用の設定もあり
負圧式キャブレターの中には、スロットル急閉時に混合気が薄くなりすぎることを防ぐ目的でエアカットバルブ(コースティングエンリッチバルブ)を装備したものがある。このバルブはベンチュリー内の負圧変化によって作動するダイヤフラムを利用しているが、経年劣化や洗浄ケミカルなどの影響でダメージを受けると作動性が低下したり、場合によってはゴム膜に穴が開いて動かなくなることもある。
そのためキースターでは、燃調キットにエアカットバルブを追加したキットも設定しており、ユーザーは必要に応じてエアカットバルブ付きキットとエアカットバルブ無しキットを選択できる。
両者の使い分けとしては、純粋にキャブセッティングを行う目的であればエアカットバルブ無しを購入し、長期放置後の復活フルオーバーホール級の作業を行う際にはエアカットバルブ付きを購入するのが良いだろう。
エアカットバルブの機能が損なわれた際の典型的な症状として、減速時にマフラーから「パンパン」とアフターファイヤーが発生するため、そのような場合にはエアカットバルブの状態をチェックしてエアカットバルブ付き燃調キットを入手することをお勧めしたい。
絶版車用マルチキャブレターはフューエルジョイント部のOリング交換も必須
ほとんどの2気筒車や4気筒車のキャブレターは隣り合うキャブレターボディをフューエルジョイントで連結してガソリンを分配している。そのため、ジョイントに組み込まれたOリングが経年劣化などで硬化し亀裂が入るとシール性が低下してガソリン漏れの原因となる。
キャブレターのガソリン漏れというと、フロートチャンバーガスケット劣化によるキャブボディとフロートチャンバーの合わせ面からの漏れやにじみというパターンが主流だが、各部のゴムの劣化が進行した絶版車ではジョイント部のOリング劣化という事例も多い。
純正パーツを1個ずつリストアップして注文する際にジョイントOリングに気付くことができれば良いが、注文を忘れて連結したキャブを分割した際に劣化に気付いて改めて注文するのは二度手間となる。
キースターの燃調キットなら、フューエルジョイントやベントパイプ用のOリングもあらかじめ入っているので、分解を進めていくうちにこの部分のOリングの劣化に気付いても慌てることなく作業を継続できる。
このように、純正キャブレターや一部のスペシャルキャブレターのセッティングやオーバーホールに際して、キースターの燃調キットはとても使い勝手が良い製品であることが分かるだろう。愛車のキャブレターのコンディションを良好に保ちたいユーザーは、是非とも同社の製品ラインナップをチェックしてみよう。
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