スペインのバルセロナに本拠地を置く「LS2ヘルメット」が、日本人のためにフィット感を追求した「JAPAN FIT MODEL」を開発。そのフルフェイスモデル「RAPID II」をインプレッション!

ライナーと内装を日本仕様に

1990年にヘルメットの生産を開始し、ヨーロッパやアジアで高い評価を得た後、2007年に世界戦略ブランドとして「LS2ヘルメット」はスタートした。MotoGPやダカールラリーのトップライダーも着用するなど、LS2ヘルメットは確かな実績を築いているヘルメットメーカーだ。

LS2ヘルメットは出荷までに何度も品質チェックが行なわれ、安全基準も各国より厳しい独自の基準値を設定。徹底的な品質管理と高い安全性を両立し、年間250万個と世界トップレベルの生産数を実現し、日本での人気も高まってきている。しかし、その国内人気の高まりとともに日本人ユーザーからフィット感に関する要望も増えてきたという。欧米人の頭は前後方向に長く左右幅は狭い卵形、日本人は円のような丸形が多いが、LS2ヘルメットは世界共通仕様で開発されていて、欧米人にフィットしやすくなっているからだ。

そこで、丸形の日本人の頭に最適なフィット感を実現するためにライナー(衝撃吸収材)と内装(頬パッド厚)を修正し、日本人ライダーのために開発したのが「JAPAN FIT MODEL」だ。今回紹介する「RAPID II」は、そのJAPAN FIT MODELの第一弾として発売されたフルフェイスヘルメットだ。

フィット感と換気性が良好で快適

普段、着用しているサイズに合わせて、RAPID IIもMサイズを選択した。シェル自体は従来モデルから変更はないが、頭入れ部に狭さは感じず、すんなりと着用できた。新たに開発されたJAPAN FITは、ライナーと頬パッドを日本人向けに修正しているとのことだが、頭頂部全体が包み込まれるようなフィット感があり、頬パッドのサポート力も感じられた。それでいて頭頂部や頬が締め付けられるような窮屈さはなく、国産モデルのようなフィット感のいい被り心地となっていた。さらに、内装の素材表皮をソフトに仕上げることで、内装が肌と接触する際の刺激が低減されていて、それも被り心地のよさとして感じられた。

シェル口元と前頭部にはシャッター付きエアインテークが設けられ、後頭部にシャッター付きエアアウトレットが設置されている。エアインテークからの走行風の流入は30km/hくらいから感じられ、ヘルメット内が換気されているのがハッキリと体感できた。とくに口元のエアインテークの吸入効率が高く、シャッターも操作しやすいので、状況に合わせて換気しやすい。

コストパフォーマンスがさらに充実

高い換気性能を持ちつつ、走行時の風切り音は抑えられていて、静粛性も悪くない。シェルは特徴的なエアロ形状ではないが、高速走行時でも振られなかった。

これはLS2ヘルメット独自のシェル素材「HPTT(High Pressure Thermoplastic Technology・高圧熱可塑性樹脂技術)」の恩恵だろう。HPTTは、ABS樹脂を主成分とした混合樹脂を高圧高温で金型成形する技術で、バイク用ヘルメットとしての強度を得ながら、Mサイズ実測値で1470gと軽量に抑えている。さらにJAPAN FITでフィット感を改善し、軽くて一体感のある被り心地を実現していたからだ。軽い被り心地は首にかかる負担も低減し、長時間のライディングでの疲労も低減してくれるはずだ。

シールドは歪みが少なく、クリアな視界を確保している。また別売りのアクセサリーパーツとして、ライトスモーク(3300円)、スモーク濃度70%のミラーレインボー/ミラーシルバー(3850円)、スモーク濃度40%のライトミラーレッド/ライトミラーブルー(3850円)のシールドも設定。高い曇り止め効果を発揮する「ピンロックシート」(別売)の装着にも対応している。

RAPID IIは突出した性能はないものの、不満を感じる部分もなく、街乗りからツーリングまで幅広いシチュエーションで使いやすい。JAPAN FITとなったことでフィット感を向上しているが、1万9800円と求めやすく、コストパフォーマンスが充実したフルフェイスヘルメットになっている。

RAPID II詳細

●価格:1万9800円(ソリッドモデル)、2万1800円(グラフィックモデル)
●カラー:ブラック、マットブラック、ホワイト、チタニウム、ホワイトブラックピンク、カメレオンテック2.0
●サイズ:S、M、L、XL、XXL(チタニウム、ホワイトブラックピンク、カメレオンテック2.0はSサイズ設定なし)
●規格:SG/PSC

【画像】【LS2 RAPID IIインプレ】日本人ライダーのフィット感を追求した「JAPAN FIT MODEL」が登場! (14枚)

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