春夏秋冬という四字熟語がありますが、ここ最近はそのバランスが崩壊しているように感じます。
そして、この言葉の意味を辞書でひくと“季節を問わず”とか、“一年中”といった意味なんだとか。
こと夏と冬においては寒暖差も激しく、バイクにとってもライダーにとっても厳しい季節ですよね。
エンジンオイルには、気温によってエンジンによって選ぶべきオイルが異なる粘度というものがあり、今回はそんなお話です。
皆さんは、春夏秋冬を通して同じエンジンオイルを入れてしまっていませんか?
夏と冬で換えたほうがいい理由
前述でも触れましたが、エンジンオイルによってそれぞれ粘度というものがあり、冷えるとオイルは固く、熱いと逆に柔らかくなります。
皆さんもバイクライフを送る中で「10W-40」や「20W-50」といった表記を目にしたことがありませんか?
それがいわゆる粘度を表すための表記で、これをSAE規格といいます。
最近は低い温度でも高い温度でも通年で使えるマルチグレードオイルが主流ですが、近頃の異常とも言える夏場の暑さを考えると気を配ってあげた方が、大切な愛車の熱中症対策となります。
表記の見方
さてこのSAE規格ですが10W-40を例にして例えると、ハイフン(-)を仕切りに左側が低温環境での対応指数で、右側が逆に高温に対しての指数となっています。
低温時の指数は外気温と連動しており、対して高温指数は外気温ではなく、油温が100℃のときの動粘度(油膜の切れにくさ)で表されます。
夏用オイルの選び方
主に金属摩擦の低減と、シリンダーとピストンのすき間からのガスの圧力漏れを防ぐ役割を担うエンジンオイル。
夏場は外気温によって、とくにエンジン周りは灼熱となるので、油膜切れを起こさないオイル選びが大切です。
オイルを選ぶときには、SAE規格のハイフン(-)右の数値に注目して選んであげましょう。
数値が高くなればなるほど、高温でも油膜が保つことができるということ。高温でもしっかりとエンジンを保護したいと考える人にオススメです。
なお、エンジン内が高温になり、その許容範囲を超えるとオイルの劣化の原因に繋がります。
オイル劣化のサイン
- 加速力の低下
- 燃費の悪化
オイルの劣化が進行すると、加速力や燃費にその徴候が現れます。
そのままだと油膜切れのリスクを伴い、最悪の場合、エンジンが焼き付く原因にもなりかねないので、サインを見逃さず交換サイクルをしっかり守ってメンテナンスをしてあげましょう。
高温指数の早見表
動粘度(100度) | 粘度(高温) |
---|---|
5.6~9.3 | 20 |
9.3~12.5 | 30 |
12.5~16.3 | 40 |
16.3~21.9 | 50 |
21.9~26.1 | 60 |
冬用オイルの選び方
では逆に、冬用オイルの選び方はというと、SAE規格のハイフン(-)左の数値に注目して選びます。
こちらは温度で判断できるので幾分か楽ですが、ポイントはバイクを始動させる時間帯の、気温で判断するのがポイント。
北海道の冬期でも早朝と日中では温度はプラスマイナス10度ほど差が出るので、適切な粘度のエンジンオイルは変わってきます。
厳冬期の北海道でバイクに乗る人はいないと思いますが……。
低温指数の早見表
外気温 | 粘度(低温) |
---|---|
-35 | 0W |
-30 | 5W |
-25 | 10W |
-20 | 15W |
-15 | 20W |
-10 | 25W |