
文/Webikeバイヤー:凧(たこ)
ライジャケ感ゼロのライディングジャケット
個人的にはライジャケらしいライディングジャケットがあまり好きじゃない20代男性です。ロゴや英文がバチバチに入っているのは特に。
でも、バイクに乗る以上安全面からプロテクターやライディングジャケットは外せないアイテムなのでやっぱり着るべき。これは間違いない。
なんかしっくりこないライジャケ事情にちょっと終止符を打つかもしれないのが、最近増えてきたライジャケらしくないライディングジャケットたちです。
その中から、どう見ても普段着なパーカーに見えるRSタイチのRSJ330 コーデュラフーディをじっくり1か月着る機会があったのでインプレッション!
目次
まずはディティール!見た目は普通のパーカー
そのままユニクロに置いてあっても、受け入れてしまうような普段着感マックスの見た目。
「お!ええやん!これなら買い物に着て行っても恥ずかしくないかな?」そう思わせてくれるデザインです。
各所に主張するタイチのロゴが辛うじてバイクウェアですと自己紹介するくらいで、レーシングテイストのラインやカラフルな素材の切り替えもナシ。
ちょっとそこまで、というストリートでの使い方にピッタリなウェアと言えるでしょう。
素材は結構重めのスウェット生地。しかもただのスウェットじゃなくて、CORDURAR混紡ニット使った高強度スウェット生地。
安全性へのこだわりを感じます。
そのため、結構重量感あります。でもこれが後ほど役立つことに……。
プロテクターは装備されている
ライジャケがライジャケたる理由の一つ。内蔵プロテクター。
もちろんRSタイチなのでついています。
場所はショルダーとエルボーにCE規格LV.1プロテクター。背中にソフトタイプのプロテクターが標準装備されています。
胸部はタイチ製ジャケット共通の取り付け部がついています。
この構成自体は普通で、いわばタイチのエントリーモデル的構成です。
驚きなのがプロテクターを身に着けているにも関わらず、着た時に肩や肘に不自然な出っ張りが出ないこと。
北斗の拳のような、プロテクトしてます感が出ないので、コンビニや道の駅にも躊躇わず入っていけます。
パーカーの紐にこだわりを感じる
「あー、このジャケット、バイク乗ってる人が考えたのかなぁ」
そう感じたポイントがこのパーカーの紐。
パーカーを着てバイクを乗ると必ずと言っていいほど紐がバタついてしまいます。
でも、このタイチのコーデュラフーディーは内側にホックがついていてそこと紐の先端をくっつけることで固定できるという。
意味わからんこだわりすぎて感動した。こういう細かいところで差がつくのがライジャケかそれ以外か。です。
カラーは3種類
パーカーらしいヘザーグレーとKTMに似合いそうなオレンジチャックが素敵なネイビー。
そして、今回インプレッションしたチャコールの3色です。
身長体型別サイズ感はこんな感じ!
今回のインプレッションで、身長180㎝体重70㎏くらい細身だと思いたい僕が選んだサイズはLサイズ。相棒のけんじぃは176㎝76㎏ですがこちらもベストマッチ。
実際に着て初夏にツーリングしてみた
この日の気温は26度天気は快晴!ヌワッとした初夏の暖かさが心地よいツーリング日和です。
Tシャツの上にコーデュラフーディを着ると丁度良い感じでございました。
思ったより風通しは良い
夏といえばメッシュジャケットなので、やっぱりスウェット生地、暑いんじゃないかと思ってましたが、意外といけるもんです。
風通しが良く、日暮れや、木陰は少し寒さを感じるレベルでした。実際帰り道は追加のアウターを着るか本気で考えた。
これはつまり、これからの夏、見た目より涼しいということです。
通勤も含めほぼ毎日着てみても、なかなか心地よい体感温度になるというのは素晴らしい。
ただ、30度越えの日は流石に停車中に暑さを感じはじめたので万能ではないです。おそらく真夏のロングツーリングとなるとメッシュジャケットに分があると言わざるを得ません。
梅雨明けから初夏、そして秋口などメッシュが活躍できない季節に効果を発揮するでしょう。
緩めのシルエットなのにバタつかない
ライジャケを名乗る以上走っている間のことを第一に考えてほしいと思うもの。
その点こいつはれっきとしたライジャケでした。
なんとバタつかない。このようなちょっと緩いシルエットだと、まず心配になるのはバタつきですが、それがほぼない。
ここで冒頭お伝えした重い生地が役立つのです。
やわらかい着心地を実現しつつ質量のある生地なので、走行風が当たっても簡単にはなびかない!
バタつきは走行距離が伸びれば伸びるほどライダーの体力を奪う物。疲労は事故の元でもあります。
適度な重さで、走りやすいこの味付けは絶妙であるという他ありません。
重ね着には向かないかも
使ううちにわかったマイナスポイント。
パーカーなので、アウター的なウェアを追加することは違和感ないんですが、内側に何か着るとなると困ります。
例えば、普通のライジャケであれば内側にパーカーなど厚手のウェアを着ることができますが、このジャケットは既にパーカー風デザインなので、この手の重ね着が困難。
僕も春の朝の通勤時は朝、Tシャツonコーデュラフーディ、夜はアウターとしてマウンテンパーカーを着用するというスタイルに落ち着きました。
でもこれは我々のライジャケに対するインナー論をアウター論に変えればOK。寒ければコーデュラフーディの上にレザージャケットやMA-1などを着こなすとイイ感じでしょう。
そして、初夏以降はTシャツonコーデュラフーディで朝から晩までOKですので気にする必要は、そこまでないかもしれません。
ライジャケを着ている感覚がない
これは良い意味でポイント。ライジャケを着るぞ!と意識をすることもなければ、人混みやコンビニの入り口で脱ぐこともない。
着ている間は、いわば普通の服なんです。制服でもコスチュームでもなくてTHE普通の服。それでいて安全性や快適性といったライジャケの要件を満たしている。
そういう日常生活にピッタリのウェアがこのコーデュラフーディです。
流行り廃りもあまりなさそうな普遍的デザインなので、来年も再来年も着れるでしょう。
コスパいいんじゃないか?
個人的には、これからこういう”普通”に着れるライジャケがもっと増えてきてほしいなと思います。
この記事にいいねする