アフターパーツによるスイングアーム交換

スイングアームは、車体とリアホイールを繋ぐ非常に重要なパーツ。
それをパーツメーカーによる高品質なスイングアームに交換するのがスイングアームカスタム。個人的な印象としては、カスタムの中でも上級者向けってイメージがあるんですよね。イベントなんかでスイングアームを交換したモンキーとかを見るとカスタムレベル高いなーって感じる。

ところが実際に社外スイングアームを装着してみたところ、想像以上に装着は簡単だったんですよ。もちろん性能面もスタイル面でも効果抜群。
そんな、カスタムパーツとしてのスイングアームについて今回は解説していくよ。

ちなみに自分のハンターカブ(JA55)に装着したのはOVERレーシングType6 mini。CT125純正スイングアームの形状に近いので、ノーマルのスタイリングイメージを残しながらもハイクオリティなパーツという、実に自分好みの仕様。
他にも、カスタム感あふれるOVタイプもラインナップ。Type 6mini、OVタイプともにスタビ付バージョンがあるので、CT125だけで4種類も選択肢があるよ。

形状は4種類で、さらに仕上げも複数選択可能だよ。
標準仕様は、アルミの美しさを活かしたポリッシュ仕上げ。オプションでスタンダードブラック塗装仕上げ(+8800円)やガンコートブラック仕上げ(+25300円)も選択可能。

ちなみに自分はスタンダードブラック仕上げを選択。

ポリッシュも捨てがたいけど、自分のハンターカブは赤と黒で構成したかったのよね。

同じ黒でも、ガンコートブラックは深みと光沢感のある黒。光りの当たり具合によっても印象の変わる、すごくリッチな仕上げ。正直、どの仕様も凄く魅力的なので選択するのが難しかった。

スイングアームは各種からラインナップされているけど、今回はOVERのスイングアームをモデルに、スイングアームカスタムのメリットをひとつずつ見ていこう。

ピボットベアリングの採用によるシャープな動作

CT125純正の場合、車体とスイングアームの取り付け部分はゴムブッシュを採用。これは小排気量車などに良く使われる手法で、ピボットシャフトの周りにゴムブッシュがある構造。

メリットとしては、ゴムによる振動吸収効果やコストの低さ。ただ、上下以外のあらゆる方向に動いてしまうという特性も。
そのため発進時などにスイングアームがよじれたりと、あまり嬉しくない挙動も出ちゃうのよ。

OVERのCT125用スイングアームでは、高性能モデルやレーシーな車両に採用されるニードルベアリングを4カ所に採用。ゴムブッシュと違って、上下方向にのみスイングアームが動くようになるんですよ。

ゴムブッシュと違ってよじれたりしない上、ベアリングによる抵抗の小ささもあいまって、スイングアームがスムーズかつ上下のみに動くのが最大のメリット。実際に乗ってみると、車体の動きが非常にシャープでダイレクトになるのね。
スイングアームのよじれが発生しづらくなるので、走りへの効果も絶大。具体的には、フロントが暴れるシミー減少の抑制などにも効果はあるはず。ただ、車体の装着パーツなどによっても変わるので一概には言えないけどね。

スイングアームが滑らかかつ上下にのみ動くということは、スイングアームに連動するリアサスもポテンシャルを発揮しやすいわけで。ゴムブッシュだと、スイングアームのよじれに追従してサスも斜めに動いてるからね。
ハンターカブでは、サスペンションを交換している人も多いと思うけど、そうした高性能サスペンションの性能を発揮する上でも非常に有効なのよ。

注意しておきたいのが、これまでゴムブッシュで吸収されていた部分が明確になるので、スイングアーム交換後は慣れるまで普段以上にご注意を。

そんな感じでピボット部にベアリングを採用することは、ものすごくメリットが大きい。ただ、ベアリングの採用には一点だけデメリットがあるんですよ。
それはコストの高さ。ベアリング自体が部品として安いものじゃないからね。

純正スイングアームがゴムブッシュなのは、ゴムによる振動吸収などにより設計上のゆとりを持たせるという面もあると思うけど、コスト的な部分も少なくはないはず。
OVERではこれまでのスイングアーム開発やフレーム開発などの経験や自社生産などの要素を積み重ねることで、ミニバイクでも装着しやすい高品質かつ低価格でのスイングアームに仕上げられてるぞ。

全てに影響する軽さの恩恵

純正は鉄製だけど、社外品はアルミ製スイングアームが主流なので、大幅な軽量化を達成できるのもメリット。

OVER Type 6miniで計測してみたところ、純正の3.82kg(実測)に対して、2.49kg(実測)とわずか65%
純正比で2/3以下という劇的な軽量化になるんですよ。

しかもバネ下なので効果は絶大。バネ下というのは、サスペンションより下側にマウントされるパーツのことね。
「バネ下の軽量化はバネ上の10倍以上の効果がある」なんて言われることも。

そもそもバネ下に限らず軽量化ってのは、加速性能、制動性能、路面追従性、タイヤのライフ向上、燃費向上など、あらゆる面に効果のある最強のカスタムなんですよ。

ちなみに同じくOVERからラインナップされているOVタイプでも重量は2.55kgと非常に軽量。
見た目はかなりゴツイけれども、OVERがレースシーンで培ってきた技術力と経験値により、高剛性と肉厚の薄さを実現。
Type 6mini以上の剛性を確保しながらも同等レベルの軽さを実現してるのよ。

高品質な部材へのこだわり

材質がアルミということで軽量に仕上げられているけど、その構造自体も非常に高品質なんですよ。

例えばOVERのスイングアームの場合は、綿密に設計された中空材を採用。ピボット部とアクスル部は無垢材からの削り出しで構成されてる。

Type 6miniのパイプ部分は、自社設計による特別な中空アルミパイプ。ハンターカブ純正のイメージを損なわない長丸断面で、厚みは約3mm。応力が直線部分に集まる対策として、直線部分及び円の頂点にリブを追加することで強度を確保してる。

OVタイプでは六角の目の字断面。構造強度の高さから厚みを約2mmまで薄くすることができ、軽さとType 6mini以上の剛性を両立させてるよ。

Type 6mini、OVタイプともに、ピボット部は無垢材からの削り出し。純正とほぼ同じ大きさに仕上げることでスイングアーム装着時のストレスもほぼ無し。
さらにアクスル及びチェーンアジャスター部分も同様に無垢材からの削り出し。

チェーンアジャスターといえば、社外品に交換することで構造が変わることも多いよ。
Type 6miniでは、オフロード車などでも採用されるチェーンアジャスターボルトが外に出ないタイプ。
純正と調整方式が違うけれども、見た目のスタイリッシュさが凄く良い。

OVタイプはチェーンアジャスターボルトが後方に出る構造。ただ純正とは違い、ダブルナットではなくボルトでの締結になるので、調整は純正よりも容易なはず。

意外と取り付けは簡単

取り付けについては後日記事にまとめるけど、実際やってみた印象としては、想像以上に取り付けの敷居は低いよ。
ざっくりとした工程としては、リアタイヤを外して、リアサスの下側を外して、ピボットシャフトを抜いてスイングアームを交換する、という感じ。

やってみた印象としては、リアのタイヤ交換ができれば十分に自分で取り付け可能、という印象。
作業時間もそこまではかからなかった。スロットルワイヤーの交換とか、リアフェンダー内部へのドラレコカメラ配線隠しのがよっぽど大変だったよ。

スイングアームを交換してみた印象

では、実際に交換してみたところ、ハンターカブがどうなったのか。あくまで自分が感じた印象なので、乗り手によって受け取り方は違うだろうし、車両の仕様によっても違ってくるとは思うけど、あくまで参考までに。

試運転して最初に感じたのは、車体の剛性とか挙動が凄くクリアになったこと。
装着前の予想では、リアの挙動がシビアになるかもと考えてたんんだけど、全然そんなことなくて良い意味でリアは自然な印象。
むしろ、フロントまわりの印象がすごくダイレクトになった。フロントフォークの動きに対する解像度が上がったというか。おそらくだけど、これまでピボットのゴムブッシュでごまかされていた部分が明確になったことで、車体全体の動きがわかりやすくなったのかも。

車体全体がしっかりとしたことで、初期旋回についてはアンダー目になった印象。今までは割とフロントを硬めにすることで挙動が改善してきた印象だったけど、スイングアーム交換をしたあとだと、もう少しだけフロントを柔らかくしても良いかも。車体の挙動がクリアに伝わることで、そういうセッティング面でも楽しみが増えたよ。

あと、これも予想外なんだけど、直進性も凄く向上した気がする。例えて言うなら手を放してもハンドルが振れない感じ。実際に公道で手放ししちゃだめだけどね。

まとめ

スイングアームは、大きい構成部品だけにスタイリング上の効果も大きいし、性能面についても軽量化をはじめ、大きな効果が期待できるよ。
大型車に比べて価格的にも比較的身近な価格帯だし、装着についてもある程度慣れてる人なら自分でも交換可能なので、意外なほどに敷居は低いよ。
ただ、装着について少しでも不安がある人は、ショップなどでプロに装着してもらおう。
取り付けを頼むショップに心当たりがない人でも、webike+ピットインを使えば近くのプロを探すことができるよ。

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