
皆さんこんにちは。モータースポーツ総合エンターテイナーを勝手に名乗ってる濱原颯道です。今回僕がインプレッションするタイヤは、Michelinの Enduro Mediumの後継モデル?に当たるEnduro Medium2です。Enduro Medium自体がもの凄くロングセラーであり、各社が最もライバル視している、いわゆるFIMタイヤ界のベンチマークとなっていましたが、そんなMichelinが満を持して新型であるEnduro Medium2を昨年発表しました!
ちなみに国内販売は今年2/7開始。そう!この記事が世に出るタイミングと同じです。気になってる方も多いかと思うので、僕が本音&本気なインプレッションをしたいと思います♪
あ、先に言います。長くなると思います(笑)
自己紹介
まずは僕の事をサッと紹介致します。
僕は基本的にロードレーサーです。昨年は鈴鹿8耐にSUZUKIのファクトリーチームから2ndライダーとして参戦し、多くのサスティナブルアイテムを使用したマシンで総合8位になりました。
「そんな奴がなんでオフタイヤのインプレを?」って思うじゃないですか。僕も思ってます(笑)
ですが、僕がプライベートで乗るバイクの大半がオフロードで、その中でも特に力を入れて乗っているのが、ハードエンデューロというカテゴリです。そしてJNCCにも参戦したりしています。ハードエンデューロの戦績で言えば、クロスミッションXXXクラスで優勝したり、CGCのゲロゲロクラスで2位とか4位とか、あとJNCCで言うと最高順位はCOMP Bクラスに参戦し、クラス優勝の総合13位にもなった事があります。
そして、僕はエンデューロレースに出る時はほぼ毎回FIMタイヤで走っています。なんならハードエンデューロ界で言うと、僕がハードエンデューロを始めた5年前なんて、物好きしか履かないタイヤ扱いでした。ですが僕が当時から「FIMタイヤいいぞぉ〜」と言いまくっていて、まあその影響かどうかは知りませんが、今ではハードエンデューロを嗜んでる人の間でも、FIMタイヤもひとつの選択肢として含まれている状態になりました。
ロードレースで培った繊細さと分析能力を元に、自称FIMタイヤ評論家の僕が事細かくインプレッションしたいと思います!
前置きが長くなってしまいましたね(笑)
では実際にEnduro Medium2を触ってみたりした時の感想を書いていきます!
Enduro Mediumとの比較
Enduro Medium(通称エンミ)に比べてEnduro Medium2(こっちはエンミ2にしましょう)は、正直硬いです。エンミはブロックからケースまで、満遍なく柔らかく、ロックセクションや根っこも程よいグリップをしてくれます。しかもエンミはNHS(Not for Highway Service)の枠に含まれてないので、公道走行可能タイヤです。
FIM規格だったり、公道走行可能、不可の話をしだすと日が暮れるので、この辺にしておきます(笑)他ブランドの比較
でも正直な話、ハスクバーナやKTMのエンデューロモデルに純正採用されている、公道走行可能なMetzlerのSIX DAYSやMAXXISのM7324と同じ規格とは思えないくらい、エンミだけが特出して柔らかいですよね。
なので、エンミとエンミ2を比較した場合、エンミ2の方が硬いってだけです。
ですが、エンミ2はSIX DAYSやM7324と比べると、ブロックとケース共に柔らかいです。いわゆる硬いFIMタイヤ(通称カタフィム)の中では、エンミ2は柔らかい方だと思います。
僕の勝手なイメージなのですが、タイヤから生えてる毛の数(型にコンパウンドを流し込む時に空気が噛み込まないようにするための抜け穴)が多いタイヤって、コンパウンド単体としては柔らかい印象なんですよね。毛が多いですよね?若々しくていいですね。
そんな、コンパウンドとしては柔らかいものを採用しているエンミ2は、FIM規格と言う厳しいルールの中で(ブロック高13ミリまでだったり、ブロックの配列などが決められている)パドル形状に加え複雑な立体形状など、あの手この手で「柔らかいコンパウンドをしっかりと土に噛み込ませてやる!」って感じるようなブロックパターンとなっております。今までもFIMタイヤでパドル形状な物はありましたが、ほんのちょっとパドルなだけで、ここまでガッツリパドルなのは初めて見ました。
あと、エンミに比べて思ったのが、ボリューム感があります。ムチっとした感じというか。手で押した感じだとエンミ2はセンターのトレッド面とサイドウォール全部が均等に撓む感じで、エンミはセンターだけがベコっと負ける感じに思いました。
フロントタイヤは、触ったり見た目じゃよくわからなかったので、乗った感想のみ書きます(笑)
乗車インプレッション
この写真は空気圧をゼロにして乗車した時の潰れ具合です。僕は体重が90キロあります。見てわかるように結構しっかりした感じでした。で、実際に走り始めて「馴染んだら少しは柔らかくなるかなぁ」と思ってたのですが、少しは柔らかくなりましたが、他のタイヤのような初期馴染みというか、タイヤの慣らしが終わらないって感じの硬さのまま1日が終わりました(笑)熱が入っても、走り回ってタイヤを揉みまくっても、柔らかくなりませんでした。
でもそれは、悪い言い方をすれば「馴染んで柔らかくならない」ですが、良い言い方をすると「タイヤ自体がヘタらなく、ロングライフ」と言った事になると思います。
朝イチは0.6キロで走り出したのですが、ハードエンデューロユーズではお話にならないくらい硬かったので、すぐに0.1くらいまで下げました。で、以前他のFIMタイヤで登れなかったふかふかな土のサカをやってみたのですが、1発で登れました。パドル形状なブロックパターンだからなのか、坂はすごく強く感じました。他メーカーのサカが得意なタイヤに比べても、程よいグリップとスピンもあってか、土のサカに関してはかなり好印象でした。
ですがぶっちゃけ、ハードエンデューロ的な使い方をした場合、サカ以外は他のFIMタイヤの方が、性能に軍配が上がっている風にも感じました。
やはりブロックが硬くてしっかりしてる分、とにかく根っこが辛かったです。スピードで解決できる系の根っこは全然問題ないのですが、イコイゴしてる極低速の時に埋まってる根っことかは、どうしようもできなかったです。ですが、根っこがめちゃくちゃ苦手なタイヤに比べたら、ほんの少しマシでした。
ロックもエンミに比べるとグリップはしなかったです。それはある程度予想していましたけどね。エンミはタイ生産、エンミ2はセルビア生産で、国によってコンパウンドの質が違うのでしょうかね。ロックに関しては、コンパウンドの硬い、柔らかい以外にもコンパウンドの質が気になりました。
あとこのタイヤ、減速時に不思議な挙動を感じました。
速度を出してる時からの急減速は、リアタイヤが土にしっかり潜り込む感じで、めちゃくちゃ止まります。しかし、遅い速度で長い下り坂をゆっくり降りる時などは、少しタイヤが浮いてくるような、路面から離れていくような感じがしました。僕が今回乗ってたバイクはフロントのレートに対してリアのレートを極端に高くしてる仕様だったので、フロントのレートも高めてケツ下がり姿勢なバイクなら、ゆっくり降る時もまだマシなのでしょうけど、タイヤ単体の挙動としては、そんな印象を受けました。
あとフロントタイヤなのですが、エンミに比べてあまり違いがわからなかったです(笑)強いていうなら、少しシャープな感じで路面にしっかり突き刺さって前ブレーキをしっかり握れるようになった、そのくらいでしょうか。あとはブロックの角が落ちにくかった気がします。ライフの面ではエンミ2はエンミに比べてだいぶ良くなってると思います。
◎僕の中での総評
- どの排気量でも使いやすい(排気量とタイヤの相性ってかなりあります)
- ハイスピードでは性能が高く、フカフカの土の坂だけで言えばFIMタイヤの中では最強だと思う。
- ケースもコンパウンドもヘタりにくく、ロングライフではあるが、もう少し柔らかくで良いんじゃないかな?と思う時が多々あった。
- JNCCのFIMタイヤ規制が入ってるゲレンデとかは相性が良さそうで、雨が降ったらエンミ2一択かな(昨年の雨のエコバレーの時みたいなシチュエーション)
- 根っこ60点ロック70点土95点
- イゴの再発進90点キャンバー70点
- ハイスピードで使う場合も、0.35〜0.4キロ相当の硬さが良い気がする。
- 僕だったらハードエンデューロやJECでは使わないが、JNCCではめちゃくちゃ選択肢に入る。
と、言ったところでしょうか?
本当はゲレンデに行ってぶん回しテストもしたかったのですが、この時期は普通にスキー場になってますので、その思いは叶いませんでした(笑)
僕のインプレッションはここまでです。
エンミに比べて万能さが減ったというより、万能な速度域がエンミに比べて高いところにある、という言葉があっているかと思います。
いかがでしたでしょうか?この記事でエンミ2にも興味が湧く人もいるかとは思いますので、是非手に取ってみて、履いてみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
最速インプレッション! Enduro Medium2をプロライダー濱原颯道が忖度無しで語る 画像ギャラリー (11枚)この記事にいいねする
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