今回はハンターカブ(JA55)に、OVERレーシングのtype6 miniというスイングアームを装着していくよ。
車種専用のスイングアームであれば、基本的な装着方法はほぼ一緒なはず。かなり大きいパーツなので敷居が高そうに思えるけど、工程的にはリアのタイヤ交換できるくらいのスキルがあれば十分に交換可能なはず。

ハンターカブの場合センタースタンドがあるので、ガレージとかの本格的な場所がなくても、駐車場とかで十分作業できるはず。今回はOVERレーシングの来客駐車場一枠分を借りて作業をすることにしてみた。
工具はある程度必要なものの、意外と作業の敷居は低い気がするので、実際にやってみるよ。

必要なもの

まずは必要な工具から、ブレーカーバーとかハンマーはあると便利だけど、絶対ないといけないってわけじゃないよ。
同様に、シールピックツールやチェーンクリッププライヤーも他の工具で代用可能。

  • 13mmスパナ
  • 14-17mmメガネレンチ
  • 17-19mmメガネレンチ
  • 5mm六角棒レンチ
  • 6mm六角棒レンチ
  • ラチェットハンドル
  • トルクレンチ
  • ブレーカーバー
  • Tハンドル
  • 8mmディープソケット
  • 10mmソケット
  • 12mmソケット
  • 13mmソケット
  • 14mmソケット
  • 17mmソケット
  • 19mmソケット
  • エクステンション
  • スタビドライバー
  • シールピックツール
  • チェーンクリッププライヤー
  • ハンマー

 

必要な工具類。ハンマーやブレーカーバーはお好みで

必要な工具類。ハンマーやブレーカーバーはお好みで

工具以外であると便利なものも。

まず、センタースタンドの下に敷く板と、タイヤを置いておくための井桁があると便利よ。これはノコギリとかノミがあれば2バイ材で簡単にDIYできるよ。

DIYしたホイール置くための井桁とセンタースタンドの下敷き

あとオススメは、作業用のマット。今回は車の駐車場一枠分で作業するので、マットがあるとすごく便利なんですよ。外した部品や、取り付けるために準備した部品を傷つけずにおいておくことができるのが凄く楽。
複数用意しておくとさらに便利。使い分けとしては、車体をカバーするサイズのものをメインに使いつつ、スイングアームを置いておくためのもの、そして工具周りを置いておくもの。
ダートフリークのレーシングフロアマットを愛用してるんだけど、使いやすいしサイズ展開もあるし、懐にも優しいのでお気に入り。

 

ダートフリーク レーシングフロアマット。サイズが各種あるので、スタイルに合わせて最適なものを

ダートフリーク レーシングフロアマット。サイズが各種あるので、スタイルに合わせて最適なものを

スイングアームは割と大きなパーツなので、脱着時の思わぬケガを避けるためにもメンテナンスグローブは用意しておきたい。

ZETA メカニックグローブ

ZETA メカニックグローブ

取り付けるのはOVER type6 mini

今回装着するスイングアームは、OVERレーシングのtype6 mini。
専用設計の楕円断面パイプを使用することで、純正の雰囲気を残しつつ軽量さと四ヶ所のベアリングにより、高い精度と性能の高さを実現した、ハンターカブ用スイングアームの大本命。

車種専用設計なので、そのまま純正と置き換えるだけ。純正チェーンケースもそのまま装着できるよ。

OVER type6mini

OVER type6mini

OVERからは、よりカスタム感にあふれたOVタイプスイングアームもラインナップされてるよ。
OVタイプ、type6 miniともにスタビライザー付きも用意されてるので、お好みに合わせて最適なスイングアームをチョイスしよう。

純正スイングアームを外そう

前準備として色々緩めたり、外したりしていくよ

タイヤやスイングアームを外す前に、各部の大きなボルトを緩めておこう。
作業が進むごとに車体が不安定になっていくので、後からだと緩めるのが難しくなるんですよね。
ポイントとしては締結トルクの大きいボルト。具体的には、ピボットボルト&ナットリアアクスルボルト&ナット、あとリアサス取り付けナットあたり。

スイングアームと車体を繋ぐピボットボルト&ナットを外すには、まず左ピボットプレートを外さないといけない。左のアンクルガードみたいな部分ね。

左ピボットプレートは上下二ヵ所で締結されてる。上側は14mmのソケットで外そう。

左ピボットカバーを外そう

左ピボットプレートを外そう

下側は12mmだけど、奥まったとこにあるのでエクステンションやディープソケットで。

下側のボルトは奥まっているので、エクステンションかディープソケットが作業しやすい

下側のボルトは奥まっているので、エクステンションかディープソケットが作業しやすい

ピボットカバーを外すとピボットボルトにアクセスできるようになるよ。
ハンターカブのピボットボルトは特殊な形状で、ボルトの頭にさらにネジがついてるのよ。
ピボットボルトの二面幅は17mmなので、17mmメガネで抑えておこう。

左ピボットカバーをはずして露出したボルトの頭部分を17mmの工具で抑えておこう

左ピボットカバーをはずして露出したボルトの頭部分を17mmの工具で抑えておこう

そしたら反対側のナットを19mmの工具で緩めよう。結構固そうだったのでブレーカーバーを使ったけど、普通のラチェットハンドルでも大丈夫だと思う。

右側のピボットナットを19mmの工具で

右側のピボットナットを19mmの工具で

右ピボットカバーの下側も12mmの工具で緩めておくよ。

ピボットカバー下側は12mmの工具で

ピボットカバー下側は12mmの工具で

ここで右のサイドカバーを外すよ。

後方にあるプラスネジと、その下側にあるプッシュリベットを外しておこう。

タイヤに干渉するのでスタビドライバーがオススメ

タイヤに干渉するのでスタビドライバーがオススメ

そしたら爪を折らないように、注意して右サイドカバーを外したらこんな感じ。

右サイドカバーを外す時は、サイドカバー上部の爪を折らないように注意してね

右サイドカバーを外す時は、サイドカバー上部の爪を折らないように注意してね

さっき緩めておいた右ピボットカバーを外すよ。
ピボットボルトワッシャーっていうカラーみたいなのがあるので、失くさないように注意してね。
念のため、外した二面幅19mmのナットを軽く付けておくというのも良いかも。

カラーは失くしやすいので要注意

カラーは失くしやすいので要注意

ピボット前方にあるブレーキペダルにつながってるスプリングも外しておこう。強いスプリングじゃないので外すのは簡単。

スプリングフックがなくても外せたよ

スプリングフックがなくても外せたよ

スイングアームにブレーキホースステーみたいなのがあるので、これも外しておこう。工具は8mm。

ブレーキホースを留めているボルトは8mmの工具で

ブレーキホースを留めているボルトは8mmの工具で

次はリアアクスル。
ボルト側を14mmのメガネで抑えておいて、ナット側を19mmの工具で緩めておこう。

ボルト側は14mmの工具で抑えておこう

ボルト側は14mmの工具で抑えておこう

とりあえずアクスルナットは緩めるだけね。

ナット側は14mm、緩めるだけね

ナット側は14mm、緩めるだけね

リアサスのナットも今のうちに緩めておくよ。自分はスプールナットを付けているので19mmだけど、純正の袋ナットの場合は14mmね。
下側を外すだけでも行けると思うけど、念のため上も緩めておくと安心かも。
ここも緩めるだけね。

自分のハンターカブはスプールナットに交換してるので19mmの工具だけど、純正なら14mm

自分のハンターカブはスプールナットに交換してるので19mmの工具だけど、純正なら14mm

次はチェーンを外すよ。
チェーンを外さなくてもタイヤを抜くことはできるけど、作業的に外した方が楽なはず。
こないだ衝動買いしたチェーンクリッププライヤーを使うよ。先端の段がクリップ外しに効果を発揮。

衝動買いしたチェーンクリッププライヤー。便利だけどラジオペンチでも大丈夫

衝動買いしたチェーンクリッププライヤー。便利だけどラジオペンチでも大丈夫

チェーンクリップを外したら、こんな感じで垂らしておくよ。ドライブスプロケットからは外さないようにね。

スイングアームを外す時にチェーンが邪魔にならないようにしておこう

スイングアームを外す時にチェーンが邪魔にならないようにしておこう

自分が装着してる社外のキックペダルも干渉しそうだったので、これも外しておいた。

純正のキックであれば、外す必要はないかも

純正のキックであれば、外す必要はないかも

これで下準備は完了。

タイヤを外そう、板に載せると楽だよ

タイヤを外す前に、センタースタンドの下に板材をしておくよ。2*12材を適当に切っただけのもので、厚みは約5cm。
この5cmの高さで、タイヤを抜くのが凄く楽になるんですよ。

ほんの5cmだけど、これがないとホイールを抜くのが結構大変

ほんの5cmだけど、これがないとホイールを抜くのが結構大変

あらかじめ緩めておいたリアアクスルを抜けば、簡単にリアホイールを外すことができるよ。
傷つくといけないので、井桁とかの上に載せておこう。井桁はタイヤ交換の時にも便利だよ。完成品も売ってるし、自作でもOK。自分は2*4材に凹状の切り欠きをいれただけのもの。

井桁があれば傷つくことを避けれるし、おいてて安心感もあってオススメ

井桁があれば傷つくことを避けれるし、おいてて安心感もあってオススメ

純正スイングアームを外すよ

スイングアームはピボットボルトを抜けば外せるよ。ただ、スイングアームの重さが掛かっているので、抜くのはちょっと大変。

砂浜の漂着物なみにボロボロだった

砂浜の漂着物なみにボロボロだった

自分のピボットは結構錆びてて抜きずらかったので、リアアクスルを反対側からハンマーで優しく押し込んで叩きだした。リアアクスルはピボットボルトと同径なのね。

ピボットボルトが汚れて抜きずらかったので、アクスルで押し出してみた

ピボットボルトが汚れて抜きずらかったので、アクスルで押し出してみた

抜いたピボットボルトが相当汚かったので、スコッチブライトの不織布研磨材で磨いといた。ちなみに走行距離は約15000km。走行距離が増えている人は、メンテナンスとしてピボットボルトの清掃をしても良いかも。

不織布研磨材で少し磨いたらだいぶ綺麗になった。表面もツルツル

不織布研磨材で少し磨いたらだいぶ綺麗になった。表面もツルツル

ある程度磨いたらグリスを塗っておくよ。グリス選びのポイントは粘度の高さ。粘度高めがオススメよ。

スーパーゾイルを薄く全体に塗っておいた

スーパーゾイルを薄く全体に塗っておいた

ピボットボルトを抜いて、サスの下部取り付けナットを外したらこんな感じ。あとは丁寧にスイングアームを外すだけ。

ピボットボルトを抜いて、リアサスをスイングアームから外せば、この通り

ピボットボルトを抜いて、リアサスをスイングアームから外せば、この通り

純正スイングアームから、チェーンケースを外しておこう。
ボルト二ヵ所で締結されてるんだけど、どちらも六角棒レンチの5mmで外せるよ。
裏側は爪がスイングアームに差し込まれてるので、注意してね。

5mmの六角棒レンチで二ヵ所のボルトを外そう

5mmの六角棒レンチで二ヵ所のボルトを外そう

アルミスイングアーム(OVER type6mini)を取り付けていくよ

さて、いよいよOVER type6 miniの取付。
スイングアームを取り付ける前に、念のためピボットの穴にもスプレーグリスを吹いておこう。

ピボットボルトにもスーパーゾイルを塗布したけど、念のため受け側にもスプレーしておくよ

ピボットボルトにもスーパーゾイルを塗布したけど、念のため受け側にもスプレーしておくよ

type6miniの軸受け部にも念のためスプレー。

スイングアームにもスーパーゾイルをスプレー

スイングアームにもスーパーゾイルをスプレー

スイングアームを取り付けるときは、上側を通るチェーンをスイングアームの上方に通しておこう。

そのまま置いちゃったけど、ウエスを置いてからチェーンを載せた方が良かったかも

そのまま置いちゃったけど、ウエスを置いてからチェーンを載せた方が良かったかも

スイングアームと車体の軸受け穴位置を合わせてピボットボルトを差し込んでいくよ。
ここが作業的には一番しんどいとこかも。

ピボットボルトを差し込むときは、スイングアームを持ち上げつつ

ピボットボルトを差し込むときは、スイングアームを持ち上げつつ

そしたら、ピボットボルトワッシャーを忘れないように通しておこう。

無事にピボットボルトが通ったら忘れないようにワッシャを通しておこう

ブレーキホースをステーに締結、リアブレーキスイッチのスプリングも戻しておこう。
特にスプリングは忘れがちなので注意してね。

ブレーキホースのクランプを戻したら、キャリパー周りを適切な位置にしておこう

ブレーキホースのクランプを戻したら、キャリパー周りを適切な位置にしておこう

リアサスを締結するための属のボルトを、スイングアームのサス受け部に取り付けるよ。右側は六角ボルトで17mmの工具。左側はキャップボルトで六角棒レンチ6mmを使うよ。左側がキャップボルトね。
取り付け時にそのままリアサスを通すようにするとスマートだよ。ここはそのまま本締め。

ボルトを取り付けつつ、リアサスの受け側に通しておこう

17mmの工具でボルトを取り付けつつ、リアサスの受け側に通しておこう

左側はキャップボルトね。ここも本締めしておこう。

左側がキャップボルト、右側が六角ボルトなので注意

左側がキャップボルト、右側が六角ボルトなので注意。工具は六角棒レンチの6mm

チェーンアジャスターは13mm

付属のチェーンアジャストボルトを取り付けておこう。二面幅は13mm。ボルト部分でアジャスト。
ナットで位置を固定する方式。

チェーンアジャスターはボルト、ナット共に二面幅13mm

チェーンアジャスターはボルト、ナット共に二面幅13mm

スイングアームの後端部分に切り欠きがあるので、Tレンチを使えばスマートにチェーンアジャスターを調整することができるよ。
ホイールを装着するために、ここではゆとりのある位置にしておこう。

Tレンチを使えば、大まかな位置決めが凄く楽になるよ

Tレンチを使えば、大まかな位置決めが凄く楽になるよ

純正のアクスルに付属のカラーを通しておくよ。角が斜めにカットしてる側が外側になるようにね。

アクスルを通す前にカラーを装着。カラーの向きに注意してね

アクスルを通す前にカラーを装着。カラーの向きに注意してね

次はリアホイールの取付。
リアホイールを良い位置に合わせつつ、アクスルを通していくよ。アクスルナット側にもカラーを通しておくのを忘れないようにね。
あとホイールを取り付ける時に、リアブレーキのブラケットの位置が正しい位置になるよう注意。
アクスルを通したらアクスルナットを軽くつけておこう。

ナット側にもカラーを装着。カラーによりメカメカしさも非常に良い

ナット側にもカラーを装着。カラーによりメカメカしさも非常に良い

チェーンを再びつなごう。チェーンをドリブンスプロケットに嵌めておくと楽だよ。
クリップには向きがあるので注意。閉じてる方が進行方向側ね。

チェーンをクリップで止める際には、ドリブンスプロケを使うと便利

チェーンをクリップで止める際には、ドリブンスプロケを使うと便利

このあたりでピボットボルト&ナットを本締めしておこう。規定トルクは54.0Nm
そのままRピボットカバーの下側ボルトも本締めしておこう。
左側のピボットカバーも同様に本締めしておくよ。

ピボットの規定トルクは54.0Nm

ピボットの規定トルクは54.0Nm

左右のリアサスも本締め。リアサスの下側ナットは規定トルク29.0Nmね。

次はチェーンを調整していくよ。
アジャストボルトを13mmの工具で調整していくよ。最初はチェーン側でチェーンのたるみを調整。

アクスルを装着したらチェーンの張り調整

アクスルを装着したらチェーンの張り調整

右側も同様に調整していって、チェーンラインを出していこう。

左右を調整していって、チェーンラインを出そう

左右を調整していって、チェーンラインを出そう

チェーンのたるみを規定値に収めつつチェーンラインが出たら、アクスルを本締め。
アクスルを締めていくとたるみ具合が変わってしまうので、ホイールを押さえつつ本締めしていこう。

チェーン調整は、チェーンガードを装着前にやるとわかりやすいよ

チェーン調整は、チェーンガードを装着前にやるとわかりやすいよ

リアアクスルの規定トルクは59.0Nm

規定トルクは59.0Nm。本締めの時にチェーンの張りが変わりやすいので気を付けて

規定トルクは59.0Nm。本締めの時にチェーンの張りが変わりやすいので気を付けて

OVERのtype6miniは純正チェーンケースがそのまま装着できるので、取り付けていこう。最初にチェーンケース裏側の爪をスイングアームの受け部に差し込んでから、六角棒レンチの5mmで締結。

あとは右サイドカバーとか、外したものを一通り取り付け直して完成。
各部に締め忘れがないか、最後にひととおりチェックしておこう。

まとめ

無事に装着完了。作業時間は1時間ちょっと。具体的には70分くらい。個人的な感想としては、リアタイヤ交換より楽な気がする。

完成。リア周りが凄く引き締まったし、質感が凄く上がって満足度が半端ない

完成。リア周りが凄く引き締まったし、質感が凄く上がって満足度が半端ない

まとめ

性能的な効果は、文字通り車体が別物になったかと思うくらいグレードアップした感じ。
スタイル的な効果も凄いんだけど、ベアリング&軽量化の効果は半端ないよ。

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