SHOEI流のクラシカルヘルメットが「グラムスター」。細部までデザインにこだわりながら快適性をキッチリ確保しており、税抜価格なら5万円を切る価格も魅力だ。その被り心地をさっそくチェック!

細部までこだわったクラシックフォルムに最新の快適性を融合

世界的にプレミアムヘルメットメーカーとして知られるSHOEI。フルフェイスのラインナップでは、クラシック系としてオフロードスタイルの「EX-ZERO」とオンロードスタイルの「Glamster」(グラムスター)を展開している。

特にグラムスターは人気が高く、2020年秋の発売以降、なかなか入手できなかった時期もあるほど。その特徴は、徹底してこだわったレトロ風デザインだ。

帽体はシンプルで丸く、まさしく往年のヘルメット風。アイポート内側のレザー調カバーやクラシックなロゴなど細部までレトロ調だ。もちろん仕上げは美しく、口元サイドのスリットはとても丁寧に処理されている。

一方で額と口元にエアインテークを採用し、曇り止めのピンロックシートが標準。内装も着脱式で、機能性は最新だ。


  ●価格: 5万3900円~
  ●サイズ:S、M、L、XL、XXL
  ●規格:JIS
  ●メーカーサイト:https://www.shoei.com/products/helmet/fullface/glamster/

あのZ-8より軽く、リラックスした被り心地

実物を手にした印象は“カッコイイ”の一言。1970年代以前のヘルメットを思わせる丸いフォルムに、金属メッシュ付きのスリット、シールドベースのアルミ製ワッシャー、スエード調の内装カバーなどで質感は十分だ。

被ってみると全体的にいい意味で「ユルい」と感じた。もちろん被り心地にホールド感がないという意味ではなく、全体的にリラックスしているのだ。ふだん通りLサイズを被ったところ、頭部を万遍なく適度に包み込んでくれる。

加えて、視界が上下に広く、開放感抜群。チンガードが小型なので、その分アイポートが大きいのだろう。ジェットヘルメットを被っている感覚にかなり近い。

着用感も軽快で、筆者実測の重量は1314g(Lサイズ、単色)。軽いフルフェイスとして有名なSHOEIのZ-8は筆者実測で1428g(Lサイズ)だった。機能がシンプルな分、グラムスターは軽いのだろうが、被っていて非常にラクだ。

やや静粛性は気になるものの、実用には必要十分

帽体は、周囲の音がかなりよく聞こえるタイプ。走り始めると、ビュオーという風切り音がそれなりにあるものの、帽体は安定している。ただし90km/h程度から帽体にやや押し戻し感があった。丸い帽体は空力特性で不利なので仕方なく、これもレトロフォルムを重視したことが原因だろう。

とはいえ、これは現代のスポーティなフルフェイスと比べた場合のレビュー。実用性は十分あり、リアルビンテージヘルメットとは比べるまでもなく快適だ。スタイルをはじめ、広い視界と軽い被り心地、そして安全性はグラムスターの大きな特徴。何よりジェットヘルメット感覚でリラックスして走れるのが大きな魅力だ。

ベンチレーションは、直接的に風を感じるタイプではなかったものの、ムレはなく換気効果はしっかりある印象。また、シールド全閉でロックされ、シールド左側のタブでロックが解除できるシステムが使いやすかった。

なお耳元には浅い窪みが設置されているが、薄いスピーカーでないと装着は厳しそう。手持ちの厚さ14mmのスピーカーを装着したところ、かなり圧迫感があった。

[まとめ]旧車やネオクラとの相性抜群、この質感ながらコスパも悪くない

独自の最新技術で造り上げたビンテージ風フルフェイスのグラムスター。スポーツタイプと比べれば、静粛性や空力特性がが気になる人もいるだろうが、この外観と機能性を両立した点が素晴らしい。また、長時間被っても首や肩がラクなのも美点だ。

用途としては高速ツーリングにも使用できるが、レトロモデルの性格上、やはり街乗りにフィットする。旧車やネオクラシック系のバイクによく似合うため、これらのオーナーはぜひ検討すべきモデルと言える。

なおライバルと比べると、アライのラパイドネオが5万8300円なのに対し、グラムスターは5000円程度安いのがポイントだ。ラパイドネオはスネルとJIS規格を取得しており、ピンロックシートがオプション。グラムスターはJIS規格で、ピンロックが同梱される。この辺も購入時の参考にしてみては?

【SHOEI グラムスター インプレ】リラックスした着用感のレトロ風モデル、視界が広くジェット感覚が味わえる ギャラリーへ (17枚)

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